奨学金の未払いで差押えを受けると人生終了!その理由とは?

投稿日:2016年11月1日 更新日:

★この記事を読んでわかること
  • 奨学金の返還を滞納し、差し押さえ(強制執行)を受ける人が急増中。数年前の120倍にも。
  • 差し押さえを受けると、給与や口座の預貯金なども強制的に回収される恐れが。差押禁止財産として保護されるのは、最低限の範囲内のみ。
  • 日本学生支援機構に返還期限猶予や返還免除を相談しても適用されず、法的措置に訴えられた事例もある。
  • 時効援用や債務整理など、法律の専門家による返還の減額・免除の方法もあるため、差し押さえを受ける前に、無料相談で検討を。

奨学金返還の悩みを、無料相談から解決する方法を、こちらの記事でまとめています。

 

奨学金の返還を滞納すると、およそ9月ほどで法的措置となり、裁判で負ければ(滞納しているかぎり勝ち目は無いでしょう)強制執行を受ける恐れがあります。

強制執行とは、簡単に説明すれば、「約束したお金を払ってくれない相手に対して、その財産を差押えにより回収する手続き」と言えます。

『強制執行(差し押さえ)を受けると人生終了』と言っても過言では無いくらい、生活再建が非常に難しくなります。今回は、この話について詳しく掘り下げたいと思います。

奨学金の滞納で差押えを受ける人は、ここ10年で120倍に急増

奨学金の滞納がある場合、差し押さえ(強制執行)は、決して他人事ではありません。
「奨学金は教育のためのもの。サラ金とは違うのだから、そんなに酷いことにはならないはず」
といったイメージもあるかもしれません。
ですが、奨学金の滞納で差押えを受ける人は、ここ10年で120倍に急増している事が、新聞で報じられています。

日本学生支援機構から奨学金を借りた人が返せなくなり、給料の差し押さえなど強制執行にまで進むケースが急増している。

(…中略…)

支援機構は債権回収会社(サービサー)への外部委託をするなど、奨学金の回収業務を強化している。

出典:奨学金返還「人生のリスク」10年で強制執行120倍-東京新聞 2017年2月22日 朝刊 archive

こちらの東京新聞の報道では、“2005年から2015年までの10年”でカウントされています。
現在はさらに年数が経っているので、「奨学金の滞納で差押え」になる人は、さらに急増していると考えても良いでしょう。

その理由は、日本学生支援機構による「督促・回収の強化」とも報じられています。滞納者に対する差し押さえが急増しているのも、その一環だと考えられます。

奨学金の滞納で差し押さえを受けると人生終了?その理由とは

それでは、奨学金の滞納で差押えを受けると、どうなるのでしょうか?
答えを一口にまとめると、“人生終了”とも言えるでしょう。

差し押さえの対象になるのは、車や土地など、高価な財産だけではありません

強制執行による差押えの対象になるのは、家や土地、車、高価な貴金属や装飾品、株券や証券といった、高価な財産だけではありません。

勤務先からの給与(正社員・非正規関係ない)
自営業や個人事業主の場合、売掛金
生活のための預貯金など
アパートなどの敷金を返還請求する権利

こうしたものも、差し押さえられてしまう恐れがあります。

給与の差し押さえで、仕事=収入にも影響が出る恐れも

職場から受け取るお給料
個人事業主、自営業などの売掛金

こうしたものは第三債務者である雇用主や取引先に対して執行されます。

給与の差し押さえであれば、職場に対し裁判所から債権差押命令が送達されます。公務員、正社員、非正規社員、アルバイトやパートなど関係ありません。
また、売掛金であれば、取引先の企業や顧客に対し、債権差押命令が届きます。

それによって相手に大きな迷惑をかけてしまうことになるので、あなたの信用を損ねることにも繋がるでしょう。

預貯金などの生活費も、差し押さえの対象になることも

「今後の生活のために」
「いざという時のために」
「老後の生活のために」
…など、決して贅沢ではない理由で、貯金をしている方も多いでしょう。ですが、こうした預貯金も差し押さえの対象になってしまいます(債権執行)。

