自己破産のデメリットとメリットをわかりやすく解説

投稿日:2019年3月27日 更新日:

この記事では、自己破産のデメリットとメリットを、わかりやすく解説していきます。
自己破産のデメリットについては、これまでにも、次の記事でご紹介してきました。

この記事では、あらためて基本に立ち戻り、自己破産のデメリットとメリットを、わかりやすく解説していきます。まず前半で自己破産のデメリットを、後半で自己破産のメリットをまとめていきます。

自己破産の主なデメリット

まずは、自己破産の主なデメリットを見ていきましょう。
債務整理にも詳しい、弁護士法人べリーベスト法律事務所の著書「自己破産と債務整理を考えたら読む本」にて、次の項目が挙げられています。[1]

ブラックリストになる

財産を手放さなければならないことがある

官報に掲載される

一部の職業が制限される

郵便物が転送される


こうしてみると、どれも不安になってしまうデメリットばかりですね。
ですが実際には、大きな心配は必要ないことも多々あります。
先入観やイメージに囚われて、必要以上に事故破産を恐れてしまわないよう、詳しい解説もまとめていきましょう。

ブラックリストになる(自己破産のデメリット①)

ブラックリストについては、特に気になる方が多いと思いますので、少し詳しく解説していきます。

「ブラックリスト」と聞くと、それだけ不安が掻き立てられてしまいますよね。
ブラックリストという単語だけで、失業、一家離散、ホームレス、刑務所…etc、恐ろしい想像をしてしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし実は、ブラックリストは、それほど恐ろしいものではありません。
漫画「ヤミ金ウシジマくん」や「ミナミの帝王」のような世界の話ではないのです。

ブラックリストとは?融資審査のため“だけ”に使われる記録

まず、ブラックリストとは何か、かんたんに見てみましょう。これは、「ブラックリスト」という名簿があるワケではありません。

“個人信用情報機関”という所に、借入や返済など、信用取引(借金やクレジット等)の履歴が記録されています。

《個人信用情報機関》

  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)

…どれも基本的に、民間の企業や団体となります。
国や自治体による公的機関ではありません。(割賦販売法および貸金業法に基づき、内閣総理大臣による指定は受けています)


さて、この記録(…個人信用情報、クレジットヒストリーとも言います…)は、何のためにあるでしょうか?お金を返せない人をさらし者にしたり、罰を与えたり、村八分にするため…ではありません。“金融機関などが融資の審査をする時に、参考にするため”にあるのです。

それ以外での記録の利用は禁じられており、審査の目的以外では閲覧できません。(本人による照会は可能です)

そしてブラックリストとは、この個人信用情報に、“融資などの与信審査において、不利になる履歴”が載っている状態のことを差します。
ですから言い換えれば、“与信審査のほかには、ブラックリストは特に影響を与えない”ということです。

ブラックリストは一定期間で消える

そして、ブラックリスト(を含む個人信用情報)は、一生残るものではありません。およそ5年~7年ほどで記録が消えていきます。

「自己破産をするとブラックリストになって一生ローンが組めない」といった話は間違いですので、お気を付けください。

自己破産をする以前に、すでに滞納や未払いでブラックリストになっている場合も

そもそも、ブラックリストになる原因は、自己破産や債務整理だけではありません。

自己破産が必要になる、ということは、返済の滞納や未払いがあったり、「このままでは払えなくなる」という状況です。
現実には、この「滞納・未払い」によって、すでにブラックリストになっている人がほとんど。

つまり、

自己破産をする ⇒ ブラックリストになる

という順番ではなく、

滞納・未払い ⇒ ブラックリストになる ⇒ 自己破産や債務整理で解決する

という順番が、実際には、ほとんどのケースで当てはまります。

「自己破産をしたらブラックリストになってしまう…」

と悩んでいる人は、すでにブラックリストになっているのに、そのことの自覚が無いだけということも多いのです。

自己破産や債務整理をしなければ、ブラックリストは延々と続いてしまう

「自己破産や債務整理をしなければ、ブラックリストがいつまでも解除できない」と言えるケースもあるんです。
滞納や未払いが原因で、すでにブラックリストになっている場合です。

この場合、ブラックリストの原因となった“滞納・未払い”を解決しなければ、いつまで経ってもブラックリストに載り続けてしまいます。
一方で、債務整理や自己破産で、“滞納・未払い”を解消すれば、ブラックリストの解除も見通しが立ちます。

