債務整理の弁護士と違う「整理屋」とは?手口や利用で逮捕されるか徹底解説

投稿日:2018年11月25日 更新日:

★この記事を読んでわかること
  • 「借金を解決します」と宣伝する悪徳業者=「整理屋」の手口とは?
  • 整理屋の被害に遭うとどうなる?その危険性とは
  • 整理屋に騙されず、安全で合法的に借金を解決する方法とは?

借金やローンなどの返済を解決できる「債務整理」。
債務整理は、国の認めた、合法的な手続きで、返済を減額・免除するものです。
しかし一方、世の中には、「借金を整理します」と宣伝する“悪徳業者”もいます。

こうした悪徳業者は、「整理屋」と呼ばれます。
整理屋が用いるのは、もちろん、合法的な債務整理ではありません。

今回は、こうした「整理屋」の手口や危険性、回避する方法などを解説していきます。

人の弱みに付け込む「整理屋」…債務整理とどう違う?

まずは、「合法的な債務整理」と「悪質な整理屋」の違いを比較してみましょう。

  債務整理 整理屋
合法か違法か 合法 違法
解決方法 ・返済の減額や分割、免除
・生活の立て直し
など
解決できない
・多額の負債を背負わされる
・お金をだまし取られる
など
依頼先 弁護士・司法書士 そもそも違法業者が運営している
ヤミ金・ソフトヤミ金、暴力団(やくざ)

いかがでしょうか?
「債務整理」と「整理屋」は、まったく真逆の存在だと言っても良いでしょう。

このように、返済や支払いで悩んでいたり、「取り立てを止めて欲しい」という場合、悪質な整理屋に騙されることは、絶対に避けなければいけません。

こんなに危険!「整理屋」の手口とは?

それでは、「整理屋」の悪質な手口を、具体的に見ていきましょう。

「どんな手口で勧誘するのか」
「どんな被害に遭ってしまうのか」

この2点をチェックしていきます。

悪質な「整理屋」の勧誘の手口

まずは、整理屋の勧誘の手口を見てみましょう。
整理屋は、次のように「借金解決」をうたって、返済や支払いに困っている人を勧誘します。

あなたの借金を一本化(おまとめ)し返済しやすくします
返済しきれない借金を救済します
提携弁護士が借金返済を解決します
ブラックリストの方歓迎!

「提携弁護士が解決」などとうたい、実際には悪徳弁護士と手を組んでいたり、弁護士が実在しなかったりする「非弁行為」など、注意が必要な手口もあります。
「弁護士がいるから安心」とは限らず、本当に信頼できるか、悪徳弁護士でないか、確認することも大切です。

また、「借金救済センター」「借金相談国民センター」など、あたかも信頼できる公的機関かのように装って、お金に困った人を集める手口もあります。

公的機関を装う悪質業者の手口については、次の記事で詳しい注意喚起を行っています。

整理屋の被害例と危険性

次に、整理屋に騙されると、どんな被害に遭うのか見てみましょう。

《事例1:返済金を騙し取られた》

多重債務で困っていたところ、整理屋に「返済を一本化できる」と、“おまとめ”を勧められて利用した。
返済のためのお金(返済金)を、紹介されたヤミ金から借りて整理屋に渡したが、そのまま騙し取られてしまった。
当然、闇金への暴利な返済が始まることになった。

《事例2:高額な手数料を請求された》

「借金を解決できる」と整理屋に持ち掛けられ、申し込んだら、高額な手数料を請求された。
キャンセルすると伝えたら、
「キャンセルはできない」
「キャンセル料を払え」
「損害賠償を請求する」

と、さらに請求され、暴力的な取り立てを受けるようになってしまった。

《事例3:悪徳な弁護士を紹介され、さらに仲介料も請求されてしまった(非弁提携)》

「提携弁護士が借金を解決する」と言われて、整理屋に申し込んだ。弁護士を紹介してもらったが、着手金を払った後、一向に連絡がつかない。さらに整理屋からも、高額な紹介料(仲介手数料)を請求されてしまった。

