私たち日本人には、古くからの伝統的な価値観が備わっています。
「波風を立てない」
「世間を騒がせない」
「和を尊ぶ」
“日本人の美徳”とも評価される、大切な価値観です。
こうした考え方を一人一人が持っているからこそ…。
たとえ大災害に見舞われた時でも、「日本人は秩序を保って行動できる」のであり、世界中から高く評価されているのも事実です。
ですが一方で、この崇い(たかい)美徳精神も、“悪意のある相手に、つけ込まれてしまう隙”になりかねません。
当サイトとしては、こうした日本人の伝統的な道徳観を「かけがえのない文化」と思うが故に、「それを悪用され、つけ込まれてはいけない」と、ささやかながらも警鐘を鳴らしたいと考えます。
「波風を立てない」とは?私たちの“心根”にある価値観
借金やローン、クレジットの取り立てを受けていると、心の中に、こんな気持ちが生まれないでしょうか?
「家族に心配はかけられない」
「周りの人に知られて、噂になったらどうしよう」
「なるべく大きな問題にせず、穏便に済ませなければ」
つまり、“波風を立ててしまうこと”を、避けたいと思う気持ちです。
「波風を立ててはいけない」と、子供のころから教わってきた私たちには、多かれ少なかれ、誰にでも備わっている価値観だと思います。
ですが、借金問題・債務問題においては、こうした“日本人の普遍的な価値観”を、逆手に取られてしまう恐れもあるんです。
悪徳業者のささやき…「弁護士なんて、大変でしょう?」
当サイトでは、どんな督促を受けている場合でも、“督促の電話や訪問に自分で対応せず、弁護士・司法書士を通すこと”を強く推奨しています。
※その理由については、こちらの記事をご覧ください。
しかし、自分で対応してしまった場合、相手業者にこんな事を言われる場合もあるでしょう。

『弁護士なんて大げさな事は、〇〇様もご希望なさらないですよね。』
まるで、「弁護士に依頼することは、大げさな事である」「波風を立ててしまうから、やめたほうがいい」という雰囲気です。
本来、返せない借金や債務の問題は、“弁護士・司法書士に依頼して解決する”のが筋道です。そのために、債務整理という『借金減額・免除の手続き』が、『合法的な国家システムとして』整備されています。
ところが、「波風を立てない」「世間を騒がせない」という日本人の美徳を逆手に取られて、『弁護士に依頼すると大変な事になる』と言われてしまうと、「確かにその通りだ」と思ってしまいます。
『弁護士・司法書士に相談なんて、波風を立ててしまうから、やめておこう』
『そんな大騒ぎにするのは、やっぱり良くない」
その結果として、法律事務所を避けてしまいます。
“弁護士・司法書士に依頼すれば、返さなくて良くなる部分”、さらには“すでに時効消滅しており、返済しなくて良い借金”まで、請求され続けてしまう事になります。

実際には、大騒ぎになりません
「弁護士に依頼すると大変なことになる」
「弁護士・司法書士に相談することは、穏便ではない方法だ」
こうしたイメージは、債務整理にはまったく当てはまりません。
離婚調停などの、一般人同士の“民事紛争”なら、確かにイメージ通りでしょう。
ですが、“債務整理”は“紛争”ではありません。
単純に『国が作った、合法的な“手続き”』です。
だから、債務整理で相手と大きな争いになることは、まずありません。
また、弁護士・司法書士には、法律などで“厳しい守秘義務”も課せられています。債務整理の相談や依頼をしたところで、その事が周囲に知られて、心配や迷惑をかける恐れもありません。
<! リンク掲載予定:弁護士・司法書士の守秘義務に関する記事>
どうせ弁護士に相談しないだろう…悪徳業者の思惑
特に相手が、闇金などの悪質業者の場合、よりいっそうの注意が必要です。
悪徳業者について、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「なぜ明確な違法行為を平気で行いながら、逮捕されないのだろう」
「人道や社会正義にそむく行為を行っている会社なのに、なぜ誰からも怒られないのだろう」
この答えは、“被害に遭った方の大半が、専門家に相談せず、泣き寝入りしてしまうから”だと言われています。
つまり悪徳業者は、こう考えるわけです。

『どうせ相手は、何をしても弁護士・司法書士に相談しないだろう』
逆に言えば、悪徳業者は、“弁護士・司法書士に相談されたらアウト”なんです。にも関わらず、『高額な費用が掛かる』『大騒ぎになる』『大変なこと』という“間違ったイメージ”により、多くの方が相談せずに、泣き寝入りしてしまいます。
それを見越して、悪徳業者は“やりたい放題”にやっているわけです。
弁護士・司法書士に依頼しても、波風は立たない
この記事でお伝えしたいのは、『波風を立てない』という日本人の美徳への批判ではありません。
『波風を立てないように、弁護士・司法書士への依頼をしないのは間違っている』という事でもありません。
“債務整理や闇金対応であれば、弁護士・司法書士に相談や依頼をしても、波風は立たない”という事なんです。
弁護士・司法書士には厳しい守秘義務があるため、周囲の人に知られてしまう事もありません。
また、そもそも債務整理は「手続き」であり、離婚調停のような“民事紛争とは違います。”
実際には、「思った以上に淡々と手続きがすすみ、債務が減額・免除された」という感想を持つ方が多くなります。