★ブラックリストは、「滞納・未払いのデメリット」

ブラックリストについて言えば、自己破産のデメリットというより、滞納・未払いのデメリットと考えたほうが良いでしょう。

「自己破産をするとブラックリストになる」というのは、仕組み上は間違いではありません。

しかし現実には、

「すでに滞納や未払いでブラックリストになっている状況を、自己破産や債務整理で終わらせる」

…という形になる人のほうが多いでしょう。

ですので、ブラックリストについては心配せず、むしろ“今すでにブラックリストになっている状態を解決するため”にも、自己破産や債務整理を検討していきましょう。

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財産の清算(自己破産のデメリット②)

続いての「自己破産のデメリット」は、“財産の清算”です。

自己破産は、どんな手続きなのか…と一言でまとめると、

「この人(債務者)は今、払える財産が全部でこれだけしかありません。このままでは、今後の完済も難しそうです。なので、今ある財産を清算して、債権者の皆さんに配るので、残りの返済はチャラにしてください」

…という手続きです。
そして、

“今ある財産を清算して、債権者に配る”ことを「破産手続き」

“残りの返済をチャラにしてもらう”ことを「免責手続き」

と言います。
この、破産手続きと免責手続きが一体になっているのが、今の破産法の大きな特徴です。

破産手続きでは、今ある財産をお金に換えて配当(=財産の清算)を行うので、財産を手放すことになります。

このことから、

「自己破産をすると、一文無しのホームレスになってしまうのでは?」
「家族を巻き込まないように、一家離散するしかないのでは」
「一生を日陰者として、極貧生活を送るしかなくなる…」

…といった、絶望的な想像をしてしまう人も多いようです。

「自由財産」と「自由財産の拡張」で、生活や仕事に必要な財産は守られる

しかし実際には、自己破産を行っても、一文無し、ホームレス、一家離散…といったことにはなりません。

自己破産には、破産しても持っていて良い(清算しなくて良い)財産があるからです。

破産法第34条3項による「自由財産」
破産法第34条4項に基づく「自由財産の拡張」
ほか特別法によるもの

…などがあります。

詳しい内容は、以下の記事で解説していきます。

このため、自己破産することになっても、生活や仕事に必要な財産は守られます。

一定以上の財産がない場合、「同時廃止」で財産の清算ナシに免責を得られる

さらに、「そもそも清算できる財産がない」という場合は、財産の清算(=破産)自体をナシにして、返済の免除(=免責)を得られます。

これを、自己破産の「同時廃止」と呼びます。
自己破産の同時廃止についても、説明をはじめると長くなってしまうので、別の記事で扱っていきます。

財産の清算も、それほど心配しなくて良い

自己破産による財産の清算も、現実には、生活や仕事に支障がないように仕組みが作られています。

というのも、自己破産という手続き自体、「お金を返せない人に対する罰」や「債務者を村八分にする制度」ではなく、「返済不能に陥ってしまった人を助けるための制度」だからです。

これはただの個人的な意見ではなく、破産法第一条に、自己破産の理念・立法精神として書き込まれています。

【破産法 第一条】
この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。

『債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。』

つまり、「お金を返せなくなった人の、生活を立て直すこと」です。これが破産法の目的です。

だから、生活の立て直しに必要な、暮らしや仕事に必要な財産は、自己破産をしても守られます。

★自己破産は人生をやり直せる社会制度

ほかにも自己破産には、人生のやり直しを助ける仕組みが、いろいろと整えられています。

たとえば、破産後に手にした財産は「新得財産」といって、自由に持っていて良いことになっています。

破産した後に仕事で大成功をおさめ、大金持ちになることだって不可能ではありません。しかも、そうして手にした財産を、「あの時、破産してチャラにした分をやっぱり返せ」と言われることもないのです。

