債権回収会社からの取り立ては違法?詐欺と本物の督促を見分ける方法とは?

投稿日:2018年7月12日 更新日:

★この記事を読んでわかること
  • 債権回収会社からの督促は詐欺?本物の債権回収会社からの督促であれば、心当たりがなくても正当・合法な催告
  • 実在の債権回収会社の名前を悪用した、詐欺や架空請求の心配もあり
  • 自分での判断は難しいため、法律の専門家に相談を。
  • 本物の督促だった場合も、返済が苦しい場合は債務整理で返済額を減額したり、時効援用で返済義務を消滅できる可能性がある。

この記事では、債権回収会社からの督促が、詐欺や架空請求ではないか判断する方法をお伝えしていきます。

債権回収会社から督促や取立てを受けて、

「詐欺や架空請求では?」 「違法な督促では?」

と疑問に思う方も多いようです。
この答えは実は少し難しく、「正当な合法の督促」のこともあれば、「違法な詐欺や架空請求」の可能性もあります。

そうした判断の参考になる情報を、債権回収会社の管轄省庁である、法務省の公式資料をもとに解説していきます。

債権回収会社とは?督促代行は違法ではないの?

まず、「債権回収会社」について解説していきます。

債権回収会社は、普段あまり馴染みのない方が多いと思います。なので、「詐欺や架空請求では」と考えてしまいがち。ですが、実際には“本物の債権回収会社”は、詐欺などの違法な企業ではありません。

債権回収会社とは

債権回収会社とは、「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」に基づいて、国の許可を得て督促などの仕事を行っている企業です。

法務省の解説を見てみましょう。

「債権管理回収業」とは,弁護士又は弁護士法人以外の者が委託を受けて,法律事件に関する法律事務である特定金銭債権の管理及び回収を行う営業又は他人から譲り受けて訴訟,調停,和解その他の手段によって,特定金銭債権の管理及び回収を行う営業をいいます(債権管理回収業に関する特別措置法第2条第2項)。

簡単に言えば、

他の会社などから「借金の返済を受け取る権利(債権)」を買い取る(債権譲渡譲受)
他の会社などから依頼を受けて、督促や取立てを代わりに行う(債権回収代行)

といった仕事をしている企業です。
国の認めた、取立てのプロ企業」と言っても良さそうです。

なお、債権回収会社がこうした業務で扱える債権は、法律(債権管理回収業に関する特措法)に定められた、特定金銭債権のみになります。これについては、詐欺との見分け方のポイントにもなるため、後ほど詳しく解説します。

債権回収(取立て)の代行は違法ではないの?

「取立ての代行は違法行為」という話を、書籍やネット、金融マンガなどで見かけた方もいるかと思います。
確かに、一般人や一般企業が取立ての代行を行うことは禁止されています。ですが“弁護士と、法務省から許可を得た債権回収会社”には、取立ての代行などを行うことが認められています。
そのため、債権回収会社から督促が来ることは、正当な請求であると考えて良いでしょう。

心当たりが無くても、詐欺や架空請求ではなく合法な督促の可能性が高い

債権回収会社は、法務省の特別な許可を得て、取立ての代行・債権譲受による督促などを行っています。

《例1:イオンカードで返済を滞納した場合》
・イオンクレジットサービスから、「エーシーエス債権回収」や「パルティール債権回収」、「オリックス債権回収」などに債権譲渡され、取立てを受ける

《例2:奨学金の返還を滞納した場合》
・日本学生支援機構から、「エムユーフロンティア債権回収」「リボーン債権回収」「日立キャピタル債権回収」などに集金代行が委託され、取立てを受ける

このように、もとの借入先(原債権者・または委託元)と、督促を行う債権回収会社が、まったく別の会社になる仕組みです。
そのため、「債権回収会社に心当たりがない」という場合でも、合法的な督促である可能性も高くなります。

債権回収会社からの督促が本物なら無視すると危険

債権回収会社は金融機関などから支払い滞納などで回収が困難になったローンや料金などの特定金銭債権を買い取ったり、回収の委託を受けて取り立てを行うことを主な業務としています。
取り立て督促のプロ企業ですので、裁判を提起したり強制執行(差し押さえ)による回収も得意としています。

○○月○○日までにと支払い期限を決めて一括請求されるケースがほとんどですが、督促の通知書や内容証明郵便が届いても、払えないからと無視や放置をしていると『支払督促の申立』『訴訟』といった法的手続きを確実に執られるでしょう。