このような被害が、「整理屋」の手口として確認されています。悪徳弁護士、ニセモノの弁護士や、ヤミ金など、他の違法業者と手を組んで、悪徳行為や犯罪が行われることも多いようです。

借金の「整理屋」に騙されないための対策方法

整理屋に騙されないためには、次の2点が重要になります。

信頼できる弁護士・司法書士を選ぶ
「おまとめ」「借り換え」ではなく、「債務整理」を行う
「仲介料」「紹介料」「手数料」を避ける

もう少し詳しく、解説していきます。

信頼できる弁護士・司法書士を選ぶ

もっとも重要なのは、「債務整理」にしっかりと取り組んでいる、信頼と実績のある弁護士・司法書士を選ぶことです。

債務整理とは、国によって認められ、法律に定められた、返済減額・免除の手続きです。「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」という種類があります。こうした国の仕組み(手続き)をしっかりと使って、返済を減額・免除することができます。

この「債務整理」にきちんと取り組んでおり、評判も実績も良い弁護士や司法書士を選んでいきましょう。

「おまとめ」「借り換え」ではなく債務整理を選ぶ

返済を楽にする方法としては、「おまとめローン」「借り換えローン」なども有名かと思います。

もちろん、こうしたサービスは、正規の金融業者などが合法的に提供しているものもあり、決して悪質なものばかりではありません。

ですが一方で、「おまとめ」「借り換え」は、整理屋・ヤミ金・詐欺師なども勧誘に用いることが多いため、注意が必要です。

「おまとめ」「借り換え」は借金の元金が減るものではありません。このように、返済の減額も免除もできない事を考えると、本当に返済に困っている場合、合法的に返済を減額・免除できる「債務整理」のほうが良いでしょう。

弁護士・司法書士を探す場合、「仲介料」「紹介料」「手数料」が掛からないサービスを利用する

弁護士や司法書士は、全国に大勢います。
人によって得意分野が違うほか、一部には悪徳弁護士・悪徳司法書士もいるため、自分で選ぶのはとても大変です。

そのため、「弁護士や司法書士の紹介サービス」や、「債務整理が得意な弁護士・司法書士のまとめサイト」等を利用したい場合も出てくると思います。

こうした際に、「仲介料」「紹介料」「手数料」など、何か費用が発生する場合は、そのサービスやサイトを利用しないほうが賢明です。

当サイトでも、債務整理に評判の良い弁護士・司法書士の無料相談窓口をまとめていますが、もちろん当サイトの利用に費用は一切掛かりません。
当サイトを通して、弁護士や司法書士に相談を行っても、一円の請求もありませんので、ご安心ください。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

「整理屋」は違法?利用した人も逮捕される?

「整理屋って、本当に違法なの?」
「利用した人も逮捕されたり、罪に問われる?」

こんな疑問もあるかと思います。
まず、「整理屋は違法なのか」という点ですが、これは明確に違法と言えるでしょう。

非弁行為(弁護士法第74条)[1]
詐欺罪(刑法第246条)[2]

…などが挙げられるほか、事例によっては、貸金業法違反や、脅迫罪・暴行罪・強要罪なども考えられます。

それでは、「整理屋を利用した人、利用してしまった人」はどうなるのでしょうか?

通常では、整理屋を利用した人は「被害者」ですから、特別な事がなければ、警察に捕まったり、逮捕される心配は無いでしょう。

一方で、整理屋とのかかわりの中で、「口座売買」や「携帯電話買取」などに加担してしまうケースも考えられます。
こうした場合、

犯罪収益移転防止法違反[3]
携帯電話不正利用防止法違反[4]

…など、罪に問われてしまう恐れもあります。

まったく安心とは言い切れない…個別の事情によって異なります

ひとくちに「整理屋」といっても、その手口や被害実態は、事例によって様々です。

「どんな被害に遭ったか」
「何をしてしまった、させられてしまったか」

…など、ひとりひとり異なる被害実態によって、利用者が罪に問われるかどうかも、変わってくるでしょう。

利用者が罪に問われるケースも、まったくゼロだとは言い切れません。そうしたリスクを考えても、やはり「整理屋」などの悪質業者には、近づかないほうが良いでしょう。

「整理屋」と「債権回収会社」の違いとは?

