弁護士・司法書士・行政書士の違いとは?債務整理において何が変わる?

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★この記事を読んでわかること
(約6分で読めます)
  • 弁護士、司法書士、行政書士の違いとは?
  • 取り立てや「払えない・返せない」悩みは、誰に相談すればいい?
  • 債務整理や時効援用では、弁護士・司法書士・行政書士はどう違う?

この記事では、弁護士・司法書士・行政書士の違いについて解説していきます。

弁護士や司法書士、行政書士は、幅広く言って「法律の専門家」とされています。債務整理や時効援用、個人信用情報(ブラックリスト)の確認など、借金問題や返済の悩みでも、こうした法律の専門家の力を借りるのが一般的です。

しかし、弁護士と司法書士、行政書士では、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?

この記事の前半では、まず「債務整理(返済の減額や免除)」や、借金トラブル等での違いをチェックしていきましょう。後半に、より専門的な解説をお届けしていきます。

弁護士・司法書士・行政書士の、債務整理や借金解決の違い

弁護士や司法書士、行政書士の仕事は、たいへん幅広いものになっています。
そのため、たとえば同じ弁護士でも、人によって専門分野が違います。司法書士、行政書士も同様です。

ここでは、借金などの返済や支払の悩み解決について、弁護士・司法書士・行政書士では、どんな違いがあるのか見ていきましょう。

まずは、簡単な比較表をご覧ください。

  弁護士 司法書士
(簡裁代理認定)
行政書士
取り立てストップ
1件140万円以下の
債務整理
1件140万円超の
債務整理
書類作成のみ
ブラックリストの調査
時効援用
調査+書類作成のみ
ヤミ金解決
費用の相場 普通 やや安い 格安

上の表の一番左側の列は、借金解決に関する主な業務となります。

取り立て・督促ストップ 金融業者などからの取立てを止める
債務整理 返済などを減額・免除する手続き
ブラックリストの調査 個人信用情報がブラックリストになっているか、いつ解除されるか等の調査
時効援用 時効になった返済を消滅させる手続き
ヤミ金解決 ヤミ金、ソフト闇金等からの借金解消

債務整理と時効援用について、それぞれ詳しくは以下の記事で解説しています。


さて、比較表を見ると、弁護士は「ほとんど全てできる」。また、簡裁代理認定を持った司法書士も「一件140万円以下であれば、ほとんど全てできる」と言えるでしょう。一方、行政書士は、時効援用やブラックリストの調査では頼れますが、それ以外は業務の範囲外と言えます。

これは能力やスキルの違いではなく、法的に与えられた権限の違いと言って良いでしょう。

“できる事が多い“ほど“費用の相場も高い”

資格上、債務整理において「できること」の多さで考えると、弁護士 > 司法書士 + 簡裁代理認定 > 行政書士の順に、頼れる場面が多いと言えるでしょう。
一方、費用の相場はまったく逆で、行政書士 < 司法書士 + 簡裁代理認定 < 弁護士の順に、費用が安いです。

《できることの多さでは…》
弁護士 > 司法書士 > 行政書士
弁護士が最もできる事が多いです。

《費用の相場では…》
行政書士 < 司法書士 < 弁護士
行政書士が最も安いです。

★司法書士の簡裁代理認定とは

ここまで何の説明もなく、「簡裁代理認定」という言葉を使ってきましたが、ここで少しだけ解説します。

簡裁代理認定は、「簡易裁判所での法的手続きに関して、任意代理人になれる資格」です(※司法書士法第3条第1項第六号および第2項)。

「認定司法書士」というのは、(中略)法務大臣の認定を受けた司法書士[1]が、簡易裁判所管轄の民事事件で、弁護士と同様に代理人を務めることができる制度をいいます。
(中略)
平成14年の司法書士法改正により、司法書士のうち、所定の研修を修了し、簡裁訴訟代理能力認定考査に合格して法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」は、「簡易裁判所」における「請求額が140万円までの民事事件」の限度で、民事訴訟の代理人を務めることができることになったのです。

出典:認定司法書士の簡裁訴訟代理権 | 広島メープル法律事務所 link archive

いろいろと複雑な仕組みなのですが、

司法書士には、「簡裁代理認定」という特別な資格もある
簡裁代理認定を持っている司法書士は、1件140万円以下の債務整理(借金減額など)を扱える

…という2点だけ、まずは抑えておいてください。

返済や支払の悩みは、弁護士・司法書士・行政書士の誰に相談すれば良いのか

それでは、返済や支払の悩み、借金の悩みは、弁護士・司法書士・行政書士の誰に相談すれば良いのでしょうか?