法的手段に持ち込まれれば債務者側(こちら側)には勝ち目はほぼありません。裁判の判決により債務名義を取得され、それに基づき強制執行・差し押さえを受けてしまいます。

差し押さえの対象となるのは、不動産だけでなく、銀行口座や会社から貰う給料など様々なものが差し押さえの対象です。

こうした事態を避けるためにも、債権回収会社からの請求は絶対に無視してはいけません。

★債権回収会社から一括請求された場合でも、減額・免除の交渉が可能

債権回収会社と架空請求(詐欺)の見分け方

債権回収会社は、国に認められた督促のプロ企業であり、集金代行なども違法ではない事がわかりました。
ですが、これはあくまで「本物の」債権回収会社からの督促の場合です。
実際には、

実在する債権回収会社とよく似た名前の会社名を名乗る
実在する債権回収会社の名前をそのまま悪用する(なりすまし)

といった手口での、詐欺や架空請求も発生しています。

本物の債権回収会社からの督促と、詐欺や架空請求とを見分けるのは難しいのですが、いくつか判断の参考になるポイントをご紹介していきます。

債権回収会社の一覧を見て、会社名(商標)をチェックする

本物の債権回収会社は、すべて法務省に登録されています。
そうした法務省の情報をもとに、当サイトにて、本物の債権回収会社の一覧を掲載しています。

この一覧を使って、よく似た名前の架空請求ではないか確認することも可能です。

ただし、名前が同じでも、「なりすまし」による架空請求の恐れもあるため、これだけでは判断しきれません。

請求や督促の内容から判断する(特定金銭債権)

債権回収会社が取り扱いできる債権は、「特定金銭債権」の範囲に限られます。たとえば、借金の返済やクレジットカードの支払滞納などが、これにあたります。

そのため、特定金銭債権以外の内容で督促が来ていた場合、債権回収会社の「なりすまし」による架空請求が考えられます。

法務省の説明を見てみましょう。

法務大臣の許可した債権回収会社が,出会い系サイト,アダルトサイトの利用料等を請求することはありません。
債権回収会社が,出会い系サイト,アダルトサイトの利用料等を請求することはありません。
また,例えば「有料番組未納料金」,「電子消費者契約通信未納料金」等と称するものを請求することもありません。

つまり、・アダルトサイト、出会い系サイトなどの有料サイトの利用料
有料番組未納料金
電子消費者契約通信未納料金

など、特定金銭債権以外にあたるコンテンツ利用料やサービス利用料について、債権回収会社を名乗る督促が来た場合は、詐欺や架空請求の疑いが強いと言えそうです。

督促状や催告書など、ハガキや郵便物の形式から判断する

本物の債権回収会社は、督促の方法など様々なルールに従って業務を行っています。そのため、督促状や催告書などハガキや郵便物の形式も、本物か架空請求かを見極める参考となります。

こちらも法務省の解説を見てみましょう。

6.法務大臣の許可した債権回収会社は,次のような方法により請求や督促を行うことはありませんので,注意してください。
(1) 目隠しシールのないハガキでの請求や督促
(2) 連絡先として多数の電話番号を列挙
(3) 請求書面で,担当者の連絡先として携帯電話を指定
(4) 個人名義の口座を回収金の振込先に指定

ハガキに目隠しシールが貼られていない
または、圧着ハガキではない
多数の電話番号が列挙されている
担当者連絡先として、携帯電話番号(090番号、080番号、070番号など)が指定されている
振込先の口座の名義が、会社名ではなく個人名

こうした条件に当てはまる場合、架空請求の疑いが強くなりそうです。

法務省認定・法務省認可などの言葉が使われている場合は詐欺の疑いあり

少しややこしいのですが、本物の債権回収会社が、自社のことを「法務省認定」「法務省認可」等と名乗って督促を行うことは、実際には無いようです。(※会社の公式ホームページ等で、「法務省の許可を得ている」等の説明がされることはあります)

実際に債権回収会社は、法務省から許可を得て業務を行っているのですが、そのことを「取立ての脅し文句」のようには使わない…という事です。

7.法務省が債権回収を業者に依頼することはありません。
「法務省認可特殊法人」,「法務省認定特別法人」,「法務省認定債権回収業者加盟店」等という機関は存在しません。
また,債権回収に関して,例えば「(電子消費者契約民法特例法上の)法務省認定通達書」,「法務省認可通告書」等の制度もありません。

督促状を見て、

  • 法務省認可特殊法人
  • 法務省認定特別法人
  • 法務省認定債権回収業者加盟店
  • 法務省認定通達書
  • 法務省認可通告書

…などの言葉が書かれていれば、詐欺や架空請求の疑いがあると考えて良いでしょう。

実際には、これらに当てはまらない詐欺事案も発生しています

法務省の資料を参考に、債権回収会社の名前を悪用する架空請求の手口と見分け方をご紹介しました。

ですが実際には、この基準だけでは判断しきれない詐欺事件も発生しています。

例えば、平成29年1月には、本物の債権回収会社である「株式会社住宅債権管理回収機構」の従業員による、滞納者への不正な金銭詐取の不祥事が発生しています(同社は再発防止に努めています)[2]。

