ブラックリストでも市役所からお金を借りれる?借金返済に利用できる?

投稿日:2018年6月24日 更新日:

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★この記事を読んでわかること
(約4分で読めます)
  • 借金返済で生活費が足りない…役所からお金を借りられる?
  • 役所の「生活福祉資金貸付制度」はブラックリストや総量規制でも審査に通る?借りたお金は借金返済に使える?
  • 役所からお金を借りても、結局は借金が増えるだけ?本当に良い解決方法とは。

「お金に困ったら、いざという時は役所が助けてくれる」

そんな話を聞いたことのある方も多いと思います。

「借金返済のお金が足りない」
「ブラックリストや総量規制で、もうどこからも借りられない」
「今月の返済が払えそうにない」
「借金返済で生活費が足りない」

こうした場合に、市役所や区役所、町役場などからお金を借りることはできるのでしょうか?
また、役所から借りたお金は、借金返済やクレジットカードの引き落としに使えるのでしょうか?

そうした疑問に、今回はお答えしていきます。

役所でお金を借りれる「生活福祉資金貸付制度」とは

それでは、解説をはじめます。

「お金に困ったら、いざという時は役所が助けてくれる」

これは確かに、その通りと言っても良いでしょう。
役所が助けてくれる制度は「生活保護」が有名ですが、その他にも様々な支援制度が整備されています。

「役所からお金を借りたい」という場合の、生活福祉資金貸付制度もその一つです。

生活福祉資金貸付制度とは

生活福祉資金貸付制度とは、簡単にまとめると、次のような制度です。

低所得者、高齢者、障害者などが、安定した生活を送れるように、
都道府県の社会福祉協議会が、
資金の貸付けと必要な相談や支援を行う制度

生活福祉資金貸付制度の審査と利用条件

低所得者も対象に含まれているため、「私は貧乏だから、この生活福祉資金貸付制度でお金を借りられるかもしれない」と思える人もいるかと思います。

そこで、生活福祉資金貸付制度の審査と利用対象者も、もう少し詳しくチェックしてみましょう。
政府広報オンラインの解説によると、次のようになっています。

《生活福祉資金貸付制度の対象》

・必要な資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」
・障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」
・65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」

失業して生活にお困りの方など、一時的に生活資金などが必要な方を支援するための「生活福祉資金貸付制度」があります。

政府広報オンライン

こうして見ると、「年収○○万円以下」などの具体的な要件は無さそうですね。
また、融資審査については特に明記されていませんが、普通のローンのような審査とは違う印象があります。

さらに、“必要な資金を他から借りることが困難な”という文章もあるので、ブラックリストや総量規制でどこからも借りれない人も大丈夫では…という気もしそうですね。

ですが実際には、“生活福祉資金貸付制度の利用が認められるか”は、事情によって大きく異なるようです。

★ブラックリストでも生活福祉資金貸付制度は利用できる?さまざまな意見

たとえば、「ブラックリストでも生活福祉資金貸付制度は利用できるのか」という点でも、いろいろな声があります。
「融資なので、ブラックリストの人は利用できない」という声もあれば、「“他から借りることが困難な”人が対象だから、ブラックリストでも大丈夫」という声もあります。
どちらが正しいのかはハッキリせず、「地域の社会福祉協議会の判断や、窓口になる民生委員によっても違うのでは」といった考え方もあるようです。

生活福祉資金貸付制度で借りたお金は、借金の返済に利用できる?

もう一点、「生活福祉資金貸付制度で借りたお金は、借金返済に使えるのか」という点も気がかりですね。

特に、総量規制やブラックリストになっている方は、何かしらの滞納があったり、債務超過(借金のし過ぎ)になっているかと思います。ですので、“借金返済に使えるのか”は重要なポイントになります。

さて、その答えですが、はっきりとは言えませんが「借金返済に使うのは難しい」と考えられます。

というのも、生活福祉資金貸付制度には、“利用目的”が定められているからです。

生活福祉資金貸付制度の利用目的は、限定されている

生活福祉資金貸付制度で借りたお金は、何にでも使って良いわけではありません。
厚生労働省の資料によると、次のような項目に限定されています。

生活支援金 生活の立て直しまでの間に必要な生活費
住宅入居費 賃貸住宅を借りるための初期費用
一時生活再建費 生活の立て直しまでの間に必要な生活費
就職などを前提とした技能習得の費用
…など
福祉費 福祉用具などの購入費用
介護サービス、障碍者サービスなどの費用
災害の被災により必要となる経費
…など
緊急小口資金 一時的に生活できなくなった場合の少額融資
教育支援資金 低所得者世帯の教育費の支援
不動産担保型
生活資金
低所得の高齢者世帯、要保護の高齢者世帯などに対し、不動産を担保に生活資金を融資