差押禁止財産で守られるのは、1~2か月の生活に必要な最低限

差し押さえ(強制執行)には、“差し押さえられない範囲”も確かに法律で定められています。(民事執行法第131条 差押禁止動産民事執行法第152条 差押禁止債権)

ですが、こうした法律で守られる財産は、本当に最低限。
一例として、「民事執行法第131条 差押禁止動産」の条文を見てみると、『一か月分の食料・燃料』『2か月分の最低限の生活費』など、直近1~2か月分の最低限の生活しか、守られないことが分かります。

日本学生支援機構に返還猶予や返還免除を相談しても、法的手続きをとられた事例も

差押えを受けると、人生に大きな傷を負ってしまいます。
そして、差押え(強制執行)など法的措置による奨学金の回収は、確かに厳しくなっているようです。

奨学金を返すのが苦しい場合、返還期限猶予や返還免除など、日本学生支援機構に相談ができる事になっています。ですが、こうした相談をしたにも関わらず、裁判など法的措置に訴えられてしまった事例もあります。


1級の障害を負ってしまい、就労困難となり、『日本学生支援機構』に助けを求めたにも関わらず、“法的手続きに訴えられた”

障害1級で、働くことができません。機構から裁判を起こされ、免除の申請をしました。免除の事由には該当すると思いますが、障害が発生する前に延滞金が生じていたとして、免除を認めてくれません。

出典:奨学生の声 | 奨学金問題対策全国会議 archive

本人が死亡したにも関わらず、遺族に対して、本人の死後8年も経ってから数百万円の請求が起こされた

12年秋、北海道の港町に暮らす夫婦のもとに、265万円の一括返還を求める督促状が届いた。39歳の息子を膵臓(すいぞう)がんで亡くし、8年がたっていた。「なんで、いまごろ」。

(…中略…)

延滞金は死後の分も含まれていた。

出典:奨学金受けた息子亡くし8年、夫婦に265万円の督促状:朝日新聞デジタル archive

こうした報道や報告を見ると、奨学金の返還免除や返還猶予は、そう簡単には利用できない傾向にありそうです。

『債務整理』や『消滅時効の援用』で強制執行(差押え)を回避し、奨学金返還を減額・免除する方法も

奨学金の返還を滞納していて、督促状や催告書などの通知書が届いた場合は、法的措置(支払督促や訴訟)をとられる秒読み段階に入っていると言っても過言では無いでしょう。

日本学生支援機構による返還猶予や返還免除は、奨学金が返せない場合の解決方法としては、あまり頼れない場合もあることは、既にご説明したとおりです。

ですがそうした場合も、『債務整理』や『時効援用』といった手続きによって、奨学金の返還を減額・免除できる可能性があります。

時効援用による返済義務の消滅

最終返済から一定の年数が経っている場合、「債務の消滅時効の援用」を行うことで、返済義務を帳消しにできます。
奨学金の場合は、時効は10年となります。

債務整理による返済の減額・免除

時効援用ができない場合も、「債務整理」によって奨学金返還を減額、免除できる可能性があります。

任意整理による遅延損害金や将来利息のカット&残債の分割
個人再生による大幅減額(5分の1~10分の1程度)&残債の分割
自己破産による返還の全額免除

債務整理、とくに自己破産については、報道などで悲劇的に扱われがちですが、実際には悲惨な手続きではありません。
奨学金を含め、他の全ての借金の返済義務がなくなるため、借金の整理効果が最も高い方法です。

★債務整理や時効援用で奨学金の滞納を解消するために

「債務整理」や「消滅時効の援用」について検討するために、まずは法律の専門家である弁護士・司法書士に相談したほうが良いでしょう。

奨学金の滞納だけでなく、他の借金やクレジットカードなどの延滞も、あわせて解決を相談できる
実際の手続きを依頼すると、最短即日で取立てをストップできる

など、弁護士や司法書士を頼ることには、さまざまなメリットもあります。

特に奨学金の場合、「機関保証制度」を利用しているか等、一人一人の事情によっても、より良い解決方法が異なります。
そうした判断のためにも、まずは、債務整理や時効援用に強い弁護士・司法書士の無料相談を活用してみましょう。