「返済が苦しい、つらい」
「滞納して取り立てを受けている」
「借金が返せず、裁判を起こされたり、差し押さえを受けるかもしれない」
「昔の借金が残っていて、急に督促状が来るようになった」

こうした悩みの相談や解決は、弁護士・司法書士・行政書士の誰に頼めば良いのか、解説していきます。

基本的に、弁護士または司法書士

返済や支払の悩みは、基本的に、“債務整理に強い”弁護士・司法書士に相談すると良いでしょう。

「債務整理で減額や免除ができるか」
「どうすれば返済を楽にしたり、早く終わらせられるか」

…など、無料相談だけでも、具体的に役立つアドバイスをもらえます。
また、実際に債務整理を依頼すれば、

最短即日での取り立てストップ
返済の大幅な減額~免除
相手からの裁判や差し押さえの回避

など、さまざまなメリットも期待できます。

弁護士と司法書士では、どちらに相談するべき?

では、借金問題や債務整理について、弁護士と司法書士では、どちらに相談するべきでしょうか?

弁護士よりも司法書士のほうが、費用が安い
弁護士のほうが、司法書士よりも解決できるケースが多い
司法書士の場合、1件140万円以下でないと、債務整理ができない(1件140万円を超える場合、書類作成の代行のみ可能)

といった違いがありますが、最初の相談の段階では、特に気に掛ける必要はありません。最初の無料相談では、弁護士か司法書士か…といった事を気にせず、自分に合いそうな所や、「ここなら相談してみたい」と思える弁護士・司法書士を選んでみると良いでしょう。

5年以上前の借金で、「時効援用」できそうな場合は、行政書士も頼れる

一方、行政書士にも活躍が期待できる場合があります。
それが、昔の返済を「消滅時効」で帳消しにする、「時効援用(債務の消滅時効の援用)」です。

5年以上前の返済で、「急に取り立てが再開された」といった場合は、“時効援用に強い行政書士”も、有力な相談先になります。

★メールや電話で、無料相談できる窓口もあります

債務整理や時効援用、ヤミ金解決などについて、無料相談窓口を開いている弁護士・司法書士・行政書士もいます。
お悩みの方は、こうした無料相談窓口を利用してみましょう。

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弁護士・司法書士・行政書士の基本的な違い

それでは、ここからはもう少し知識的な解説をお届けしていきます。

まずは、弁護士、司法書士、行政書士の違いについて、より根本的な視点から、表にまとめます。

  弁護士 司法書士 行政書士
根拠法 弁護士法 司法書士法 行政書士法
自治会 日本弁護士会連合会
各地の弁護士会
日本司法書士会連合会
各地の司法書士会
日本行政書士会連合会
各地の行政書士会
主な業務 法律、行政手続きなどに関する支援、任意代理など 法律、行政手続き等に関する書類作成と、一部の任意代理 法律、行政手続き等に関する書類作成
任意代理人 任意代理人になれる 簡裁訴訟のみ、法定代理人になれる(簡裁訴訟代理認定が必要) 任意代理人になれない

特に大きな違いとなるのは、それぞれの業務範囲です。

弁護士の業務範囲

弁護士の業務範囲は、非常に広くなっています。
弁護士法第3条1項の規定では、次のようになっています。

【弁護士法3条1項(弁護士の職務)】
弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。[2]

かんたんにまとめれば、

裁判所で行う各種の手続きや、裁判所に対する申立て
その他一般の法律事務
これらに関する相談

となっています。

弁護士は、刑事訴訟、民事訴訟、後見人審判などの家事事件や、民事調停、破産手続きなどの裁判所での手続きのほか、「任意整理」をはじめとし、裁判所を通さない権利調整や交渉なども行うことができます。
また、弁護士法第3条2項により、弁理士や税理士の業務も行うことができます。

【弁護士法3条2項(弁護士の職務)】
弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。[2]

弁護士の債務整理

弁護士は、債務整理についても、フルスペックで対応できる資格です。任意整理による債権者との交渉や、利害関係の調整、裁判所での個人再生や自己破産など、あらゆる面で頼りになるでしょう。

