特定調停の17条決定とは?異議申し立ての方法や仕組みを解説

投稿日:2018年5月14日 更新日:

★この記事を読んでわかること
(約4分で読めます)
  • 特定調停を自分で申し立てたけれど、17条決定になってしまった。17条決定とは?
  • 特定調停の17条決定の内容に不満がある…異議申し立てしたい!その方法とは?
  • 17条決定の異議申し立ては、自分一人では難しい…。弁護士や司法書士に相談するほうがいい?


この記事では、特定調停の「17条決定」と、その異議申し立ての方法について解説していきます。

特定調停や債務整理の基本的なポイントについては、既にご存知の方も多いと思いますので、ここでは省略していきます。基本的な事柄について知りたい方は、次の記事をご覧ください。

今回は、

「特定調停を申し立てしたけれど、不成立に終わって17条決定が出てしまった」
「その17条決定の内容に不服があるので、異議申し立てをしたい」

このように考えている人のために、役立つ情報をお届けしていきます。

「特定調停の17条決定に不服なら、2週間以内に異議申し立てをすれば良い」

こうした単純な解説は、他のサイト等でも行われています。
ですが実際にどうすれば良いのか…と見ていくと、そこには非常に大きな壁があります。
「他のサイトの解説では役に立たなかった」という方こそ、この記事をお読みいただければと思います。

★相手業者(債権者)から、17条決定に異議申し立てをされた場合はコチラ

17条決定の異議申し立てについては、

「特定調停を申し立てたのに、相手業者に無視されて17条決定になってしまった」
「17条決定を相手業者に異議申し立てられて、無効化されてしまった」

…といった場合もあるかと思います。
こうしたケースについては、次の記事で詳しく解説していきます。
緊急性の高い状況ですので、当てはまる方は、次の記事をご覧ください。

特定調停の17条決定とは

それでは、

「特定調停を申し立てしたけれど、不成立に終わって17条決定が出てしまった」
「その17条決定の内容に不服があるので、異議申し立てをしたい」

こうしたケースについて、解説をお届けしていきます。
まずは、「特定調停の17条決定とは何か?」についてです。

特定調停は、債権者と債務者の、双方の合意によって、借金の返済計画の見直しなどが成立する…というのが基本の形です。逆に言えば、双方の合意に至らなければ、特定調停は不成立となってしまうわけです。

ところが、そうした不成立の場合でも、裁判所の職権で「特定調停に代わる決定」が下される場合があります。この決定のことが、通称「17条決定」と呼ばれています。民事調停法第17条に定められているので、こうした通称がついているのですね。

イメージだけ表現すれば…

-債務者(あなた)「100万円の借金を、50万円に減らしてください。月々の返済額も減らしてください。」
-債権者(金融業者)「ダメです、その条件は受け入れられません」
-裁判所「特定調停は不成立ですが、17条決定を出します。返済期間を長くして、月々の返済額を減らしなさい。ただし残債の減額は認めません。」

…という形ですね。

ざっくり言えば、“裁判所が、調停の内容を強引に決めてしまうこと”と言っても良いかもしれません。ですので、17条決定の内容が、「自分の希望とは違う」という事も、十分にあり得るでしょう。

17条決定は、判決と同じ効力を有する⇒守らなければ差し押さえ

特定調停の17条決定は、“特定調停がうまくいかなかった時、裁判所が職権で和解条件を決める”もの。
ですが、その決定内容は、判決と同じ効力を有します。

つまり、「決められた通りにしなければ、強制執行(差し押さえ)を受けてしまう」ということです。

「こんな条件では、とても返済できない」
「借金がちっとも減っていない」

…と、不満の残る内容で17条決定が出された場合でも、その決定に従って返済しなければ、すぐに差し押さえを受けてしまうわけです。

民事調停法第17条に定められた、特定調停の17条決定の条件や方針

先ほど、特定調停の17条決定は、「裁判所が、調停の内容を強引に決めてしまう」と書きましたが、これは“ざっくりとした”言い方です。

実際には、“民事調停法第17条”で、決定内容の方針が定められています。

(調停に代わる決定)
第十七条
裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる。

民事調停法│電子政府のe-Gov

簡単にまとめれば、次のような点がポイントとなるでしょう。

特定調停で、合意が成立しそうにない場合に17条決定を出せる
民事調停委員の意見も聴く
債権者・債務者のお互いのメリット・デメリットをバランス良く考える
いろいろな事情を考慮する

