債務整理は弁護士・司法書士と面談が必要?電話のみで依頼できる方法は?

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★この記事を読んでわかること
(約8分で読めます)
  • 面談不要で債務整理をしたい!弁護士・司法書士に電話のみで自己破産や任意整理は依頼できる?
  • 債務整理の面談では、怒られたり叱られたりしない?
  • 面談に行くなら、家に近い弁護士や司法書士?選び方を間違えると失敗することも。

この記事では、債務整理で「弁護士や司法書士と面談したくない」という方のために、解説をお届けしていきます。

債務整理の面談に行ったら、怒られたり叱られたりしないか
「面談不要」「電話のみ」で債務整理ができる弁護士事務所・司法書士事務所はあるのか
「面談不要」「電話のみ」の弁護士や司法書士は、本当に信頼できるのか

…といった点を主に、解説をお届けしていきます。

★この記事は、こんな人におすすめです

債務整理をしたいが、面談があると知って、ためらっている方
任意整理や個人再生、自己破産など、債務整理を電話のみで行いたい方
面談しないで(電話やメールのやり取りだけで)債務整理の手続きができるか知りたい方
面談があるなら、家や職場から近い(通いやすい)弁護士・司法書士を選んだほうが良い?と疑問に思っている方

こうした方に、役立つ情報をまとめていきます。

債務整理は、弁護士・司法書士どちらも「直接面談義務」がある

結論から言ってしまえば、債務整理には、弁護士・司法書士どちらにも「直接面談義務」があります。つまり、弁護士・司法書士は、債務整理の依頼を受ける際、原則として直接面談を行う必要があるわけです。
これは、弁護士会や司法書士会の規約で決まっており、守らなければいけないルールとなっています。

例外として、特別な事情がある場合など、面談を省略できるケースもあります。ですが原則的には、「債務整理は、面談が必要」という事になっています。

債務整理の面談は怖くない?怒られる・叱られる心配はナシ

「面談」というと、良いイメージがあまり無い方も多いのではないでしょうか?

「学生時代の三者面談が苦手だった」
「就職活動の、つらい面接を思い出してしまう」

…など、ネガティブになってしまうのも頷けます。
ですが、債務整理の面談は、こうしたものとはまったく異なります。

弁護士や司法書士に怒られる心配は無い

債務整理の面談は、「お金が払えない」「借金が返せない」という悩みを相談するものです。
そのため、

「お金が返せないなんて、叱られるんじゃないか?」
「ダメな人間だと思われるのでは…?」

…と、不安ばかりが重なってしまいます。
ですが実際には、債務整理の相談や面談では、「怒られる」「叱られる」という事は、まずありません。

これは、
「債務(借金など)に悩んでいる人に、怒ったり叱ったりするのは逆効果」
「かえって解決を遠ざけてしまう」

…といった知見が確立しており、金融庁からも、「相談者に対して怒ったり叱ったりしてはいけない」と、相談対応マニュアル等[1]を通して示されているからです。

そのため、借金問題に詳しい弁護士・司法書士であれば、「債務整理の相談や面談に来た人を怒る・叱る」という事は、まずありえません。

ただし、債務整理や借金問題に理解の乏しい人の場合、怒ったり叱ったりと、不適切な対応をしてしまう恐れもあります。

そうした意味でも、「債務整理に強い弁護士・司法書士」を選ぶことが重要になります。

「電話のみ」「面談不要」で債務整理できる?

債務整理の面談は、どちらかといえば「カウンセリング」に近いイメージでしょう。怒られたり叱られたりすることはなく、あなたの悩みを親身に聞いてもらえ、解決方法を丁寧に教えてもらえます。

とはいえ、「それでも面談はしたくない」という方もいるかと思います。「面談不要で債務整理できる方法は無いの?」という疑問もありますね。

調べてみると、確かに「面談不要」「電話のみ」で債務整理を受けている弁護士・司法書士も、ゼロではないようです。
しかし、これには“まったく問題が無い”とは言い切れません。

電話のみ・面談不要の債務整理は、“規約違反”にあたる恐れあり

債務整理の「直接面談義務」は、弁護士・司法書士ともに規約で定められた義務です。
それにも関わらず、「面談不要」で債務整理を受任している場合、弁護士会や司法書士会の規約に抵触する恐れもあるでしょう。

確かに規約には例外も定められていますが、“例外である面談不要”を、あたかも例外ではないかのように表現する法律事務所・法務事務所は、決して良心的とは言えないでしょう。

