闇金被害者が犯罪者になる?犯罪収益移転防止法とは

投稿日:2016年10月9日 更新日:

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「闇金は犯罪にあたる」と、当サイトでは度々お伝えしてきましたが、実は“ソフト闇金やヤミ金から借りること”も犯罪にあたる可能性があるのは、知っていましたか?

『闇金被害者』のはずが、知らない間に『犯罪者』になってしまうことも…。

実際にこれは、裁判所での判例があります。
次にご紹介する判決事例は、闇金に銀行口座のキャッシュカードを渡した被害者が、犯罪者として処罰された事件です。

被告人を罰金30万円に処する。
その罰金を完納することができないときは金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

東京簡易裁判所、平成23年12月27日

また、上記事件の控訴事件について、東京高等裁判所は平成24年5月9日、下記の判決を下しました。

本件控訴を棄却する。

東京高等裁判所、平成24年5月9日

これは、闇金業者に下された判決ではありません。
闇金の“被害者”に下されてしまった判決です。[1]

一体なぜ、こんな事が起きてしまうのでしょうか?
この問題について、詳しく扱っていきます。

闇金業者に、銀行口座を与えてはいけない!

いくつかケースがあると思われますが…。
気を付けたい事例の一つは、“闇金業者に、銀行口座を与える行為”です。

銀行口座を作って、そのキャッシュカードや通帳を渡す
自分の口座のキャッシュカードや通帳を譲り渡す

といった行為を、闇金業者から求められる場合があります。
ですが、これに応じてしまうと、「犯罪収益移転防止法」違反[2]となり、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられてしまいます。

なぜ闇金は銀行口座を欲しがるの?

闇金に限らず、犯罪者・犯罪組織やテロリストは、“足のつかない口座”を必ず欲しがります。

銀行口座には、その口座を使っている人の名前、住所、生年月日などの個人情報が登録されています。マイナンバーも紐づけられるようになりましたね。

どんな犯罪者も、自分の個人情報は隠して、悪いことをしようと企むものです。
なので、自分の名義(=自分の個人情報が登録された)銀行口座は、絶対に使えないのです。

そのため、誰かから不正に銀行口座を譲り受けたり、奪ったり、騙し取ったりしようとするのですね。

なので、もし闇金業者に、銀行口座やキャッシュカード、通帳を要求されても、絶対に渡してはいけません。

結果として闇金犯罪を助長してしまうだけでなく、犯罪収益移転防止法で、あなた自身が罪に問われてしまいます。

携帯電話の譲渡も犯罪になる!?

実は銀行口座だけでなく、携帯電話や、電話機能を持ったSIMカードなどの譲渡も、同じように犯罪とされてしまいます。

闇金業者が、「信用をつけるために」等といって、携帯電話の新規契約を求め、その電話を渡すよう要求する例が多くあります。

これに応じてしまうと、やはり渡した側=闇金被害にあった人が、罪に問われてしまいます。

こちらは犯罪収益移転防止法ではなく、「携帯電話不正利用防止法」違反[3]
根拠になる法律が違いますが、“被害者のはずが犯罪者になってしまう”のに変わりはありません。

自分は大丈夫!…と思っていませんか?

「闇金なんて、自分は大丈夫」。
「そんな明らかに怖そうなところ、絶対に使わない!」

…と思っていませんか?
実は、そう考えている人ほど、注意が必要です。

近年では、闇金業者の手口も非常に巧妙化しています。
「ミナミの帝王」や「うしじまくん」に出てくるような、いかにもな闇金業者は、今やほとんどありません。

変わって登場しているのが、

「ブラックでも即日融資」
「総量規制で借りられない方でも100%貸します」
「闇金ではなくソフトな金利です」

と謳い“親切・丁寧”な雰囲気を装う「ソフト闇金」や、そもそも闇金であることを隠している“個人間融資”などです。

こうした特殊詐欺や架空請求・悪徳ビジネスに詳しい弁護士、村千鶴子先生[4]によると、お金に困っている人ほど闇金の甘い誘惑に負けてしまうそうです。

闇金や特殊詐欺について、しっかりした知識を持つこと
少しでもおかしいと感じたら、すぐに弁護士・司法書士に相談すること
銀行口座や携帯電話は、絶対に譲ったりしてはいけないこと

こうしたポイントを抑えて、自分の身を守っていきたいですね。
少しでも闇金や悪質業者と関わったら弁護士や司法書士に相談して、一日でも早く縁を切りましょう。
ヤミ金やソフト闇金の悩みを無料相談できる弁護士・司法書士

 

脚注、参考資料

-闇金

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