債務整理とおまとめローンの違いは?どっちがが良いか比較してみた!

投稿日:2017年3月15日 更新日:

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『借金を解決する方法』というと、何が思いつくでしょうか?

『自己破産』を思い浮かべる方が多いかな、と思いますが、実はそれだけではありません。
任意整理、個人再生など、自己破産のほかにも様々な『債務整理』の方法があります。

それともう一つ思いつくのが、『おまとめローン(借り換えローン)』ではないでしょうか。
「おまとめローンで借金を一本化すると返済がラクになる」と聞いたことがある方も、いらっしゃると思います。

そこで今回は、任意整理などの『債務整理』と、『おまとめ・借り換えローン』では、どちらのほうが借金返済に良いのか、検討してみました。

「債務整理とおまとめローンの違いってなに?」
「債務整理とおまとめローンは、どっちが得なの?」

そんな疑問に、とことんお答えしていきます!

おまとめローンとは、複数の借金を一本化すること

まずは、おまとめローンの仕組みを簡単に説明します。『借り換えローン』とも呼ばれますが、借金を他社に借り換え・一本化することです。
金利の低いローンに借り換えたり、複数の借入れを一社にまとめることで、返済が楽になると言われています。

具体的な例を見てみましょう。

借り換え前の状況
借入先 借入額 金利 毎月の返済日
A銀行 100万円 15.0% 27日
B消費者金融 60万円 17.5% 25日
C消費者金融 40万円 18.0% 15日

返済日も金利もバラバラなので、管理するのが大変ですね。
ですが、これをすべて他社に借り換えて一本化すると…

おまとめで一本化した場合
借入先 借入額 金利 毎月の返済日
Dおまとめローン 200万円 14.5% 27日

このようになり、借金がスッキリまとまります。
これが、「おまとめローンで返済が楽になる」と言われる理由のひとつです。

 

債務整理とは…借金を減らす手続きのこと

次に、債務整理について見てみましょう。
債務整理とは、『国の認めた、借金の減額手続き』です。

以下はざっくりしたイメージですが、簡単に説明すると、このようになります。

任意整理 これから払う利息(将来利息)をカットして、元金を原則3~5年間で分割返済
個人再生 個人民事再生とも呼ばれます。借金を最大5分の1程度に減らし、残りを原則3~5年間で分割返済
自己破産 財産を清算し、免責が認められたら返済が免除される

 

また、このほかにも「特定調停」といった手続きも、債務整理に用いられる場合があります。
こうした手続きをひとまとめにして、『債務整理』と呼びます。

その他の特徴を並べてみましょう。

弁護士や司法書士に依頼して行う手続きです。[1]

『任意整理』は裁判所を通さずに行えますが、その他の手続では裁判所が必要になります。

『自己破産』では財産の整理が必要ですが、『任意整理』『個人再生』では、財産を残したまま借金を減らすことも可能です。

過払い金が見つかった場合、その返還を求めることもできます。(過払い金返還請求)

 

おまとめローンと債務整理の違いとは?

それでは具体的に、おまとめローンと債務整理の違いを見ていきましょう。まずは、それぞれの特徴を表にまとめてみました。

この表では十分に説明しきれていない部分もあるのですが、大まかな傾向の比較としてご覧ください。

おまとめローンと債務整理の違い比較
おまとめローン 債務整理
金利 ○貸付利率が下がる場合もあるが、ゼロにはならない ◎最も簡単な『任意整理』でも、将来利息をカットできる
過払い金 ×過払い金があるか調査できない  ◎過払い金がある場合は、返還請求できる 
元金 ×減りも増えもしない  ○『個人再生』『自己破産』などの手続きにより、元金の減額・免除も可能
月々の返済額 ○減る場合もある ◎無理のない範囲まで返済負担を減らすことが目的
総返済額 ×返済期間ががなくなる場合が多く、その場合は支払総額が一本化前より増えることもある ◎ほとんどの場合で減少する
おまとめローン 債務整理
利用条件 △融資の審査に通らなければ利用できない ○返済困難な事情があれば、債務整理できることが多い
費用 ◎手数料や利息などの実費を除き、その他の費用は原則として発生しない △弁護士・司法書士への依頼費用などが発生する。ただし初期費用無料など、お金がなくても着手してくれる事務所もある
財産の清算など ◎不要 △『自己破産』の場合は、財産の清算が必要になる場合もある。ただし『任意整理』『個人再生』など、財産を手放さずに済む方法もある
期間 ×借入総額と金利、返済期間により、数年以上の長期にわたる場合もある ○金額や手続きによるが、最短で数ヶ月程度
督促 △返済を滞納すれば、督促を受ける ◎最短即日で取り立てストップも可能