生活福祉資金貸付条件等一覧 |厚生労働省()を参考に執筆作成

実際にはもっと細かく、使用目的が定められています。
そのため、たとえば「クレジットカードのリボ払いを完済するため」や、「カードローンの借金を返すため」といった目的では、利用が認められるとは限らないでしょう。

役所でお金を借りること自体がデメリット?意外な賛否両論も

生活福祉資金貸付制度は、条件に当てはまる人であれば、役所でお金を借りられる支援制度。
条件がすこしハッキリしない部分もありますが、「役所が融資してくれるなら安心、利用したい」と思う方も多いでしょう。

ですが、借金問題の専門家の中には、そもそも「役所でお金を借りること」自体に、いろいろな意見があります。

とくに、“借金返済で困っている”という人の場合、

生活福祉資金貸付制度といっても“借金を増やす”ことに変わりはない
すでに返済が苦しいほど借金を抱えているのに、さらに(福祉制度で)借金を増やすのは望ましくない
生活福祉資金貸付制度を利用するより、『債務整理』で解決したほうが良い

といった指摘もあります。

債務整理とは?取立てをストップし、返済を減額・免除する手続き

債務整理とは、「借金を減額・免除する、国の定めた正式な手続き」です。
今ある借金を解消し、借金をしなくても生活できるように立て直すことが、この手続きの目的となります。

債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」といったものがあります。

債務整理の種類
任意整理 将来利息や遅延損害金をカットし、残りを分割払いにする方法です。裁判所を通さず行えるため、家族にも知られずに借金を解消できる場合もあります。
個人再生 すべての借金を5分の1程度に減額し、残りを分割払いにする方法です。家を残せる「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という仕組みもあります。数百万円~数千万円の高額の債務整理に向いています。
自己破産 原則として、すべての返済が免除される手続きです。よく、「自己破産すると戸籍に傷がつく」「裁判所に身柄を拘束される」「選挙権を剥奪される」といった噂がありますが、これらは全て間違いです。
特定調停 裁判所の調停委員を通して、借金の返済計画を立て直す仕組みです。負担のわりにメリットが得られにくい場合もあり、あまり用いられる事はありません。

またこのほかにも、借金そのものを時効で消滅させる「時効援用」といった方法もあります。

借金問題の解決は、債務整理のほうが良い?生活福祉資金貸付制度と比較すると

債務整理と生活福祉資金貸付制度は、比較しても、どちらが良いとは一口に言えません。どちらも違った目的があり、またメリットやデメリットも大きく異なります。

生活福祉資金貸付制度:
・生活費などが足りない時、一時的に助けてもらえる制度
・借金問題の解決にはならない(むしろ借金を増やしてしまう)
・条件に当てはまる人でなければ利用できない
・利用審査などで、ある程度の時間が掛かる

債務整理:
・借金返済を減額・免除し、借金に頼らずに生活できるようにする制度
多重債務など問題を根本的に解決できる
取り立てを最短即日でストップできるので、「返済のお金が足りない」「返済すると生活費が足りなくなる」といった場合の解決方法としても効果がある

たとえば、同じ「生活費が足りない、借金が返せない」といった悩みでも、人それぞれの状況によっては、債務整理のほうが良い場合もあれば、生活福祉資金貸付制度のほうが良い場合もあるでしょう。
また、もっと別の支援が必要な人もいれば、逆に特別な手続きもせず、ちょっとした改善や話し合いで解決できる場合もあります。

★どうすればいい?弁護士・司法書士による“診断”が必要です

どんな解決方法が自分にあっているのかは、債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談し、“診断”してもらう必要があります。
解決方法がいろいろあるので、弁護士・司法書士の診断を受け、「自分にぴったりの方法」を見つけてもらう事が大切です。

次のページで、借金返済の悩みを無料相談できる弁護士・司法書士をまとめています。
相談だけならお金も掛からないので、まずは利用してみましょう。

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