奨学金返還の悩みを、無料相談から解決する方法を、こちらの記事でまとめています。

 

強制執行・差し押さえとは?財産の“強制回収”です

最後に改めて、差し押さえ(強制執行)について、おさらいしておきましょう。
強制執行には、『債権差押え手続き』『動産差押え手続き』『不動産差押え手続き』があります。奨学金だけでなく、ローンや借金の回収、また、個人間でのお金のトラブルの解決方法としても使われる手段です。
一般的には、裁判などを経て出た判決が債務名義となり、それをもって強制執行の申し立てを行う流れになります。

裁判や差し押さえの申し立ては、比較的かんたんにできる

法的手続きというと、複雑な手順や高額な費用…といったイメージもあります。ですが実際には、書類だけで申し立てできる『支払督促』や一期日で判決がでる(債務名義が確定する)『少額訴訟』など、様々な手続きがあります。

さらに奨学金の場合、督促を行うのは『日本学生支援機構』だけでなく、業務を委託されているのは、『エムユーフロンティア債権回収』『アルファ債権回収株式会社』『日立キャピタル債権回収』といった債権回収会社もあります。

こうした組織にとって、法的手続きは、さしてハードルの高いものではありません。
実際に、『日本学生支援機構』の事業報告書によると、一年間で32,564件の法的手続きが執られています”。

日本学生支援機構による法的処理実施状況 (平成26年度)
支払督促申立予告 16,707件
支払督促申立 8,495件
仮執行宣言付支払督促申立 1,960件
強制執行予告 4,436件
強制執行申立 646件
強制執行 320件
合計 32,564件

出典:平成26年度業務実績等報告書-日本学生支援機構 archive

これは、一日当たり平均89件の法的処置が、奨学金の滞納者に対して行われていることを意味します。

冒頭でご紹介した東京新聞報道にある数字は、この中から「強制執行に至った人」の数だと思われます。全員が強制執行に至っているわけではありませんが、「裁判所に訴えられた」だけでも、これだけの人数がいるということです。
また日本学生支援機構は滞納奨学金の回収を、督促のプロである債権回収会社に委託しています。

奨学金の回収を取り扱う債権回収会社に関する記事一覧

差し押さえられない財産(差押禁止財産)があっても、強制執行を甘く見てはいけない理由

「差押禁止財産」について、補足的な解説を加えていきます。
差押禁止動産や差押禁止債権を決めた「民事執行法」が、昭和54年に作られた古い法律、というのも、実は注意しておきたいポイントです。

たとえば、「差押禁止動産」で列挙されている項目の中には、農業・漁業や職人などの仕事に必要な器具も含まれています。当時はまだ、農業や漁業などで生活する人が、今よりも多かったからでしょう。

ですが現在の社会生活に必要不可欠な、たとえばスマートフォンや携帯電話といったものは、差押禁止動産の条文には明記されていません。法律の作られた昭和54年には、こうしたものは無かったからです。

このような点を見ても、「差し押さえられない財産が法律で決まっているから」と、差し押さえ(強制執行)を甘く考えてはいけないことがわかります。

差し押さえを受ける現実の厳しさ…本当に“人生終了”になった事例も

差押えを受けて、本当に“人生終了”となってしまった方の、痛ましい事件もあります。

2016年10月23日に発生した、『宇都宮市連続爆発事件』の容疑者も、「差し押さえを受けて、生きていけなくなり、人生に絶望してしまったこと」が犯行動機でした。

この事件を見ても、差し押さえを受ける現実の厳しさが、よくわかります。


そして、冒頭でご紹介した通り、こうした強制執行さえが、奨学金の延滞者に対しても、次々と執行されているのが現実です。

差押えを受けて、どうしようもなく人生終了になってしまう前に、法律の専門家に、債務整理や時効援用の無料相談だけでも行っておくほうが良いでしょう。

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この記事の参考資料:
裁判所 債権差押命令申立手続きについて
厚生労働省 生活保護制度
宇都宮市連続爆発事件 wikipedia

 

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