人生を左右しかねない「債務整理」を、電話のみで頼むのは安心できない

債務整理は、人生を左右する大きな問題になるケースもあります。また、法律で定められた、厳格な法的手続きです。
こうした重要で厳格な手続きを、「電話のみ」で進めるのは、決して安心とは言えないでしょう。

たとえば、あなた自身は「何とかして、今の家を残したい」と希望したとします。ですが、電話のやり取りで、その気持ちがしっかり弁護士に伝わらなかったとしましょう。

その結果、「家を残せる債務整理方法」があるにも関わらず、家を残せない「自己破産の管財事件」が選択されてしまう…といった事も起こりかねません。

弁護士・司法書士の実力は、面談しなければ判断しきれない

もう一点、弁護士や司法書士の“実力”を判断する上でも、面談は非常に重要です。

電話口では頼もしそうに思えても、いざ面談してみると「頼りない…」。そんなことも実際にあるからです。

筆者の司法書士選びの失敗談

この記事の筆者も、実は司法書士選びで失敗しそうになったことがあります。

ある行政手続きで、司法書士の支援が必要となり、ネットで探した近所の司法書士に電話をしたことがあります。電話口では非常に頼もしそうだったので、すぐに面談を予約しました。

ところが後日、面談してみると、非常に頼りない印象。
よくよく話を聞いてみれば、

「まだこの分野は取り扱いが少なくて…」
「なんとか頑張ってみますので」

…と、経験不足が明らかになりました。
結局、その司法書士には依頼せず、別の司法書士に改めて依頼をしました。
改めて依頼した先生は、家からかなり離れていましたが、出張面談で対応してもらえたので助かりました。

「電話の印象だけで決めてはいけない」
「家の近所だからと言って決めてはいけない」

という事を、痛感した出来事です。

債務整理の面談に行くのは大変?近所の弁護士・司法書士を選ぶほうがいい?

こうしてみると、「電話のみ」「面談不要」の債務整理は、決して良いものとは言い切れません。
むしろ、きちんと面談を行う弁護士・司法書士を選ぶほうが良いでしょう。

債務整理の面談にあたっては、「怒られる」「叱られる」といった心配はありません。
ですがそれ以外にも、「面談に行くのが大変では?」という心配もあります。

そこで今度は、「面談に行くのは大変ではないか」という点を考えてみましょう。

面談に行くのが楽だから…近所の弁護士・司法書士を選ぶと失敗も

「面談不要が難しいなら、せめて面談に行きやすい近所の弁護士・司法書士を選ぼう」

…このように考える方も多いかと思います。
ですが、弁護士や司法書士は、「近所だから」で選ぶと、思わぬ失敗になりかねません。

先ほどの筆者の体験談でも触れましたが、筆者自身、「家が近いから」と司法書士を選んで、失敗したことのある身です。

弁護士・司法書士の資格があるからといっても、債務整理が得意とは限らない
家の近くにいる弁護士や司法書士が、たまたま債務整理のベテランだとは限らない(むしろ、その可能性は低い)

こうした理由があります。

債務整理は、相手が“全国大手”の企業になりやすい

債務整理の相手方となる債権者は、全国大手の企業となるケースが多いです。

  • プロミス、アイフル、レイク、モビット、アコムなどの消費者金融
  • 三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行などのメガバンク
  • セゾンカード、イオンカード、楽天カード、JCBなどの全国~世界規模のカード会社

…こうした全国クラスの大手企業や、その法務部・顧問弁護士団などに対して、対等~それ以上の立ち回りでもって、交渉しなければいけません。
また企業ごとに特徴が異なるため、「任意整理」など交渉力が重要になる債務整理では、適切に対応しないとよい結果を導き出せません。

そのためには、こちらも「全国クラス」「実績が豊富」な弁護士・司法書士を味方につけたほうが安心です。

債務整理のベテランは、「全国対応」が多い

実際に、債務整理のベテランと言われる弁護士事務所・司法書士事務所は、

全国対応で業務を取り扱っている
日本全国各地に支店がある
全国から相談や依頼を受けている
出張面談なども行っている

…と、全国対応での活動を行っています。

地域に密着し、街の人々に頼られる弁護士・司法書士もたいへん素晴らしいのですが、「債務整理」の分野では、全国対応の弁護士・司法書士のほうが、経験も実績も豊富だと考えて良いでしょう。

出張面談・全国に支店ありの弁護士・司法書士も

債務整理を全国対応で手掛けている弁護士・司法書士には、

出張面談可能
オンライン面談も可能(SKYPEビデオ通話など)
全国各地に支店がある
各地で定期的に相談会・面談会を開催している

…など、全国どこに暮らしていても、面談しやすい環境になっている所もあります。
このため、「面談に行く」という手間を考えずに、債務整理を適切に行える法律事務所や法務事務所もあります。