いかがでしょうか。
それぞれメリット・デメリットに違いがあるので、単純にどちらが良いとは言えません。
ですが、私の個人的な評価として、「債務整理とおまとめローンは、ここが大きな違い」と思う部分を、もう少しまとめてみます。

金利をカットできるかどうか

債務整理の場合、もっとも簡易な手続きといわれる『任意整理』でも、金利カットの交渉などが行われます。

おまとめローンの場合は、利息がゼロにはなりません。借り換え先の金利が低ければ、利率は下がる場合もあります。ですが、それでもゼロになることはありません。
さらに、一本化することで逆に返済期間が延びる場合もあります。そうなると、かえって最終的に支払う利息が増えてしまうこともあります。

過払い金返還請求

過払い金の返還請求(払いすぎた利息を取り戻すこと)は、おまとめローンでは不可能です。
債務整理の場合、過去に返済した分を遡って金利の引き直し計算を行います。そのなかで過払い金が見つかったら、返還請求を行い元金の返済に充てることも可能です。

元金が減らせるかどうか

おまとめローンの場合、元金が減ることはありません。

一方、債務整理の場合、借金の元金そのものを減額したり、免除できる場合もあります。
『任意整理』では元金は原則として変わりませんが、『個人再生』『自己破産』は、元金の減額・免除を目指す手続きです。
シンプルですが、ここが一番大きな違いかもしれませんね。

審査が必要かどうか

利用にあたっての審査の有無も、大きなポイントです。

「おまとめローン」の場合、基本的に審査は“必ずある”ものです。『おまとめ専用のプランの場合、総量規制の対象外になる』など、通常の借金とは少し異なるルールもありますが、基本は大きく変わりません。
そのため、たとえば『返済を滞納しており、ブラックリストに載っている』といった方の場合、“おまとめローンを利用できない”可能性は高いでしょう。

一方、債務整理には、カードローンのような審査はありません。ただし、では誰でも無条件で利用できるか…というと、それもまた違います。
債務整理は原則として、『事情があって返済不能・返済困難に陥った方の救済策』としての制度です。そのため、十分な返済能力がある場合、債務整理が認められない可能性もあります。

また、“何のために作った借金なのか”により、利用できる手続きも変わってきます。任意整理や個人再生では“特に問われない”と言われています。ですが、自己破産の場合は、たとえば株やギャンブル、スマホゲームの課金といった目的での借金は、免責が認められない場合があります。

返済総額が増えるか減るか

これも非常に大きなポイントです。
返済総額とは、『元金+利息』の総合計と考えてください。“借金がなくなるまで(完済するまで)、トータルでいくら払うか”とも言えるでしょう。

債務整理の場合は、どの手続きを選んだ場合でも、原則として“返済総額は減る”ことになるでしょう。
一方、『おまとめローン』の場合は、“返済総額が(借り換え前より)増える”可能性もあります。この仕組みについて、詳しくは後述します。

費用がどのくらい掛かるか

費用に関しては、一見すると大きな違いがあるように思えます。

『おまとめローン』は、利用料や手続き料などの費用が掛らないのが通常です。一方、『債務整理』では、弁護士・司法書士への依頼に費用が掛かります。

ただし『おまとめローン』の場合、利息もゼロにはならないので、利息=費用と考えても良いかもしれませんね。そう考えれば、『事実上は何十万円も費用(返済以外に払うお金)が発生する』とも言えそうです。
一方、『債務整理』の場合、弁護士や司法書士によっては、“初期費用無料で、お金がなくても債務整理を開始できる”場合もあります。

費用に関しても大切なポイントなので、この記事の後ろのほうで、より詳しく解説していきます。

取り立て・督促

『おまとめローン』の場合、借入であることに違いはありません。そのため、『おまとめ』の返済を遅延・滞納すれば、督促が行われます。

一方、債務整理の場合、最短で即日取り立てストップも可能です。手続きが開始されると弁護士・司法書士が“受任通知”を発送し、それにより業者からの取り立てをストップできます。

おまとめローンで、返済総額が増える場合もある理由とは

上のほうで、『おまとめローンを利用すると、返済総額が増える場合もある』と書きました。より詳しい仕組みを説明していきます。
これは、『利息』と『利率(金利)』と『返済期間』の関係が原因です。

まず『利息』ですが、これは借りたお金にプラスして支払うお金、と考えてください。
たとえばカードローンから100万円を借りたら、返済も100万円キッカリ…ではありませんよね。利息がつくので、借入額より少し多く返済することになります。

