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- 支払督促が届いて、「時効援用」を理由に異議を申し立てたい…これで本当に返済が消える?
- 相手に対抗され、裁判になってしまう恐れも。
- 複雑な制度なので、必ず弁護士や司法書士に無料相談を。
この記事では、裁判所から届いた支払督促に対して、債務の消滅時効の援用(時効援用)を用いて異議申し立てをする方法について解説していきます。
支払督促と時効援用については、ひとまず次のポイントを把握していれば大丈夫です。
支払督促 | 裁判所から届く特別な督促状。無視すると差し押さえを受けてしまうが、異議申し立てをすると民事訴訟に移行する。 |
時効援用 | 借金などの返済義務を、時効を主張することで消滅させる手続き。 |
「よくわからない」という人も、順を追って解説していくので、安心してお読みください。
時効援用で支払督促に異議申立てしたい!体験談ストーリー
さて、今回の話は、かなり複雑な事情になっています。
そこでまずは、わかりやすさのために、体験談ストーリー風に話を進めていきたいと思います。
少し長くなりますが、気軽な小説を読む気分でお楽しみください。
田中さん | 40代のサラリーマン。若いころに遊びすぎて借金を作り、返済をせずに忘れていたが…? |
奥山司法書士 | 債務整理や時効援用に強い司法書士。全国対応で無料相談を受け、何千件もの案件を解決してきた大ベテラン。 |
何年も前の借金なのに…ある日突然、裁判所から特別送達が!
田中さんは、都内の商社で働くサラリーマン。奥さんと娘さんと3人で暮らしています。
しかし田中さんには、家族に絶対にバレたくない“ある秘密”が…。
実は、若いころに遊びすぎて借金を作ってしまい、返せずにずっと放置しているのです。
しかし、取り立てはもう何年も来ていません。
どうせ相手も諦めたのだろう。
そう思って、田中さんはずっと油断していました。
しかしそんなある日、田中さんの家に、裁判所から特別送達が届きました。
--田中さんの奥さん:
「あなた、それなあに?」
--田中さん:
「いや、仕事の書類だよ。気にしないで。」
ウソをついてごまかしたものの、田中さんは真っ青です。
なぜなら、裁判所から特別送達で届いた郵便は、“支払督促”。
田中さんがずっと放置していた借金の、取り立てが再開されたのです。
どうすればいい?支払督促、異議申立て…ネットで調べた結果
田中さんは、すぐに特別送達の中身を確認しました。
支払督促…間違いなく、何年も前に踏み倒した、あの借金の取り立てです。分厚い封筒のなかには、「督促異議申立書」も入っていました。
この督促異議申立書を書いて出せばいいんだろうか?
でも、もし間違えていたら、どうなってしまうんだろう?
田中さんはすぐに、google検索で調べてみました。
- 支払督促 どうすれば
- 支払督促 異議申立書 書き方
- 支払督促 流れ
- …
いろいろ調べていくうちに、次のようなことがわかりました。
支払督促は、ただの督促状ではなく、裁判所を通して発せられる“法的措置”。
無視すると相手の言い分が認められて差し押さえに。
異議申立をすると、民事訴訟に移行する。
--田中さん:
「大変なことになったぞ…。どうやら俺は、昔の借金の踏み倒しで、裁判所に訴えられてしまったらしい。」
「無視して逃げ出したい…でも、そうすると差し押さえか…。
しかし、異議申し立てをすると民事訴訟に移行する、と裁判所のホームページにも書いてある…。」
出典:支払督促-裁判所
もしも裁判や差し押さえになったら…。
大切な奥さんや娘さん、会社や仕事のことを考えると、裁判や差し押さえは絶対に避けたい…田中さんはそう思いました。
しかし、無視すれば差し押さえ、異議申し立てをすれば裁判…。どちらに転んでも、大変な事態は避けられません。
時効援用で異議申し立てをすれば大丈夫?田中さんの予想
なにか方法は無いか…と、田中さんは、さらにネットで検索を続けました。
すると、「時効援用」という制度があることもわかりました。
--田中さん:
「最終返済から5年経った借金は、時効で返さなくて良いのか!俺の借金も、この“時効援用”で何とかなりそうだぞ!」
「なになに…時効になっている借金でも、支払督促が来ることがある…まさに俺のことじゃないか!…なるほど、異議申立書で、時効援用を主張すれば良さそうだな。」
“異議申立書で、時効援用を主張すればよさそうだ”
調べた結果、田中さんはそう考えました。
さっそく異議申立書の書き方を調べ始めます。
支払督促 時効援用 異議申立書の書き方
…しかし、google検索の結果を眺めながら、田中さんはふと不安になりました。
--田中さん:
「会社の仕事だって、経験のない新人を、いきなり一人で商談に向かわせたりしない。経験豊富なベテランが一緒に行くものだ。これだって同じじゃないのか?」
冷静にそう考えて、田中さんは、債務整理や時効援用に詳しい司法書士に、電話で無料相談をしてみました。
司法書士に相談した結果、意外な事実が判明!