ここからは、もう少し補足的な内容となります。

一つご説明しておきたのが、「整理屋」と「債権回収会社」との違いです。混同されがちですが、債権回収会社は、整理屋と違って「合法」の企業となります。

  債権回収会社 整理屋
合法か違法か 合法
(サービサー特措法に基づく)
違法
許認可 法務大臣による許可 無許可営業
何を行うか サービサー特措法により認められた業務
・特定金銭債権の譲渡譲受
・債権管理回収業務の代行
…など
・詐欺
・脅迫
・恐喝
・その他の犯罪行為

債権回収会社は、「サービサー特措法(債権管理回収業に関する特別措置法)」[5]に基づき、法務大臣の許可を得て営業している企業です。

法務省による監督を受けているほか、サービサー特措法による厳しい規制によって、健全性が担保されています。

“滞納借金などの取り立てのプロ”ですから、返済や支払いに困っている場合、厳しい相手にはなるでしょう。しかし、違法行為や犯罪は行いません。
こちらも弁護士や司法書士を立てて、きちんと話し合いや債務整理を行えば、合法的に返済を解決できる相手です。

債権回収会社の詳しい仕組みや、取り立てを受けている場合の解決方法について、次の記事で扱っていきます。

債権回収会社は、「整理屋」対策として作られた制度

債権回収会社という仕組みの成り立ちを見ると、ある意味では、「整理屋対策として作られた制度」だと言うこともできるでしょう。

本来、債権管理回収や不良債権処理は、弁護士の独占業務(弁護士しかできない仕事)とされています。
しかし、平成初期において、バブル崩壊によって日本中に不良債権が溢れてしまい、弁護士だけでは処理しきれない事態が発生しました。

この時、弁護士の手がまわらない隙間をついて、世の中にはびこったのが、違法業者や暴力団(やくざ)等による「整理屋」などです。

これが社会問題となり、国としても対策を迫られました。
そこで、「不良債権処理などの分野で、暴力団など反社会的勢力の参入を排除する」ことを目的に作られたのが、「サービサー特措法」と、それに基づく「債権回収会社」です。

こうした経緯で、サービサー特措法(債権管理回収業に関する特別措置法)は、第143回国会において、議員立法により可決されました。

立法趣旨
この法律は,不良債権の処理等を促進するため,弁護士法の特例として,債権管理回収業を法務大臣による許可制をとることによって民間業者に解禁する一方,許可に当たり,暴力団等反社会的勢力の参入を排除するための仕組みを講じるとともに,許可業者に対して必要な規制・監督を加え,債権回収過程の適正を確保しようとするものです。

出典:債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法- 法務省[5]

こうした時代の流れを見ても、いかに「整理屋」などが大きな問題になっていたのか、伺い知ることができます。

現在は減っている?それでも油断はできない「整理屋」の今

かつて大きな問題になった借金の「整理屋」ですが、現在はかなりの減少傾向にあるようです。

「整理屋が減っている」というより、暴力団などの反社会的勢力が、債権回収に介入すること自体が激減していると言って良いでしょう。

警視庁組織犯罪対策部の資料を見ても、暴力団等による債権回収介入事犯の検挙事件数は、大幅に減少しています。平成26年、平成27年はついにゼロとなりましたが、平成28年以降また少し発生している様子です。

出典:平成29年における組織犯罪の情勢【確定値版】-警察庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策企画課 P29 図表2-24 暴力団等に係る金融・不良債権関連事犯の検挙事件数の推移 link archive
※グラフは資料を基に、「不良債権過程」の項目を抽出し、当サイトにて作成

暴力団によるものは減っていますが、一方で、従来の犯罪組織によらない、新しい形での事犯も登場しつつあるようです。

当サイトの調査でも、「多重債務者救済システム」など、従来の整理屋とは違った、ヤミ金のような悪質業者の存在が確認されています。

「整理屋にさえ気を付ければ」は逆に危険!