月々の返済額だけを見ていると、いまいち実感がつかめませんが、“毎月の返済額を完済まで合計していく”と、借入額よりも返済額のほうが大きくなることがわかります。
この“大きくなる”ぶんが、利息です。

そして、この「利息」の金額を左右するのが、「利率(実質年率)」になります。

利息 = 借入残高 × 利率 ÷ 365 × 利用日数

例えば「利率(金利)」が低くても、「返済期間」が長くなれば、最終的に払う利息は多くなります。
そのため、『おまとめローン』を利用して、仮に『利率』が下がったとしても、『返済期間』が長くなれば、結果として最終的な利息が増えてしまう場合もありえるでしょう。
おまとめローンでは、元金は減らないので、最終的な利息が増えれば『返済総額そのものが、借入前より増加する』ことになります

 

おまとめローンと債務整理を費用と期間で比較シミュレーション

それでは、具体的な事例をシミュレーションして、『債務整理』と『おまとめローン』の費用を比較してみましょう!

『合計200万円の借金完済』を目指して、おまとめと債務整理では、どのくらい費用と期間が違うのか検討してみます。

解決したい借金の内容[2]
借入額 利率 月々返済額 利息合計 完済までの期間
A社 100万円 15% 30,000円 37万1,332円 47ヶ月
B社 60万円 17.5% 18,000円 26万6,271円 50ヶ月
C社 40万円 18% 13,000円 17万5,222円 45ヶ月
合計 200万円 - 61,000円 81万2,825円 最長47ヶ月

つまり、3社合計200万円の借金返済は、何も解決策を取らなければ、『4年2ヵ月(50ヶ月)』の期間と、『81万2,825円』の利息(費用)が掛かることになります。
しかも、毎月の返済額は全て合わせて6万円を超えてしまっています。

おまとめローンで借金200万円を完済すると

まずは『おまとめローン』の場合です。
200万円の借金なので、法定金利の上限は15%。ですが、少しだけ安くなると考えて、14.5%で考えます。
実際におまとめプランに対応している、某カードローンの返済シミュレーターを使って、『借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式』で計算してみました。[2]

借入総額 200万円
利率 14.5%
月々返済額 40,000円
利息合計 1,440,276円
支払総額 3,440,276円
完済までの期間 87ヶ月(7年3ヶ月)

『おまとめローン』の場合、利息=費用と言い換えて考えても良いでしょう。
つまりシミュレーションの結果は、

利息(=費用) … 144万276円
完済までに掛る期間 … 87回(7年3ヵ月)

となります。
おまとめ一本化する前の利息が“合計81万2,825円”なので、むしろ一本化したことにより返済期間が延び、利息も63万円近く増える結果になってしまいました。
また、返済期間は一本化したことにより3年以上も長くなってしまいました。

このように、おまとめローンは、月々の返済額が抑えられるというメリットはありますが、『支払総額が増えてしまう』『返済期間が延びてしまう』という落とし穴があるんですね。

 

任意整理で借金200万円を完済すると

次に、債務整理で借金200万円を解決する場合を見てみましょう。
当サイトと提携している、債務整理で評価の高い司法書士事務所の料金体系をもとに、計算してみます。[3]手続きは、利用者が多いといわれる『任意整理』を使います。

200万円を任意整理した場合
相談料 無料
着手金 6万円
(2万円×3件)
成功報酬金 6万円
(2万円×3件)
減額報酬 なし
(※今回は過払い金が発生していないという条件なので)
費用合計 12万円
手続き期間 2~3ヶ月間
支払い・返済総額 212万円
(元金:200万円+任意整理費用:12万円)
減らせる借金 最大で144万276円
(※将来利息カットで元金のみにする)
月々返済額(3年分割) 約55,000円
月々返済額(4年分割) 約41,000円
月々返済額(5年分割) 約33,000円

“費用が高い”と思いがちな債務整理ですが…。
『任意整理』なら、合計12万円の費用で、借金を減額できることがわかります。

利息については、弁護士・司法書士と債権者(業者)との交渉により最少で0円にカットも可能です。
ここでは、『利息を0にし』『元金のみを3~5年で分割返済する』と考えてシミュレーションしました。

月々の返済額も少なくなり、返済期間も大幅に短縮できていることがわかりますね。

 

ここまで『おまとめローン』と『任意整理』を比較してみましたが、

おまとめローンのデメリット

最終的に支払う利息の合計が増える
完済までの期間が長くなる
返済総額が増える

任意整理のメリット

将来の利息がカットされる
元金のみを分割返済するので支払総額を大幅に圧縮できる
過払い金が見つかれば元金の返済に充てることが可能
トータル費用を最少に抑えられる
月々の返済負担を減らせる
解決(完済)までの期間を短縮できる

このように、『任意整理』のほうがはるかにメリットが大きいと思います。

また、参考にした司法書士事務所は、“初期費用無料” + “後払い、分割OK”なので、12万円を一括ですぐに払う必要はありません。
「まずは借金解決が第一!債務整理の費用は、解決して余裕ができてから、無理のない形で」という弁護士・司法書士も、実はいるんですよ!

