闇金の借りパクは可能?払わず踏み倒して逃げ切れる?

投稿日:2018年3月7日 更新日:

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★この記事を読んでわかること
  • 闇金借りパクの方法とは?現実的には成功は期待できず、試すのも非常に危険
  • “闇金を騙して借りパク”が成功したり、“借りパク師”が活躍するのは、マンガなどフィクションの世界だけ
  • すでに闇金の取立て被害に遭っている場合は、危険な“借りパク”を試さなくても、堂々と縁を切れる方法がある

この記事では、「闇金借りパク」の話をお届けしていきます。

「闇金借りパク」とは、一口にまとめれば、“ヤミ金からお金を借りて、そのまま返さない”ということのようです。
どちらかといえば、「最初から踏み倒すつもりで、闇金から借りる」「闇金をだまして、お金を手に入れる」といった雰囲気でしょう。

確かに、闇金(ヤミ金融、ヤミ金業者)から借りたお金には、法律上、返済義務がありません。ですが現実には、“闇金借りパク”を試みることは、大変危険です。

★すでに闇金の被害に遭っている場合、正当で安全な解決方法もあります

この記事をご覧の方は、「借りパク目的で闇金から借りたい」と考えている方が多いでしょうか。闇金借りパクの実践方法なども考察していきますが、現実に成功することは、まずありません。それどころか、凶悪犯罪の被害に遭うなど、生命に危険が及ぶ恐れもあります。

ですので、「借りパク目的で闇金から借りる」といったことは、絶対に試みないでください。

一方、「闇金と知らずに借りてしまった。借りパクする方法があるなら実践して、闇金と縁を切りたい」といった人もいるかと思います。

ヤミ金の取立てや嫌がらせといった被害は、“借りパク”の危険な手口を試さなくても、法律の専門家の力を借りて、堂々と解決できます。
そうした“正当で安全な解決方法”についても、あわせて解説していきます。

なお、闇金の取立てストップや被害解決をお急ぎの方は、次の記事のほうがお勧めとなります。

「ヤミ金借りパク」「闇金の借りパク」とは?

それでは本題に入っていきましょう。
まず最初に、“闇金借りパク”について、もう少し詳しく解説していきます。

『借りパク』とは借りたものを返さないこと

「借りパク」という言葉に馴染みのない方もいるかと思うので、少し言葉を説明しておきましょう。

「借りパク」というのは、「借りたものを」「パクる(自分のものにしてしまう)」行為のことです。

もともとは、小中学生の間で使われていた言葉のようです。友達から借りたゲームソフトや漫画本、文房具など、いつまでも返さない子に対して、「借りパクするなよ」とか、「あの子に借りパクされた」…といった風に使われています。

ヤミ金借りパクとは?闇金に対する踏み倒し

簡単に言えば、「闇金」から「借り」たお金を「パクる=返さない」、ということです。どちらかと言えば、“最初からパクる(返さない・踏み倒す)つもりで、ヤミ金から借りる”“闇金をだまして、借りたお金を持ち逃げする”というニュアンスが強いでしょう。

「闇金借りパク」にあたる行為は、『闇金ウシジマくん』『クロサギ』といった漫画やドラマなど、フィクションの中で描かれることも多いようです。(闇金借りパク・闇金狩り・借りパク師)

一方で、
「闇金だと知らずに借りてしまった」
「返すつもりだったが、法外な金利で、とても返済しきれない」
といった場合に、法律の専門家を通して解決をはかること等は、“ヤミ金借りパク”と言われないのが通常です。

闇金の借りパクは犯罪ではない?返済義務がないのは本当?

「闇金の借金には返済義務がない」
「法律で返さなくて良いことになっている」
「だから闇金借りパクはやってもいい」

といった話もあるようです。
ですが、この考え方は、決して正しいとは言い切れません。

闇金の借金には返済義務がない

確かに、闇金から借りた借金には“返済義務がない”とされています。
ですが、法律ではっきりと決まっているとは言い難い事情もあります。

正確に言えば、「違法な金利で借りたお金は、民法708条“不法原因給付”により、返済しなくて良い」といった司法判断が、最高裁判所平成20年6月10日判決によって下された…となるでしょう。

ここで出てきた法律は民法708条ですが、これは「闇金借りパクをしてもよい」とか、「闇金には返済しなくてよい」と書いてある法律ではありません。不法原因給付という考え方が定められており、それに基づいて“最高裁の判例”が出た、というわけです。

さらには、「クリーンハンズの原則」など、様々な近代法の原理が関係してくるのですが、そうした学問的な解説は、また別の機会にさせて頂ければと思います。

闇金借りパクは犯罪ではない?

それでは、闇金借りパクは犯罪ではないのでしょうか?
それとも、犯罪になるのでしょうか?