「自己破産って、もっと恐ろしい手続きじゃないの?」
「思ったほどデメリットが大きくなさそうだけど、本当?」

…と、まだ心配がぬぐいきれない人も多いでしょう。
そんな人は、債務整理や自己破産に詳しい弁護士・司法書士の無料相談を活用して、詳しい話を聞いてみましょう。

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自己破産のその他のデメリット

さて、ここまでの話でだいぶ長くなってしまったので、続きは少し駆け足で進めたいと思います。

官報に掲載される

自己破産を行うと、“破産手続開始決定”および“免責手続開始決定”の際に、官報に住所氏名が掲載されます。

こう聞くと、「自己破産したことが、世の中に大々的に言いふらされてしまう」と、真っ青になってしまいそうですね。

ですが実際には、

官報に載るのはその日だけ
日々の官報をつぶさに見ている人はほとんどいない
官報は、細かい文字で30P以上もあり、それが毎日なので、とても個人の情報を追いきれない

…といった理由から、現実には、官報掲載によって自己破産の事実が、知人や職場といった第三者の誰かに知られてしまう事は、ほとんどありません。

実際に当サイトでも、「個人の自己破産歴を官報で調べられるか」について検証を行いましたが、とても現実的ではないとわかりました。

手続き中、一部の職業が制限される

自己破産の手続き中は、一部の職業が制限を受けることになります。士業(弁護士や司法書士など)、保険外交員、警備員などの職業があたります。

ただ、こうした職業制限も、永遠に続くわけではなく、自己破産の手続きが裁判所で進められている間だけです。
期間は事例によって異なりますが、3ヵ月~長くても半年程度で済むのが一般的です。

手続き中、郵便物の受け取りに制限がある

自己破産の管財事件になると、手続き期間中、郵便物の受取にも制限が生じます。

自分宛ての郵便物は、破産管財人にいったん転送される形になります。(同じ住所でも、家族あての郵便なら転送はありません。)

こちらも手続き期間中のみの制限なので、手続きが終われば元に戻ります。

★自己破産の手続きを短くする方法

自己破産の手続き中は、制限が生じてしまう場合があります。そのため、手続き期間を短くすることも、自己破産で苦労しないポイントの一つです。

一般的に、弁護士や司法書士に依頼して行うと、自己破産の手続き期間を、数か月単位で大きく短縮できます。

ほかにも、弁護士や司法書士に依頼すると、

自分で裁判所に行く回数が減る
複雑な手続きを、ほとんど全てお任せでできる
自己破産後のアフターケアも受けられる
自己破産以外の方法で解決できる場合もある

…など、さまざまなメリットが生じます。
自己破産のデメリットを減らす役割も期待できるでしょう。

そのため、自己破産を考えている方は、まずは一度、弁護士や司法書士に無料相談を行ってみましょう。

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自己破産のメリット

続いて、自己破産のメリットについても確認していきましょう。

主なポイントは、次の5つです。

すべての返済を、原則としてゼロにできる
利用できる条件がかなり緩い
破産後にまた財産を持つことができる
職場や周囲にバレずに行うことも可能
ブラックリスト解除の見通しが立つ

…こうした点について、わかりやすく解説していきます。

全ての返済を免除できる(自己破産のメリット①)

まず、「全ての返済を免除できる」というのが、自己破産の最大のメリットです。

借金などの返済を解消する“債務整理”は、自己破産のほかにも、任意整理、個人再生、特定調停といった方法があります。しかしこの中では、返済の全額免除(帳消し・チャラ)が期待できるのは、自己破産のみです。

時効の援用(債務の消滅時効の援用)でも、返済を帳消しにできますが、こちらは“時効の起算点から5年以上経過しており、相手が対抗要件を備えていない”こと等の条件もあります。こうした時効援用との比較については、次の記事で詳しく行っていきます。

《内部リンク予定:自己破産と時効援用を徹底比較!デメリットが少ないのはどちら?》

ギャンブル、浪費、株、FX…でも自己破産できる可能性あり

「株やパチンコ、パチスロなどの借金は自己破産できない」
「FXで作った借金や、スマホゲームのガチャ課金で作った借金は破産が認められない」

…といった噂をご存知の方もいるでしょう。

確かにこうしたものは、自己破産の免責不許可事由(破産法第252条)に当該するとして、免責(返済免除)が認められない…と解釈することは、間違いではないと思います。

しかしながら、自己破産には「裁量免責」という制度もあります(破産法第252条2項)。
252条1項の免責不許可事由などに当該する場合でも、裁判官の裁量によって、免責が認められるケースがあります。

実際の運用上では、裁量免責が認められることはかなり多いようです。このため、ギャンブルや株、FX、スマホのガチャ課金…etc、免責不許可事由とされるものでも、裁量免責で返済が免除されることも、珍しい事例では無いでしょう。