もちろん、これは一つの事例に過ぎないので、必ずしもこうなるとは限りません。ですがそれでも、無視できないほど大きな差になって、驚いています。

 

『個人再生』や『自己破産』の場合は?

今回は『任意整理』を比較対象に使いましたが、債務整理にはこのほかに『個人再生』『自己破産』といった手続きもあります。

『個人再生』の場合、借金の“元金を最大で5分の1程度に減らす”ことが可能です。

借金200万円を、個人再生で解決した場合
個人再生の費用 30万円~60万円程度
弁済期間 原則3年
借金がいくらまで減るか 100万円

・借金の5分の1
・下限100万円
・所有全財産の金銭評価額
のなかで一番多い額
毎回の支払額 27,777円
*毎月支払った場合

個人再生は、再生計画で決まった額を原則3年で弁済します。特別な事情があれば最長5年の再生計画も可能です。
3ヶ月に一度以上の頻度で弁済計画を立てます。毎月の返済も可能です。
借金を最大1/5まで減額することができます。(100万円または、借金の1/5または、所有する全財産の金銭評価額のうち一番多い額を返済することになります。)このことから、借金額が大きいほど減額される額も多くなるというメリットがあります。

個人再生の手続き費用は、任意整理に比べて高くなりますが、それを上回るメリットがあることは、『借金がいくらまで減るか』を見ても明らかです。
また、“元金そのものが大きく減る”ので、月々の返済額を減らす効果も期待できるでしょう。

『自己破産』の場合は、一定以上の財産を清算したり、破産管財人がついたり…と手続きが複雑になりますが、借金解決の効果も非常に強力です。

借金を自己破産で解決した場合
自己破産の費用 22万円~55万円程度
手続き期間 2ヶ月~半年程度
予納金 1万円程度:同時廃止事件(管財人がつかない場合)
20~30万円程度:管財事件(管財人がつく場合)
免責される借金 20万円以上の価値がある資産については、基本的に残すことができませんが、裁判所から免責が認められれば、資産を超える債務が全額免除される

自己破産は、債務額が過大で、長期的に見ても返済が見込めない、返済が困難な場合に、破産の申し立てをする手続きです。
そのため、借金が200万円など少額の場合は自己破産を選択する人は少ないと考えられます。
自己破産をしたら人生おしまい…というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、人生をリセットし生活を立て直すために、前向きに選択する人も多いです。

債務整理とおまとめローンはどっちがいい?私の感想と評価

最後に、債務整理とおまとめローンの違いを比較して、「どっちがいいかな」「私だったら、どっちを選ぶかな」と考えてみました。

私が一番に思うのは、『思い切って債務整理をしたほうが、借金のない人生を目指せるのではないか』という気持ちです。

確かに『おまとめローン』にもメリットはありますが、基本的に“借金をする相手が変わる”だけ…とも思えます。
何より、“一本化することで、返済期間が延びる=利息が増える場合もある”点が、無視できないデメリットではないでしょうか。

また、そもそもローンなので、「すでに滞納があり、ブラックリストに載っている人は、審査に通らず“おまとめ”を利用できない」可能性がきわめて高そうです。

それに比較して、『債務整理』の場合は、滞納やブラックの方でも大丈夫。むしろ、そうした返済困難な方を助けるための仕組みです。だから、国が認めた借金減額方法なんですね。

将来利息カット
元金減額、免除(手続きによる)
最短即日の取り立てストップ

こうしたメリットの大きさを、今回の検証で、改めて実感しました。

初期費用無料 + 分割・後払いOKの弁護士・司法書士

シミュレーションの結果のように、『おまとめ』の利息より、債務整理の費用のほうが安くなる場合もあります。
また、“初期費用ゼロ円+分割・後払いOK”の弁護士・司法書士に依頼すれば、手元にお金がなくても債務整理をはじめられます。

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脚注、参考資料
  • [1]「特定調停」では、弁護士や司法書士を通さずに借金を減らせる可能性もありますが、高度な専門知識などが必要になると考えられます。
  • [2]カードローン『ライフティ』の返済シミュレーターを使用して計算しました。
  • [3]「はたの法務事務所」の任意整理の料金体系をもとに概算しました。

 

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