★まずは無料相談(電話・メール)で、自分に合った弁護士・司法書士を探しましょう

これまで債務整理の面談の話をしてきましたが、実際には、「最初からいきなり面談」ではありません。
面談の前に、電話やメールで「無料相談」を行える法律事務所・法務事務所もあります。

そのため、まずは気軽に利用できる無料相談を活用し、自分に合った弁護士・司法書士を探すと良いでしょう。

無料相談をしてみて、「ここなら良さそうだ」と思える弁護士・司法書士が見つかれば、次に面談のスケジュール調整などを進めていく事になります。

また、「面談にいくのが不安」といった心配や、「出張面談を頼めるか」などの確認も、電話・メールの無料相談を使って聞いておくと良いでしょう。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

なぜ面談が必要なの?悪徳弁護士・司法書士を避けるために

弁護士・司法書士の債務整理の直接面談義務は、「私たち依頼者・相談者を、悪徳な弁護士・司法書士から守るため」の仕組みだと言っても良いでしょう。

そもそも、債務整理案件の直接面談義務が定められた経緯には、一部の不適切な弁護士や司法書士による振る舞いがあります。
そのことは、日本弁護士会・日本司法書士会ともに、規約や会長声明ではっきりと明言しています。

まずは日弁連ですが、これは「債務整理事件処理の規律を定める規程」の第一条に書き込まれています。

第一条
この規程は、過払金返還請求事件を含む債務整理事件が多量に生じている状況において、債務整理事件について一部の弁護士(弁護士法人を含む。第七条を除き、以下同じ。)によって不適切な勧誘、受任及び法律事務処理並びに不適正かつ不当な額の弁護士報酬の請求又は受領がなされているとの批判があることに鑑み、臨時の措置として、債務整理事件の勧誘、受任及び法律事務処理に関して弁護士が遵守すべき事項を定めるとともに、主として過払金返還請求事件における弁護士報酬の額を適正化し、もって弁護士に対する国民の信頼の確保及び依頼者の利益の擁護を図ることを目的とする。

出典:債務整理事件処理の規律を定める規程(日本弁護士会連合会) link archive

かなり詳細に書かれていますが、債務整理において、一部の弁護士や弁護士法人によって、次のような問題が引き起こされていたことがわかります。

不適切な勧誘
不適切な受任、および法律事務処理
不適正かつ不当な額の、弁護士報酬の請求又は受領

つまり、勧誘や解決の仕方、報酬の金額などで不正を行う、「悪徳弁護士」がいるという事です。

一方、司法書士会も同じような問題に直面しています。
「債務整理事件の処理に関する指針」策定についての会長声明”を見てみましょう。

日本司法書士会連合会では、多重債務問題が深刻な社会問題であり、その解決が健全な社会の形成に極めて重要であること、また、債務整理事件の処理は生活再建のための手段であり、依頼者が望んでいるのは債務整理事件の処理を通じて生活を再建することであるということを再度確認し、多重債務状態に陥っている依頼者の債務整理や生活再建のために、法律専門家として司法書士のとるべき執務姿勢を示すために、「債務整理事件の処理に関する指針」を策定しました。

出典:日本司法書士会連合会 | 「債務整理事件の処理に関する指針」策定についての会長声明 link archive

ここでは、詳細な悪徳事例こそ直接挙げてはいないものの、

債務整理は、生活再建のための手段
依頼者が望んでいるのは、債務整理を通して、生活を再建すること

…と、はっきり指摘しています。
逆に言えば、「利益目的の過払い金返還請求ビジネス」など、依頼者の生活再建のため“ではない”目的で、債務整理を手掛ける司法書士がいる…と理解できます。

このような「過払い金ビジネス」や悪徳弁護士・司法書士については、次の記事で詳しく解説しています。

悪徳弁護士・悪徳司法書士や、過払い金ビジネスへの対策として、「直接面談義務」が作られた

このように、弁護士会や司法書士会の資料を見てみると、債務整理の直接面談義務が、

悪徳弁護士や悪徳司法書士への対策
過払い金ビジネスへの対策

…といった背景のもとに策定されたと伺えます。

つまり、『債務整理の面談』は、私たちを、悪徳弁護士・悪徳司法書士や過払い金ビジネスから守るために、必要なことだと言えます。

債務整理で「面談不要・電話のみ」の弁護士・司法書士は悪徳?