こうした方針をふまえて、17条決定が出される事になっています。

ただ、法律の条文は“解釈の幅”が相当あります。
この民事調停法第17条も、具体的に「こういう決定にしなさい」という事は、何も言っていませんね。あくまで「バランスの良い決定を心掛けなさい」という方針ぐらいです。

ですのでやはり、現実問題としては、

「自分の思った通りにならなかった」
「17条決定の内容がとても受け入れられない」

…となる場合もあります。

そうした場合のために、17条決定には、「異議申し立てができる」ようになっています。

特定調停の17条決定の異議申し立て

特定調停の17条決定は、決定が出てから2週間以内に“異議申し立て”を行えば、17条決定は効力を失うとされています。
このことは、民事調停法第18条の第4項に規定されています。

(異議の申立て)
第十八条
前条の決定に対しては、当事者又は利害関係人は、異議の申立てをすることができる。その期間は、当事者が決定の告知を受けた日から二週間とする。
2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てが不適法であると認めるときは、これを却下しなければならない。
3 前項の規定により異議の申立てを却下する裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。
4 適法な異議の申立てがあったときは、前条の決定は、その効力を失う。
5 第一項の期間内に異議の申立てがないときは、前条の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

民事調停法│電子政府のe-Gov

つまり、異議申し立てをすると、17条決定は“無かったこと”になってしまうのですね。

ですので、「17条決定が出たけれど、内容に不満がある」という場合は、この異議申し立てを2週間以内に行えば良いわけです。

17条決定の異議申し立ての方法

17条決定に対する異議申し立ては、おもに書面で行います。
ただし、これといったフォーマットも無いので、「決まり切った書類を簡単に作って裁判所に提出すれば良い」というほと、簡単なものでは無さそうです。

17条決定の異議申し立ては、“適法”でなければ却下される

さらに、17条決定の異議申し立ては、「申立書の作り方」という単純な問題ではありません。

先ほどの法律の条文に書いてありますが、

「裁判所は、前項の規定による異議の申立てが不適法であると認めるときは、これを却下しなければならない。」

という決まりがあるからです。
条文では少しむずかしい言い方をされていますが、簡単に言えば、「17条決定の異議申し立ては、違法な部分があってはダメ」ということです。

さて、それでは「違法な部分」というのは、具体的にどんなものでしょうか?これを判断するのは、非常に難しくなります。

日本の法律の数は、2018年時点で、約2000個以上もあるからです。
そして、一つ一つの法律に、何十条・何百条といった条文があります。

この膨大な量の法律にもとづいて、「違法性がないか」を判断することを、「適法性の判断(適法性診断)」と呼びます。

適法性診断はとても難しい仕事で、プロの弁護士でも、相当な実力と経験のある先生でないと、正確な診断はできません。

特定調停の17条決定に対する異議申し立ては、まず弁護士・司法書士への無料相談から

特定調停の17条決定に対する異議申し立ては、

決定から2週間以内に、
適法性を判断して、違法な部分が無いように、
申立書を作って、裁判所に提出しなければいけない

という事がわかりました。
とくに大きな壁になるのが、民事調停法第18条2項に定められた、「適法性」の条件でしょう。

申し立ての書類を作るだけでも大変ですが、さらに「違法な部分があってはダメ」ですから、適法性診断が必要になります。
ですが、これは一般個人にできることではありません。

やはり、ここは債権・債務の分野に詳しく法律の専門家である、弁護士や司法書士に相談をするべきです。

「弁護士や司法書士をつけたくないから、特定調停を自分でやったのに」

…と思える方も多いでしょう。
ですが、そう言っていられる状況でもありません。
2週間以内に対処しなければ、「不服な内容」の17条決定が無効化できず、そのまま判決と同じ効力を持ってしまうからです。

「こんな決定内容では、とても返済できない」という事情でも、滞納すれば、“すぐに差し押さえ(強制執行)”が行われてしまう恐れがあります。

★もう一人で苦労するのは止めにしませんか?

当事者の方は、特定調停をここまで自分ひとりで進めるのも、大変なご苦労をされてきたと思います。
もう、自分ひとりで苦労するのは、ここまでで止めにしませんか?

ここから先は、もう、本当に一般個人の能力では、どうしようもない領域です。これまで頑張ってきた自分を認めて、ここからは、弁護士や司法書士の力を頼ってみてください。

債務整理や借金問題について、無料相談できる弁護士・司法書士の情報も、次の記事で取りまとめています。
この無料相談を利用して、弁護士・司法書士のアドバイスをもらってみてください。

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