利用できる条件がかなり緩い(自己破産のメリット②)

自己破産は、原則として全ての返済を免除できる、たいへん強力な手続きです。そのため、「利用には何か条件があるのでは」と思えそうですよね。

たとえば、「年収○○万円以下」とか、「債務額が年収の○○%」とかいった条件があるのでは…と考える人もいるかと思います。

しかし、自己破産の利用には、こうした年収や金額の制限はありません。

“返済・支払ができない時、または、できなくなりそうな時”

という他には、特に条件は無いのです。

自己破産のその他のメリット

自己破産には、他にもメリットがいろいろとあります。

破産後に得た財産(新得財産)は自由に持っていて良い

実は自己破産は、過去に何回か法律が変わっています。一番新しい現行法の破産法は、2004年に作られたものです。
平成に入ってから、破産法が新しくなっており、“過去の自己破産”とはかなり違う…ということは、あまり知られていない事実でしょう。

この「破産後に得られた財産(=新得財産)は、自由に持っていて良い」というのも、新しい自己破産の特徴の一つです。

昔の自己破産では、破産後に得た財産も、破産財団に組み込まれて、債権者への配当の対象となってしまいました(膨張主義)。しかし、今の自己破産では、破産後に得た財産は自由に使えます。

そのため、自己破産で返済をゼロにした後、大きく成功してお金持ちになることも、決して夢物語ではありません。

職場や周囲にバレずに行うことも可能

「自己破産は大変なことだから、きっと職場や周りの人にもバレてしまうだろう…」

そう考えて、自己破産をためらっている人も多いのではないでしょうか。
ですが現実には、職場や周囲の人にバレずに自己破産を行うことは、決して不可能ではありません。
ただし、これには相当に自己破産に強い弁護士・司法書士の力が必要でしょう。

裁判所での手続きや、書類の準備、各種の郵送物など、普通に自己破産を行ったら、周りの人にはバレてしまいます。
そのため、秘密を守るノウハウやテクニックを持っている、自己破産に強い弁護士・司法書士に頼むほうが賢明です。

ブラックリスト解除の見通しが立つ

これは先ほど、デメリットの項目でご説明した内容と関連してきます。

「自己破産をするとブラックリストになる」と言われていますが、それは表面上の話に過ぎません。現実には、自己破産をする前に、すでに滞納や未払いでブラックリストになっている人が大半です。また、ブラックリストになっていなくても、「このままでは返済不能で、ブラックリストになってしまう」というケースもあります。

結局のところ、自己破産してもしなくても、このままではブラックリスト…という状態ですね。

しかし、自己破産をして債務を解消すれば、滞納や未払いといったことも無くなります。
ブラックリストの原因である、滞納・未払いが無くなるわけですから、あとは個人信用情報機関の記録が消えるのを待てば良いだけ。

自己破産をすることで、最終的には、ブラックリストが解除される見通しになるわけです。

自己破産や債務整理をせず、滞納・未払いをそのままにしておけば、ブラックリスト解除の見通しも全く立ちません。
滞納が残っている限り、毎月毎月、「滞納」として個人信用情報に記録されてしまい、延々と記録が消えないからです。

ですから、自己破産とブラックリストについても、

「自己破産をすれば、滞納や未払いが解消されて、ブラックリスト解除の見通しが立つ」

というメリットとして捉えたほうが良いでしょう。

★世間のイメージや先入観よりも、自己破産はメリットが大きい

自己破産のデメリットとメリットを見てみると、世間で言われるイメージや先入観よりも、かなりデメリットが少なく、メリットが大きいことが伝わったかと思います。

確かに、自己破産は名誉なことでは無い…と言われれば、否定はできません。

しかし、そうしたイメージに引っ張られて、デメリットのほうを大きく、メリットのほうを小さく、偏向して考えるのは、決して良いことでは無いでしょう。

自己破産は、あなたの人生を大きく左右する手続きになります。そんな大切な手続きの判断を、歪められた情報や、印象操作によって左右されてはいけません。

歪められたイメージや先入観を断ち切って、本当のことを知るためにも、ぜひ、弁護士・司法書士に無料相談を行い、正しい理解を深めていって下さい。

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--脚注、参考資料--
[1]自己破産と債務整理を考えたら読む本 弁護士法人べリーベスト法律事務所 2016 日本実業出版社 ISBN978-4-534-05424-1

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