このように、不正な請求や督促の手口は刻一刻と変化しています。

詐欺かもしれない…無視して大丈夫?わからない場合の対応方法

詐欺や架空請求については、「自分は騙されない」と強気に思ってしまうのが、もっとも危険だと言われています。

本物の督促だと思って、慌てて電話をした。実際は架空請求で、払わなくて良いお金を払ってしまった。

架空請求だと思い込んで放置していたら、本物の債権回収会社からの督促だった。すぐ裁判所に訴えられて、差し押さえになってしまった。

…といったように、自分で判断すると、架空請求だった場合も、そうでない場合も、大変なリスクがあります。

警察庁による、「詐欺かわからない場合」の対処方法ガイドライン

架空請求か、本物の督促かわからず、少しでも不安を感じた場合、どうすれば良いのでしょうか。
警察庁による詐欺防止のガイドラインを見ると、次のように記載されています。

不安に思った時(心当たりがあるかどうかもわからない場合)は、各種相談窓口までご相談ください。
メールなどに記載された連絡先には連絡してはいけません!

出典:警察庁-特殊詐欺対策 だまされないために

心当たりがあるかどうかもわからない
少しでも不安に思っている

という場合は、消費者センターや法テラス、債権・債務の問題に強い弁護士や司法書士など、各種の相談窓口に相談するよう、警察庁も呼びかけを行っています。

相談先はどこが良い?法律の専門家による無料相談窓口がおすすめ

それでは、債権回収会社から督促を受けた場合、相談先はどこが良いのでしょうか。
明らかに架空請求だという場合は、警察や消費者センター、法テラスなどが相談窓口としてお勧めできます。

ですが、債権回収会社からの督促の場合は、「債権・債務に強い弁護士や司法書士」への相談のほうが良いでしょう。

心当たりが無くても、本物の(合法的な)督促の可能性が高い

債権回収会社からの取立ては、「もともとの返済相手と違う会社からの督促」「知らない債権回収会社からの督促」であっても、合法で正当な請求である可能性が高くなります。

債権回収会社は、債権譲渡譲受や、債権回収代行(業務委託)により督促を行っているためです。

本物の債権回収会社による、合法的な督促の場合、警察や消費者センターでは何もできません。違法行為などが無いためです。

本物の督促だった場合、弁護士や司法書士なら「時効援用」や「債務整理」で解決できる

債権・債務のトラブルに強い弁護士・司法書士であれば、合法的な督促だった場合も、“お金を全額返済せずに解決”できる可能性があります。

時効援用による返済義務の消滅
もともとの借入先により異なりますが、最終返済から5年(または10年)で、借金などの返済は時効となります。
時効を過ぎたのち、『消滅時効の援用』手続きを行うことで、返済義務を消滅させることが可能です。

債務整理による返済の減額・免除
まだ時効が過ぎていない等の理由で、時効援用ができない場合も、『債務整理』による返済の減額や免除が期待できます。
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の4つの手続きがあります。自己破産をしなくても、任意整理や個人再生で返済を大幅に減らし、解消できる場合も多くなります。

取立てを最短即日でストップ
本物の債権回収会社による正当な(違法性のない)督促でも、弁護士や司法書士に依頼すれば、最短即日で全ての取り立てをストップできます。

このように、弁護士や司法書士へ相談すれば、督促が本物の場合でも解決できる可能性があります。

架空請求かもしれないが、判断がつかない
もしかしたら…と思い当たる借金もあるが、よくわからない

など、少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士など法律の専門家に相談してみましょう。

★債権回収会社からの督促を無料相談できる弁護士・司法書士

債権回収会社からの督促をはじめ、各種の取立て・支払い催告の悩みについて、無料で相談できる弁護士・司法書士をまとめました。

年中無休、全国対応のフリーダイヤル、メール無料相談
債務整理や時効援用の初期費用ゼロ円

といった、相談しやすい弁護士や司法書士の窓口をまとめています。

債務整理に強い弁護士・司法書士の一覧と解説

 

 


参考:
[1]法務省:債権回収会社と類似の名前をかたった業者による架空の債権の請求に御注意ください
[2]弊社社員がお客様から不正に金銭を詐取した事案について(お詫びとお願い)

-債権回収会社

Copyright© 【債務整理ジャーナル】借金が返せないときに役立つ債務整理情報サイト , 2019 All Rights Reserved.

目次へ