自己破産でホームレスになる?債務整理の財産処分について

投稿日:2018年1月14日 更新日:

★この記事を読んでわかること
  • 債務整理で財産の処分が行われるのは、自己破産で管財事件となった場合のみ
  • 任意整理、個人再生、自己破産の同時廃止では、財産の処分は行われない
  • 自己破産で管財事件となった場合も、生活に必要な財産などは残される

自己破産や債務整理を考えるとき、「財産の処分」も気がかりなポイントではないでしょうか。
「自己破産した人の生活」を思い浮かべると、まるでホームレスのような極貧生活を想像してしまう方も多いと思います。

「自己破産をすると財産の処分が必要だから、一文無しになってしまう」
「何もかも失って、ホームレスになってしまう」

こうした心配が実際にありえるのか、調べた結果をお届けしていきます。

借金が返せなくなったら自己破産?ほかにも債務整理の方法があります

まず最初に大切なポイントは、「自己破産」以外にも借金を減らす手続き(債務整理)はあるということです。

「借金が返せなくなったら自己破産」
「クレジットカードが払えなくなったら自己破産」

…と思われがちですが、自己破産に至らなくても、他の債務整理の手続きで解決できた事例が数多くあります。

債務整理とは

債務整理には、大きく分けて4つの手続きがあります。それが、「任意整理」「個人再生」「特定調停」「自己破産」となります。この4つの手続きをまとめて、債務整理と呼んでいます。
ですので、自己破産は債務整理の一種類ということになり、自己破産以外にも返済や支払いを減額する手続きがあるということです。

債務整理の4つの手続き

任意整理 今後の利息や遅延損害金をカットし、残った分を分割返済とする手続きです。
個人再生 総負債額を5分の1程度(最大10分の1)まで減額し、残りを3~5年の長期分割とする手続きです。
特定調停 裁判所の調停委員が間に入り、債権者と債務者との和解を取り持つ手続きです。
自己破産 原則として、すべての債務が免除される手続きです。

特定調停は用いられることが少ないため、ここでは、「任意整理」「個人再生」「自己破産」について扱っていきます。

自己破産しなくても返済を減額できる?弁護士や司法書士に相談を

自分では「自己破産しかない」と思っていても、実際には、任意整理や個人再生で解決できる事例も数多くあります。

本当に自己破産したほうが良いのか、まずは債務整理に強い弁護士や司法書士に相談し、アドバイスをもらってみましょう。

 

債務整理に詳しい弁護士・司法書士をまとめました

 

財産の処分が必要なのは自己破産の管財事件になった場合のみ

それでは、「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった各種の債務整理について、財産の処分がどうなるのか見ていきましょう。

結論から言えば、“財産の処分が必要になるのは、原則として、自己破産で「管財事件」になった場合のみ”と言えます。

「管財事件」という難しい言葉が出てきましたが、これは、自己破産の種類の一つだと考えてください。ある程度の資産がある人が自己破産した場合に、「管財事件」となって財産の処分が発生します。ですが、資産がほとんどない(20万円以下)の人が自己破産を行うと、そもそも処分する財産もないため、「同時廃止」という手続きになります。

簡単にまとめると、

任意整理で返済を減額した場合
個人再生で返済を減額した場合
自己破産して、同時廃止となった場合

この3つのパターンでは、債務整理といっても、財産の処分は強制されないことになります。

自己破産で財産が処分されても、ホームレスになる心配はない

それでは、“自己破産の管財事件”になり、財産の処分が必要となった場合、やはりホームレス同然の生活を余儀なくされてしまうのでしょうか?
結論から言えば、“自己破産で財産処分になっても、ホームレスになるほど追い込まれる心配はない”と言えます。

自己破産しても、生活に必要な財産や、一定の資産は手元に残せる

自己破産の管財事件となっても、処分される財産は、一定以上の価値があるものだけとなります。「生活上、欠くことのできない家具類など」や、「99万円までの現金」など、処分されずに守られる資産が、法律や裁判所の運用基準で決まっています。(※破産法第34条3項 自由財産/自由財産の拡張 同法第34条4項)
さらに、破産管財人の意見により「換価するのが妥当でない」と判断された財産も、手元に残されます。

法律や裁判所の基準で、処分してはいけないと決められた資産
破産管財人の判断で、処分すると生活に困ってしまうと判断された資産

こうした財産は、自己破産の管財事件となっても、手元に残せることとなります。

自己破産すると、持ち家や車は処分される?

自己破産の財産処分で、多くの方が気がかりなのが、「持ち家」や「車」ではないでしょうか。
家や車は、確かに資産価値の大きな財産だといえます。ですが同時に、生活上、欠くことのできない財産でもあります。ですので、自己破産したからといって、必ずしも家や車が処分されるとは限りません。

自己破産しても車を残せるケース

たとえば、車について考えてみましょう。
裁判所の運用基準では、「査定額20万円以上の車」は、原則として処分が必要となります。逆に言えば、古い車などで査定額が20万円を超えない場合、自己破産しても、その車は手元に残せることになります。

また、査定額が20万円を超える場合でも、「家族の介護のために必要」「生活の移動手段として、車が無いと買い物にもいけない」など、必要とする事情がある場合は、破産管財人の判断により手元に残される場合もあります。

お金を返せない、払えない時は自己破産?弁護士や司法書士に相談を

債務整理には、自己破産のほかにも任意整理、個人再生といった返済減額の手続きがある

財産の処分が行われるのは、自己破産で「管財事件」となった場合のみ

任意整理、個人再生、自己破産の同時廃止では、財産の処分は行われない

自己破産で管財事件となった場合も、生活に必要な財産などは残される

こうしたポイントから、「債務整理で財産が処分され、ホームレスになる」といった心配は無いことがわかります。

払いきれない借金やローン、クレジットカード、各種料金の滞納などでお悩みの方は、一度、債務整理について弁護士や司法書士に無料相談してみましょう。

債務整理を無料で相談できる弁護士・司法書士をまとめました

 

補足説明:個人再生の場合、“清算価値保障原則”がある

記事本文では、「自己破産で、かつ管財事件になった場合のみ、財産の処分が必要になる」と解説しました。ですがもう少し踏み込んで説明すると、個人再生の場合でも“清算価値保障原則”というルールが影響してきます。

個人再生の清算価値保障原則とは、一言にまとめれば、「一定以上の資産を持っている場合、その資産を清算(処分、売却)したときに得られる以上の金額を返済しなければいけない」というものです。
個人再生では財産の処分は強制されないものの、一定以上の資産は清算する想定で、借金の減額が計算されるということです。
この仕組みは、実際には非常に複雑です。専門家の間でも細かい部分に意見の違いがあり、“一定以上の資産”にどこまで含めるか…といった部分も、いろいろな考え方があるようです。

債務整理には、こうした複雑な仕組みやルールもあるので、自分の判断だけで考えるのは禁物です。債務整理について考える場合は、かならず弁護士や司法書士に相談しましょう。

 

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