違法な金融業者や、悪質業者の手口は、年々巧妙になりつつあります。整理屋や斡旋屋、ヤミ金といった“昔ながらの手口”は減少しつつありますが、一方で次のような、新しい手口による被害も拡大しています。

従来と違うイメージで宣伝する「ソフト闇金」
LINEやTwitterなどSNSで集客する「LINE闇金」「Twitter闇金」
個人を装って集客する「個人間融資」
返済のカタに性的関係を強要する「ひととき融資」
クレジットカードのショッピング枠を買い取る…等と宣伝する「クレジットカード現金化」
融資などの保証人を代行すると謳い、債務を背負わせる等の被害をもたらす「保証人代行」「保証人仲介」

ほかにも多種多様な手口があり、返済や借金に困る人を、悪質業者が付け狙っています。昔ながらの手口である「整理屋」だけに気を付けていても、自分や家族の身を守ることはできません。

借金を解決できるのは、弁護士・司法書士だけ

多様化・巧妙化の一途をたどる、悪質業者や犯罪者の手口。
どうすれば私たちは身を守り、安全で合法的な借金解決ができるのでしょうか?

悪質業者を避けるために、もっとも知っておくべきポイントは次の2点です。

:合法的に、安全に借金を解決できる方法は、「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」といった債務整理が基本。
この他、「時効援用」「任意売却」といった手続きもありますが、こうした手続きによらない借金解決はありません。

:借金解決などの手続きができるのは、基本的に弁護士・認定司法書士のみ。
債務整理の手続きができるのは、本人を除けば、弁護士または認定司法書士(簡裁訴訟代理認定)のみです。これは、次の法律で定めらています。

  • 弁護士法第74条
  • 司法書士法第3条第1項第六号および第2項、および裁判所法第33条第1項第一号

また、書類作成の支援・代行など、一部は行政書士でも可能な業務があります。他、「任意売却」など、不動産取引関係の資格で可能なものもあります。


したがって、「借金を解決」「借金整理」といったサービスや宣伝を見つけた時に、

「債務整理」(任意整理、個人再生、自己破産、特定調停)での解決なのか?
弁護士・司法書士など法律の専門家によるものか?

といった点を、まずは確認しましょう。
これに当てはまっていれば、リスクは大幅に軽減されるでしょう。

弁護士や司法書士にも「悪徳」はいる…避けるためにどうすればいい?

「弁護士や認定司法書士による債務整理」であれば、ひとまず安心して借金問題の相談ができるでしょう。
ですが、弁護士や司法書士の中にも、「悪徳」がいるのも事実。ですから、「弁護士だから、司法書士だから」といって、無条件に安心できるものでもありません。

また、仮に悪徳でなくても、「債務整理や借金問題には、あまり詳しくない」という先生もいます。
そのため、

本当に信頼できること
悪徳ではないこと
債務整理や借金問題解決の実績が豊富なこと

…といった条件を満たす、弁護士や司法書士を見つける必要があります。

★債務整理に詳しい、信頼できる弁護士・司法書士をまとめました

信頼できる弁護士を見分ける方法としては、弁護士会や司法書士会の登録情報、懲戒処分の記録、過去の取り扱い事件など、様々な方法があります。
ですが、こうした情報をチェックして、信頼できる弁護士や司法書士を探すのは、そう簡単ではありません。

そこで参考のため、「債務整理で信頼のおける弁護士・司法書士」を、次のページにまとめています。当サイトによる調査と評価の結果、安心して相談できる弁護士・司法書士を取りまとめました。
無料相談窓口もあるので、こちらも是非、参考にご覧ください。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

 


--脚注、参考資料--
[1]非弁行為(弁護士法第74条)
非弁行為 - 東京弁護士会 link archive
[2]詐欺罪(刑法第246条) link
[3]犯罪収益移転防止法違反
犯罪収益移転防止法の概要|JAFIC 警察庁 link archive
[4]携帯電話不正利用防止法-総務省 link archive
[5]サービサー特措法(債権管理回収業に関する特別措置法)
債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法- 法務省 link

-弁護士・司法書士

Copyright© 【債務整理ジャーナル】借金が返せないときに役立つ債務整理情報サイト , 2019 All Rights Reserved.