借金を返せないのは自己責任!「死んでも返せ」と言われたら

投稿日:2016年10月24日 更新日:

[PR]

「借りたお金が、返せなくなってしまった」

そんな“返済不能”の悩みが、ネットや巷の様々な所で見受けられます。


「強引な勧誘を受けて、エステローンを50万円も組んでしまった。」
「消費者金融から借り過ぎてしまい、金利が膨らんで返済がつらい」
「会社都合で仕事をクビになり、収入がなくなってクレジットのリボ払いが返せなくなった」
「フランチャイズ店のオーナーになったものの、本部から貸付られた800万円が返済できない」
「親が倒れて介護ローンを組んだが、介護と仕事の両立ができず、収入が減って返済が苦しい」
「住宅ローンを2000万円も残したまま離婚して、多額の返済が残ってしまった…」


ほかにも、例を挙げればキリがありません。
今の時代、“誰の身にも起こりうる”返済不能…“返せない、払えない問題”。

こうした悩みに対して、匿名掲示板や質問サイトでは、こんな回答が寄せられることもあります。


『お金を借りたのは自己責任です。頑張って働いて返して下さい。』
『どうせ無計画に借りたんでしょ?そんなの自分の責任です。』
『借りたお金を返すのは当たり前。何としても自分で稼いで返すのが当然。』


「自己責任だから、自分の責任で何とかしなさい」という言葉です。
死んでも返せ”と言わんばかりのコメントが、見受けられる時もあります。

コメントを受けて、多くの方は、「そうですよね。何とか頑張ってみます」と返事をするものの…。


今月の生活費すら足りない”と悩む方が、“50万円の債務を月末までに一括返済”できるでしょうか?
そうした期日と返済を求められるのが、滞納・取り立ての常識です。

※つぎの記事で、取り立ての内容や、一括返済を求められる理由について解説しています。


「自己責任だ」
「自分が悪いから、自分で何とかするべき」

と言われ、それに納得したところで、『現実的に、不可能なものは不可能』です。


にも関わらず、なぜこうした“自己責任論”が、私たちの常識になってしまっているのでしょうか?

前置きが長くなりましたが、今回は、この“返済不能の自己責任論”について、考えを深めてみたいと思います。

“自己責任”は社会の原則

「借りたお金は、きちんと返す」
「借り入れも返済も、ローンもクレジットも、自己責任で利用する」

これは、社会一般の“原則”であり、“大人のマナー”です。
ですから、もしも返済不能になり、困ってしまったとしても、「それも本人の責任」「自己責任の結果だから、自分で責任を負うべき」となります。

これ自体は、非常に大切な考え方だと思います。
もしこの考え方が通用しなくなったら、誰もが無責任にお金を借り入れ、そして返済しなくなります。日本社会の経済システムは、音を立てて崩れ去ってしまうでしょう。

ですから、借金は“原則として、自己責任”。

これは、当サイトとしても、まったく同意する所です。

なぜ“大人の”ルールなの?

余談ですが、カードローンやクレジットの「自己責任による利用」が“大人のマナー”と呼ばれることを、ご存知でしょうか?

実は民法には、“未成年者契約の取消し”という仕組みが定められています。

未成年者は、成年者と比べて取引の知識や経験が不足し、判断能力も未熟です。
そこで、未成年者がおこなう契約によって不利益をこうむらないように、法律で保護されています。民法で「未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができる」と決められています。

東京都生活文化局消費生活部 東京くらしセンター
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/s_faq/kiso/k_miseinen.html

未成年者の契約や商取引は、“保護者の責任”になるんですね。
だから、「自己責任による利用」は、“大人のマナー”と呼ばれるんです。

 

「返せない・払えない」への救済措置を、“国が用意している”理由

「借金を返すのは自己責任」
これは確かに“原則として”そうですが、ここで一つ疑問があります。

なぜ債務整理という、『合法的な借金減額・免除の方法』を、『国が公認で』用意しているのか

という事です。

「借金は自己責任だから、何が何でも自分で返済するべき」
これが絶対であるなら、最低限の差押禁止動産(2か月分の生活費など)を残して、あとは何もかも差し押さえを強制執行すれば良い話です。

本人からの差し押さえで足りない分は、連帯保証人、保証人などから徴収することも可能です。
こうした差し押さえ(強制執行)について、詳しくは次の記事で解説しています。


ところが現実には、「返せなくなったら、なんでも差押え」というわけではありません。
債務整理という、“差し押さえを受けず、自己破産もせず、借金を減額・免除できる手続き”が、“国の認めた合法的な方法”として、しっかりと整備されているからです。


この理由は、「返済不能に陥ってしまった方を、救済するため」だと言われています。債務整理や破産手続きについて定めた、「破産法」の第一条には、このように書かれています。

第1条
この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。

出典:破産法第1条 - Wikibooks

ここには、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。と、はっきりと書かれています。

返済不能になってしまった方に対して、「お金がないなら、社会から不要である」と排除してしまうのではなく、「本当に借金が返せなくなった人は、国の力で“生活再建”しっかりと支える」というのが、日本の国の決まり事となっているわけです。

弁護士・司法書士も“再建第一”で対応します

「生活の再建が第一」
この言葉は、債務整理を扱う、とある司法書士事務所の先生のお言葉です。

「債務整理の費用は、生活の立て直しが済んでからで良いですよ」
「まずは問題を解決し、生活を立て直すことを第一に考えましょう」

こうした考えに基づき、“初期費用無料”・“費用の後払い、分割払いOK”とする法律事務所が増えています。

当サイトでは、こうした考えを持った、債務整理のプロたちを厳選しています。
こちらも併せてご覧ください。

無料で相談できる弁護士・司法書士を一覧にまとめました

 

借金やローン、クレジットは、確かに自己責任かもしれません。
ですが、「責任能力を超えて、返済不能になってしまった方」を、すべて切り捨てよう、排除しよう…。
そういった価値観を、日本の社会制度・司法制度は、採用していないんです。

「責任能力を超えてしまった方は、しっかりと救済しよう」

それが、“債務整理”の根底にある、基本的な価値観だと言えます。


もちろん、借りたお金を返せなくなった時、自分の責任を痛感することは、必要なことでしょう。
ですが、だからといって「すべてを自分で解決しよう」と考えることも、現実的ではありません。「不可能な返済」を実行しようとすれば、行きつく先は、自殺かもしれないからです。


「本当にどうしようもなく困ったときは、生活再建・事業再建を助けてもらえる」。
「弁護士・司法書士に債務整理を依頼して、“助けてもらって良い”」

このことを、頭の片隅に覚えておいて頂ければと思います。

 

脚注、参考資料

-滞納・返済

© 2024 【債務整理ジャーナル】借金が返せないときに役立つ債務整理情報サイト

目次へ