また、

「相手から訴訟を起こされてしまった」
「すでに裁判所から、口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状が届いている」

といった状態でも、相手に訴訟を取り下げてもらい、債務整理での解決をはかる…といった事も、場合によっては可能性があります。

司法書士の業務範囲と、簡裁訴訟代理認定

司法書士の業務範囲は、次のようになっています。

①登記又は供託手続の代理
②(地方)法務局に提出する書類の作成
③(地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
④裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
⑤上記①~④に関する相談
⑥法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談
⑦対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談
⑧家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務

出典:こんな時は司法書士 - 日本司法書士会連合会 link archive

かんたんにまとめると、

登記関連業務
裁判所、検察庁、(地方)法務局に対する手続き書類の作成
これらに関する相談

といった所が、司法書士の基本的な業務となります。
また、一部の土地関係の代理や、一部の家事事件に関しても、業務を行えます。

これらに加えて、法務大臣の認定(簡裁訴訟代理認定)を受けた司法書士については、

簡易裁判所における140万円以下の各種事件について、任意代理人となること
これらに関する相談を受けること

…も可能となっています。

司法書士の債務整理

司法書士が「1件140万円以下の債務整理」を行えるのも、この簡裁訴訟代理認定によるものです。

逆に言えば、ふつうの司法書士では、債務整理は、関係書類の作成こそ行えるものの、本格的な代理人業務は行えない事になります。

債務整理を司法書士に相談・依頼する場合は、「簡裁訴訟代理認定」を持っている人を選ぶほうが、力になってもらえることも多いでしょう。

行政書士の業務範囲

行政書士の業務範囲は、次のようになっています。

公官署に提出する書類の作成
権利義務に関する書類の作成
事実証明に関する書類の作成
その他、行政書士法附則第2項などに規定された特定業務

基本的に、“公(おおやけ)な手続きで使う書類の作成”が、行政書士の業務範囲と言って良いでしょう。

行政書士の借金解決(時効援用)

借金問題で行政書士に頼れるケースとしては、「時効の援用」が挙げられます。

債務の消滅時効の援用は、

「最終返済(≒時効の起算点)から、一定期間(条件により5年または10年)が経過した債務を、時効で消滅させる手続き」

です。
これに必要な権利事実の調査、個人信用情報の確認などや、時効援用通知書の作成を行うことが出来ます。

「任意代理人になれるかどうか」も大きな違い

弁護士、司法書士、行政書士の違いで、借金問題でとくに注目したいポイントには、「任意代理人になれるかどうか」もあります。

任意代理人とは、「本人の承認のもと、一部の代理権を有する人のこと」とされています。本人の代理として、各種の法的手続きや権利を執行できる人です。

債務整理や時効援用では、弁護士・司法書士が任意代理人となれます。(※司法書士は、簡裁代理認定を持ち、かつ債務が1件あたり140万円以下の場合のみ)

任意代理人になってもらえると、次のような事ができます。

「受任通知」の発送による、最短即日での取り立てストップ
個人再生や自己破産など、本人に代わって手続きを進める
任意整理で、本人に代わって債権者と交渉する
時効援用で、弁護士・司法書士の名義で「時効援用通知書」を発送できる

…つまり、「取り立てを止めてもらえる」「手続きをほとんどお任せできる」という事です。

相談を受けることも、弁護士・司法書士・行政書士の業務

弁護士・司法書士・行政書士、それぞれ幅広い業務があり、債務整理や時効援用も、その中の一つです。

また、こうした手続きを淡々と進めるだけでなく、困っている人の相談に乗ることも、弁護士や司法書士、行政書士の、大切な業務の一つとされています。

だからこそ、無料相談だけでも、役に立つアドバイスをもらえたり、親身になって相談に乗ってもらえたり…と、得るものが大いにあります。

返済や支払に困っていたり、取立てを受けて悩んでいる方は、この機会に、まずは無料相談だけでも行ってみましょう。

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--脚注、参考資料--
[1]法務省:司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定 link
[2]弁護士法 - 日本弁護士連合会 link archive
弁護士の業務範囲 (吉田秀平 しぶや総和法律事務所 東京第一弁護士会 第48725号) link archive
司法書士の業務範囲 (九州大学教授 七戸克彦) link archive
行政書士の業務 - 日本行政書士会連合会 link archive

-弁護士・司法書士

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