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この記事では、「夫の借金の債務整理」について、相談事例をご紹介していきます。[1]
悩みの内容
- 夫がパチンコにハマり、隠れて借金をしていた
- ギャンブル依存については専門家に相談済
- 夫が隠れて作った4社195万円の借金をなんとかしたい
「自分も似たような悩みがある」という方は、ぜひご覧ください。
夫がパチンコにハマり、隠れて借金を…返しきれない、どうすれば
今回はまず、相談者の悩みを見ていきましょう。
相談者は、借金をした本人ではなく、その「妻」です。
内容をまとめると、次のようになります。
「夫がパチンコにハマって、隠れて借金をしてるんです。6年前にも同じことがあって、その時は夫の母に助けてもらって返済しました。でも、最近またサラ金から督促状が届いて…それで、あの人が、また隠れて借金してたってわかったんです。」
「夫を問いただして、書類を全部出させて、そうしたら4社で合わせて195万円もあるんです。でも、あの人がもう信じられなくて、まだ他にも借金を隠してるんじゃないかって不安で…」
「ギャンブル依存症かもしれないと思って、そちらは精神科で診てもらっています。でも、借金はどうすればいいんでしょう?もう実家の母も、ほかの親族も頼れません。」
…と、こんな内容の悩みになります。
悩みの内容から、次のようなことがわかります。
- 夫がパチンコにハマって作った、4社195万円の借金
- 督促状が来ている=すでに返済を滞納している
- 妻としては、「他にまだ隠している借金があるのでは」と不安
- ギャンブル依存の「心の問題」については、専門家に相談済
それではもう少し、この事例の詳細情報をまとめていきます。
今度は、家計と借金の状況を見ていきましょう。
性別 | 年齢 | 職業 | 月収 | |
相談者(妻) | 女性 | 30代 | パート | 8万円 |
夫(債務者) | 男性 | 30代 | 会社員 | 32万円 |
子ども | - | 10歳 | 児童手当受給中 | 1万円 |
子ども | - | 5歳 | 児童手当受給中 | 1万円 |
借入先 | 借入件数 | 債務残高 | 月々の返済額 |
消費者金融 | 2件 | 95万円 | 2万円 |
銀行カードローン | 2件 | 100万円 | 2万円 |
専門家の回答:任意整理での解決を推奨
続いて、この相談者の悩みに対して、専門家がオススメしたアドバイスと、その理由を見ていきましょう。
専門家のアドバイス
- 収入と生活費などから、借金は、裁判所を通さない「任意整理」での解決が良いと思われる
- ギャンブル依存の解消は、引き続き医療の専門家にサポートを受ける
任意整理を勧めた理由
- 将来利息のカットにより、着実に元本が減らせるため
- すでに取り立てを受けている状況なので、早めに着手して、裁判や差し押さえを防ぐ必要がある
任意整理を行った結果
- 弁護士費用を気にして、夫が任意整理に同意しない状況だったが、初期費用ゼロ円の弁護士に依頼することで同意
- 弁護士への依頼により、業者からの取り立てがほぼ即日でストップ
- 将来利息のカットで、元金が着実に減らせるようになった
- 裁判や強制執行(差し押さえ)も回避できた
- 手続きを通して、夫の債務状況が明らかになったため、「まだ隠している借金があるのでは」という不安も解消された
解説:本人が債務整理に乗り気でない…家族だけでは支えきれない事態も、専門家の支援で解決
今回の事例のポイントは、次の3点になるでしょう。
- 相談の時点で、すでに返済を滞納し、取り立てを受けている状況
- 夫に隠れて借金されていたことで、「ほかにもまだ隠している借金があるのでは」と(妻=相談者)が不安になってしまった
- こうした状況にも関わらず、債務者本人である夫は、債務整理に乗り気ではない
この3つのポイントを軸に、解説を行っていきます。
すでに滞納があり、取り立てを受けている…解決が遅れると法的措置に
今回の事例では、相談した時点ですでに滞納があり、督促状が届いていました。
もしも放置していたら、裁判所への支払督促の申し立て、または訴訟などを経て、預貯金などの財産が差し押さえを受けてしまったことでしょう。
「家族の借金について相談する」というのは、心理的にも勇気のいる事だったと思いますが、専門家に相談して大正解だったと評価できます。
債務整理の手続きを通して、債務状況が明らかになる
今回の相談者の方には、「夫がまだ他にも借金を隠しているのでは」という不安もありました。
実はこれも、弁護士・司法書士を通した債務整理(借金解決の手続き)を通して、解消される悩みです。
弁護士や司法書士は、債務整理の依頼を受けると、債務状況の確認を行います。個人信用情報機関への照会なども行われるでしょう。これにより、借金の状況がつぶさに明かされますから、“ほかの借金を隠しておく”ことは、できなくなります。
本人が債務整理(借金解決)に乗り気でない…家族で説得より、弁護士・司法書士を通して
もしかすると、この事例で一番の壁になったのは、「本人が債務整理に乗り気でなかった」ことかもしれません。
借金返済の悩みの相談は、“相談だけ”なら本人以外でも可能となっています(※一部の相談窓口のみ対応)。しかし、実際に手続きをするとなると、本人が弁護士・司法書士に依頼して行う必要があるからです。
しかし、「家族だけで何とか本人を説得して、債務整理してもらおう」と考えると、かえって話がこじれてしまう恐れもあります。
弁護士・司法書士にしっかりと間に入ってもらい、
- なぜ債務整理が必要か
- 債務整理を行うとどうなるのか
…といった説明を通して、本人も納得の上、債務整理を進めていくほうが良いでしょう。
--脚注、参考資料--
[1]本記事は、下記資料掲載の事例をもとにしています。
返済困難者相談支援の相談事例集
平成30年10月 大阪府商工労働部中小企業支援室金融課 相談事例 E-(2)