はっきりした事は言えませんが、少なくとも、「最初から返さないつもりで、相手を騙してお金を借りる」行為は、『信義則(信義誠実の原則)に反する行為』と言えるでしょう。“詐欺”とも言えそうです。

ただ、相手も闇金で、貸金業法や利息制限法、出資法、会社法などに違反している疑いがあるのも確かです。

つまり「闇金の借りパク」とは、違法なヤミ金業者に対して、“こちらも違法行為を働く”事になります。

闇金 借りパクの実践方法は?逃げ切れる方法はある?

いくら相手が違法なヤミ金業者でも、「借りパク」という違法行為を、こちらも行って良い理由にはなりません。

さらに、良し悪し以前の問題として、「借りパクを実践するのは実質不可能」であり、とても成功するとは考えられず、さらに「危険を伴う」ことが挙げられます。

そのことを確認するために、闇金借りパクの実践方法を、いくつか検証してみましょう。

免許証、パスポートなど、身分証を偽造して闇金を騙す

闇金借りパクの実践方法として、“偽造した身分証を使って、闇金からお金を借りる”ことが考えられます。

闇金に自分の個人情報が知られなければ、相手は取立てを行えません。だから、偽造免許証などで“うその名前、うその住所”を信じさせれば、闇金からお金を騙し取れるのでは…という考えです。

ですが、身分証はそもそも、“かんたんに偽造できない”ように作られています。安易に偽造しても、すぐに見抜かれてしまうでしょう。
闇金も“闇金狩り”に警戒しているので、偽物の身分証を使えば、すぐにバレるでしょう。

なお、免許証、パスポートなどを偽造することは、公文書偽造罪(刑法155条1項)、偽造公文書行使罪(刑法158条1項)といった犯罪行為にもあたります。

連絡先に、プリペイドケータイを使う

闇金に教える電話番号を使い捨てのプリペイドケータイにしておき、お金を借りた後にすぐ捨ててしまえば、取立てから逃げられる気がしそうですね。

ですが現実には、この程度では闇金からは逃げられないと考えられます。

闇金業者は、“違法な取立て・嫌がらせのプロ”です。本物の組織的犯罪者です。
電話のつながらない相手を探し出して、“追い込みをかける”ことぐらいは、当然やってのけるでしょう。

プリペイドケータイの番号から契約キャリアを割り出し、付近のケータイショップに聞き込みを掛けたり…と、一つ一つの小さな情報を集めて、パズルのピースのように組み合わせ、追い込んでいきます。

遠くの街に夜逃げする

「闇金からお金を借りた後、遠くの街に夜逃げすれば良い」
「遠くに逃げてしまえば、相手も追跡費用で赤字になるから、諦めるはず」

こうした考え方もあるようですが、これも現実的ではなく、また効果も期待できないでしょう。

まず、遠くの街に逃げるといっても、それだけで高額な引っ越し費用が掛かります。夜逃げ先での生活も考えると、お金はいくらあっても足りないでしょう。

また、仮に夜逃げしたとしても、闇金がそれで取立てを諦めるとは限りません。
闇金業者のような犯罪者たちの間には、「甘く見られたらおしまい」「メンツを潰されたらおしまい」という価値観があると言われています。
なので、たとえ回収費用で赤字になったとしても、“メンツ”のために、どこまでも追跡する可能性があります。

闇金借りパクのデメリットや危険性…逃げ切れなければ“ただでは済まない”

闇金の借りパクは、実践しようと思っても、現実的にさまざまな難しさがあります。
ですがそれ以上に、“闇金にバレた時のリスク”も考える必要があるでしょう。

たとえば、偽造した身分証とプリペイドケータイで、闇金に申し込みをしたとします。ヤミ金業者が“闇金狩り、借りパク”に警戒していて、すぐにバレたとしましょう。

その場でどんな目に遭わされるか、わかったものではありません。

もちろん、後になって発覚した場合も危険性は同様です。
逆上したヤミ金業者が、あなたや家族、友人、職場に対して、どんな行為を働くか…と想像すると、ぞっとするものがあります。

“相手は本物の犯罪者”

ということを考えると、闇金借りパクは、あまりにもリスクやデメリットが大きすぎると言えるでしょう。

“借りパク”を試みるより、闇金解決に強い弁護士・司法書士の力を借りたほうが良い

もしもあなたが、「借りパク目的で闇金から借りたい」「ヤミ金からお金を騙し取りたい」と考えているなら、決して実行に移さないでください。“借りパク師”や“闇金狩り”が成功し、活躍できるのは、漫画やドラマなどフィクションの中だけです。

一方、あなたが「闇金から借りてしまったが、ひどい取立てに遭っている」「返済せずに解決したい」と考えているなら、“借りパク”よりも、もっと安全に解決をはかる方法があります。

それは、闇金に強い弁護士・司法書士への解決依頼です。

闇金の犯罪の法的証拠を集めて、警察当局と連携して解決
闇金の利用している口座や電話番号を凍結

など、さまざまな方法で、ヤミ金融業者の取立てや嫌がらせをストップできるでしょう。「元金&利息返済なしでの解決」「最短即日での取立て・嫌がらせストップ」なども可能な弁護士・司法書士もいます。

