奨学金の返済が苦しい・終わらない…“死後まで続く”場合もある!

投稿日:2016年11月1日 更新日:

この記事の簡易まとめ
  • 奨学金をこつこつ返還しても、永遠に終わらない場合がある
  • 毎月の返還額が足りないと、膨れ上がる延滞金に相殺されてしまい、元金が減らない
  • 奨学金を返しているつもりで、ただ延滞金だけ払い続ける事に
  • 返還を終わらせるためには、まとまった額の支払いが必要
  • まとめて払える余裕がない場合、プロに解決策の相談を

 

奨学金の滞納について、きわめて興味深い事例が、奨学金問題を扱う書籍に掲載されていました。[1]

「奨学金を少しずつ返還しているのに、いつまで経っても終わらない」

そんな男性の事例です。
計算により、”死後も返還が残り、遺族が返還を抱える”可能性も指摘されています。

「少しずつでも毎月返還していけば、いつか必ず終わるはず」

そんな考えは、”間違い”なのでしょうか?
この記事で、検証してみたいと思います。

奨学金の返還が、死んでも終わらない事例

まずは、返還が『死んでも終わらない』計算になる事例について、少し詳しく見てみましょう。内容を簡単にまとめてご紹介します。

奨学金の返還が終わらない!実在の事例

約380万円の奨学金の返還を抱えた、30代の男性

〇厳しい生活に追われながらも、十数年間かけて、毎月5000円を返還してきた

〇生活の苦しさから、精神不安定になり、心療内科に通院した時期も

〇『返済猶予』も受けたが、猶予期間も使い切ってしまった

〇しかし、毎月少しずつ返還しているのに、未払い元金が減らない


「毎月5000円」ではありますが、十数年をかけて返還し続けている男性。
それにも関わらず、”未払い元金=残りの返還額が減らない”…。

この理由を、同書は次のように解説しています。

奨学金の返還が終わらない理由

〇未払い元金に対して発生する、”延滞金”が原因

〇返済はまず延滞金の支払いに充てられ、余りがあれば元金返済に充てられる

〇毎月5000円では「延滞金を払うだけ」にしか足りず、元金は減らない

〇元金が減らないため、延滞金が増え続けてしまう

〇このままのペースだと、仮に80歳まで払い続けたとしても、残元金と延滞金あわせて800万円の借金が残ってしまう

〇元金を減らすためには、毎月3万2000円の返還が必要


毎月5000円の返還では、”増え続ける延滞金を相殺するだけ”で終わってしまい、元金は減らないんです。
元金が減らなければ、翌月にはまた延滞金が増えます。

つまりこの男性は、『毎月5000円、奨学金を返還していた』つもりで、実際には『延滞金だけを延々と払い続けていた』ことになります。

それでも延滞金が減ればまだ良いほうですが、場合によっては、”払っているのに増え続ける”パターンもあり得ます。

図解01_借金が増えてしまうケース

こうなると、いつまでも返還が終わりません。

死んでも返還が終わらなかった場合、遺族に請求が…

さきほどの事例では、「80歳になっても、奨学金の返還が終わらない」となっていますが…。

ところで年齢にかかわらず、奨学金の返還が残ったまま死亡した場合は、どうなるのでしょうか?

日本学生支援機構には本人が死亡したときに『返還免除』を願い出ることが可能になっていますが、両親など連帯保証人がちゃんと手続きをしなかった場合は、奨学金返還は免除されず連帯保証人に請求されます。

しかも驚愕なのは、本人が死亡してから10年という月日が流れ、忘れた頃に、延滞金を上乗せし多額の請求がきたというケースもあります。

わずかな年金で暮らす釧路市のAさん(80歳)夫妻は昨年3月、日本学生支援機構から265万円の支払いを求める法的手続きを起こされて驚愕した。
10年前に病死した息子の「奨学金」だった。支援機構から長年連絡はなく、寝耳に水だった。
265万円の内訳は、残元本が107万、それに150万円もの延滞金(年10%)が加算されていた。
支援機構には「死亡免除」規程があるが、「手続きがされていない」「延滞した場合は適用できない」などと拒否、全額返せと言い張るばかり。
「死ぬまで払っても終わりません。どうすればいいのか」とAさん夫妻は嘆く。

出典:本人が死亡してもなお多額の延滞金をつけて老いた両親から取り立てる日本学生支援機構:MyNewsJapan link archive1 archive2

奨学金の滞納には、返せる範囲で少しずつ…が通用しない?

”80歳まで払い続けても、奨学金の返還が終わらない”

たいへん、衝撃的な事例です。

おそらくこの男性は、たいへん誠実で、まじめな方なのだと思います。

「自分が借りた奨学金だから、少しずつでも返還しなければ」

…そんな気持ちをもって、苦しい生活の中でも、頑張って毎月5000円を払い続けているのでしょう。
しかしそれは、増え続ける延滞金の前には、まさに”焼け石に水”でしかなかった…。

本当に、複雑な気持ちにさせられます。

「返せる範囲で、少しずつ」が、奨学金の返還には通用しないということを意味しているのでしょうか…

どうすればいい?奨学金の返還を終わらせるために

「少しずつ返したところで意味がない?」
「返せる範囲で返還は、奨学金には通用しない?」

それでは、どうすれば良いのでしょうか。
意味がないから、延滞金に消えるだけだから…と返還をやめてしまえば、”たったの9か月で差し押さえ”です。


かといって、延滞金を解消しなければ、返還猶予も認められません。本人が死亡しても、返還免除も受けられません。


「まずはお金を払って、延滞金を解消し、救済措置を受ける」


…それも確かに選択肢の一つでしょう。
ですが、
『返還期限猶予』では、元金返還額も利息も一切減りません。
『減額返還』は滞納があれば申請できません。
『返還免除』は、本人死亡などの重大なことが無ければ、認められません。

「1級障害を負い、救済措置を求めたのに、認められず裁判に訴えられた」という事例もあります。
この事例については、以下の記事でご紹介しています。


「延滞金だけ払っても、根本的な解決にはならない」と言えます。
まして、「一円もお金に余裕がない」「日々の生活で精いっぱい」という場合は、どうしようもないのでしょうか?
ただ法的手続き・差し押さえを受けるのを、待つしかないのでしょうか?


実は、ほかにも方法があります。

『お金がない』
『生活に余裕がない』
『延滞金の解消もできず、返還猶予も受けられない』

そんな場合でも、”今すぐ無料で始められる手続き”です。
それが、”国の認めた法的救済=債務整理”です。

サラ金や消費者金融などの借金の減額方法として知られていますが、実は、”奨学金も債務なので債務整理の対象になります”

個人再生など、”破産せずに返還額を減額する手続き”もあるので、専門家に相談してみるとよいでしょう。
奨学金が返せない、返還できない…債務整理で解決する方法

 


---脚注---
[1] 『日本の奨学金はこれでいいのか! ―奨学金という名の貧困ビジネス』 奨学金問題対策全国会議・編 あけび書房 ISBN-10: 4871541177 ISBN-13: 978-4871541176

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