それでは逆に、債務整理で「面談不要」「電話のみ」という弁護士や司法書士は、悪徳なのでしょうか?

ここまで確認した通り、弁護士・司法書士ともに規約違反にあたる可能性はあるでしょう。
確かに、直接面談義務は「原則」であり、例外も認められています。ですが、例外である“面談不要”を、ことさらに強調するのは、まさに「不適切な勧誘」ではないでしょうか。

また実際の弁護士からも、「面談不要」「電話のみ」で債務整理を受ける所は、“問題がある可能性が高い”といった指摘がされています。

直接面談義務を果たさない弁護士は,事案処理が不適切であるなどの問題がある可能性が高いため,自己破産,個人再生,任意整理,残債務がある場合の過払い金返還請求などを,弁護士と直接面談せずに電話等のみで依頼してしまった方は,速やかに他の弁護士に相談するべきでしょう。

出典:債務整理における直接面談義務 - 弁護士 松山悠 link archive

こうした指摘を見ても、やはり債務整理は、「面談不要」「電話のみ」といった所は、避けたほうが良さそうです。

弁護士・司法書士の、債務整理における直接面談義務のエビデンス(根拠)

最後に、弁護士・司法書士の、債務整理における直接面談義務のエビデンス(根拠)をお示しします。

【弁護士の債務整理の直接面談義務】

(聴取すべき事項等)
第三条
弁護士は、債務整理事件を受任するに当たっては、あらかじめ、当該事件を受任する予定の弁護士(複数の事情があるときは、当該事情がやんだ後速やかに、自ら面当該債務者と自ら面談をして、次に掲げる事項を聴取しなければならない。ただし、面談することに困難な特段のある場合にあっては当該弁護士法人の社員又は使用人である弁護士のうち少なくともいずれか一人をいう。)が、弁護士が受任する予定である場合にあっては少なくともそのうちのいずれか一人を、弁護士法人が受任する予定で談をして、次に掲げる事項を聴取することで足りる。
一 債務の内容
二 当該債務者(当該債務者と生計を同じくする家族があるときは、当該家族を含む。)の資産、収入、生活費その他の生活状況
三 当該債務者が不動産を所有している場合にあっては、その処理に関する希望
四 前号に掲げるもののほか、当該債務整理事件の処理に関する意向

2 弁護士は、前項ただし書に規定する特段の事情がある場合であっても、電話、書面、ファクシミリ、電子メールに把握することができるように努める。
この場合においては、当該弁護士が面談して聴取を行う場合と変わらない程度に、当該事項を的確その他の適当な通信手段により、又は同居の親族を介するなどして、前項に掲げる事項を把握した上で受任しなければならない。

3 第一項の面談は、債務者ごとに行わなければならない。ただし、当該債務整理事件の債務者及び当該債務整理事があるときは、この限りでない。

出典:債務整理事件処理の規律を定める規程(日本弁護士会連合会) link archive

【司法書士の債務整理の直接面談義務】

債務整理事件の処理に関する指針
(面談)
第5条
債務整理事件の依頼を受けるにあたっては、依頼者又はその法定代理人と直接面談して行うものとする。ただし、次に掲げる場合等合理的理由の存する場合で面談以外の方法によって依頼者本人であることの確認及びその意向が確認できるときは、この限りでない。
(1)従前から面識がある場合
(2)依頼者が現に依頼を受け又は受けようとしている者の保証人(連帯保証人を含む。)である場合で、債権者の厳しい取り立てを速やかに中止させる必要があるとき
(3)依頼者が離島などの司法過疎地に居住する場合で、債権者の厳しい取り立てを速やかに中止させる必要があるとき
2 面談においては、負債の状況、資産及び収入の状況並びに生活の状況等の現状を具体的に聴き取り、依頼者の置かれた状況を十分に把握したうえで、債務整理事件処理及び生活再建の見通しを説明するものとする。

出典:債務整理事件の処理に関する指針(平成22年5月27日改正) link archive

このように、弁護士・司法書士ともに、債務整理事件を受任する際は、「直接面談」を行うことが、原則として義務付けられています。

債務整理で、「面談不要」「電話のみ」といった弁護士や司法書士は、この規約に抵触している疑いもあります。

面談は、私たち依頼者・相談者にとっても、債務整理を希望どおりに行うために重要な手順の一つです。
「面談不要」「電話のみ」といった弁護士・司法書士は避け、きちんと面談を行う所を選んだほうが良いでしょう。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

 


--脚注、参考資料--
[1]多重債務者相談の手引き-金融庁 link archive

-弁護士・司法書士

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