ただし、「闇金から借りパクすることが目的」であれば、弁護士や司法書士は“依頼を断る”でしょう。

「闇金の取り立てから逃れたい」
「闇金と縁を切りたい」
と、心の底から願う方は、是非その想いを伝えましょう。快く相談に乗ってくれるはずですよ。


最後に、ヤミ金の取立て・嫌がらせにお困りの方のために、闇金解決に強い弁護士・司法書士の無料相談窓口などをご案内しておきます。

闇金解決を無料相談できる弁護士・司法書士の情報
なぜ警察ではなく、弁護士や司法書士や司法書士なのか
依頼から解決までの流れ

など、次のページのまとめを、ご活用ください。

闇金解決に強い弁護士・司法書士の一覧や豆知識まとめはコチラ

 

 


★「ウシジマくん」「クロサギ」…フィクションの中の“闇金借りパク・闇金狩り・借りパク師”

「闇金借りパク」にあたる行為は、漫画やドラマなど、フィクションの中で描かれることも多いようです。

たとえば、有名な金融漫画『闇金ウシジマくん』の中に、「闇金狩りくん」というエピソードが登場します。「闇金狩りくん」が、主人公の闇金業者ウシジマを騙し、“闇金から借りたお金には返済義務がない”という法律の仕組みも利用して、借金を踏み倒そうとする話です。

また、闇金とは少し違いますが、『クロサギ』というマンガ(後にテレビドラマ化)もありました。“詐欺師をだます詐欺師”をテーマとした作品ですが、社会的な悪者をターゲットにして、不正な方法で利益を得る…という点では似ていると思います。闇金で言えば、“借りパク師”という言葉もあるようですが、イメージはそれに近いようですね。

ただ、“借りパク師”といっても、本当にそうした闇金を騙すプロがいるわけでは無いと言えそうです。“借りパク師”の活躍も、マンガやドラマなど、フィクションの中だけでしょう。

★相手が悪者なら何をしてもいい…は間違い!“自力救済禁止の法理”とは

「相手は悪者の闇金業者だから、何をしてもいいはず」という考え方は、はっきりと間違いだと言えます。

これは、「自分が闇金の被害にあっている場合」も同様です。
いくら相手が悪事を働いて、自分が被害者だとしても、“自分で強引に解決する”のは「自力救済」となり、法律の原理に違反するからです。

自力救済がまかり通ると、腕力、財力、知力などの“個人の力”によって、被害を回復できるかどうかが変わってしまいます。それでは、法の下の平等が実現できません。
さらに、マフィアや暴力団などが、「守ってやるから“みかじめ料”を払え」といって、はびこる世の中になってしまう恐れもあります。

このように、“悪者に対して自分で被害を回復する”、“相手が悪ければ、何をやってもいい”という考え方が認められると、不平等な、弱肉強食の世界になってしまいます。

そうならないために、

「いくら相手が悪くても、自分の力で被害を回復してはいけない」
「相手が悪者であっても、何をしてもいいわけではない」
「法の力によって対処しなければいけない」

という、“自力救済禁止の法理”が、近代の法治国家の原則となっています。
この原則をまもって考えれば、「闇金借りパク」も、不法な自力救済であり、認められないと言えそうです。

★弁護士・司法書士の“悪用”はできません

「弁護士や司法書士に頼めば、闇金から借りたお金を返済なしで解決できる」

と聞いて、これを悪用しようと考える方も、残念ながらいるようです。
実際に、闇金救済に取り組む弁護士・司法書士からも、こんな事例が報告されています。

依頼を受けて闇金トラブルを解決してあげたら、翌月にたくさんの闇金からまた借り入れをして、「先生お願いします」と言われた

家族の個人情報まで悪用して、闇金からお金をかき集めたうえで、“解決してください”と依頼された。その依頼人は過去にも闇金被害にあっており、わからないはずがない

このように、弁護士や司法書士を“悪用”して、闇金借りパクを試みる人もいるようです。ですが、こうした場合は、ほとんどの弁護士・司法書士が“依頼を断る”そうです。

ですので、弁護士や司法書士を悪用して“闇金借りパク”を実践することもできません。また、法律の専門家に見捨てられてしまったら、誰にも助けてもらえないでしょう。
警察に相談しても、「民事不介入」で解決できないでしょう。それどころか、“悪質な詐欺”として、自分が問い詰められるかもしれません。

ですので、闇金借りパクや、弁護士・司法書士の悪用は、絶対に行わないでください。

しかし、もしもあなたが本当に闇金の被害から抜け出したいと思うなら、「借りパクで解決しよう」とするのではなく、「闇金と縁を切りたい気持ち」を弁護士や司法書士に伝えて下さい。
きっと快く相談に乗ってくれるでしょう。

闇金解決に強い弁護士・司法書士の一覧や豆知識まとめはコチラ

 

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