--田中さん:
『…というわけで、時効援用できるんじゃないかと思うんですけど、先生、これで合ってるでしょうか?あとは異議申立書を書けばいいんですよね?』
支払督促が届いた翌日、仕事中にこっそり抜け出して、田中さんは司法書士に無料電話相談をしていました。相談の相手は、債務整理や時効援用のベテラン、奥山司法書士です。
--奥山司法書士:
『いえ、それが田中さん。時効援用は、そう単純なものではないんです。きちんと確認しないと、かえって時効援用できなくなってしまう恐れもあるんですよ。』
--田中さん:
『え?そうなんですか?』
--奥山司法書士:
『まず、“本当に時効になっているか”という問題があります。債務の消滅時効って、5年経てば絶対に時効になる…というものではないんですよ。』
司法書士の説明は、次のような内容でした。
5年以上前の借金でも、まだ時効になっていない可能性もある
時効の中断(更新)により、途中で起算点(時効のカウントが始まる日)が変わっている場合がある
きちんと事実を確認せずに、督促異議申立書で時効援用を主張すると、相手が対抗要件を備えていた場合に、裁判での争いになる恐れもある
--奥山司法書士:
『…なので、しっかりと調査させて頂いて、事実を確認して、方針を立てて対応していく必要があります。』
--田中さん:
『そうなんですか…。てっきり、異議申立書に“時効を援用します”と書いて出すだけで、裁判にも差し押さえにもならずに、借金が消えると思ってました。けっこう難しそうですね…。』
--奥山司法書士:
『大丈夫ですよ。そう気を落とさないで下さい。田中さんは、事前にこうしてご相談頂いただけでも、ご立派ですよ。自分で判断して異議申立書を書いてしまい、失敗される人もたくさんいますから。
それに、事実をしっかり確認して、法律にもとづいて対応すれば、ちゃんと解決できますよ!』
こうして田中さんは、奥山司法書士に解決を依頼。
家族や職場にもバレずに、裁判や差し押さえを回避し、時効援用で返済をゼロにできました。
時効援用も支払督促も、そう単純なものではない
いかがだったでしょうか?
このストーリーは、いくつかの実際の事例をもとに、当サイトにて創作したフィクションです。
ですが、“田中さん”と同じように、「督促異議申立書で時効援用を主張すれば、裁判も差押えも回避できて、返済がゼロになる」と考えている人も、多いのではないかと思います。
しかし実際には、そう単純な話ではありません。
時効援用も、支払督促も、どちらも厳格な法律にもとづく手続きです。
弁護士や司法書士であっても、不慣れな先生だと、間違えて裁判所書記官から注意を受けることもあるようです。法律のプロでも、慣れていなければ、うまく対応できないほど難しいのです。
それでも自分で督促異議申立書を書きたい!時効援用の場合の書き方は?
ここまでの内容を、まずは簡単にまとめましょう。
支払督促の異議申立書に、「時効の援用をする」と書けば良いわけではない
厳格な法律にもとづく手続きであり、普通の人が自分で対処するのは難しい
時効の中断など、相手が対抗要件を備えていた場合、裁判での争いになってしまう恐れもある
本当に時効が過ぎているか?など、弁護士や司法書士にしっかりと確認してもらう必要がある
対応方法についても、弁護士や司法書士によく相談して決めるほうが良い
こうしたポイントをもう一度ご確認いただいた上で、「時効援用での、督促異議申立書の書き方」を、参考としてご紹介したいと思います。
★【注意!】正しい書き方をすれば、裁判や差し押さえを回避できる…という手続きではありません
支払督促の異議申立ては、「正しい書き方をしても、裁判や差し押さえになる」恐れがあります。
相手が「こちらとしては、時効はまだ成立していないものと認識します」等と反論し、裁判に持ち込まれる
時効の起算点などを誤認しており、事実はまだ時効が成立していない
…など、いろいろな事例があります。
“督促異議申立書を正しく書けるか”と、“裁判や差し押さえを防げるか”は、まったく関係がありません。
不正確な書き方をすれば、リスクは高くなります。
ですが、どれだけ書き方が正しくても、「正確な事実確認」や「相手の反論に対する備え」等ができていなければ、何をどう書こうとも、裁判や差し押さえのリスクは低減できません。
以上の内容をご理解いただき、同意される方のみ、以下の「消滅時効の援用での、督促異議申立書の書き方」をお読みください。
すでに異議申立書を出してしまった人も、すぐに弁護士や司法書士に相談を
注意書きが長くなりましたが、消滅時効の援用での督促異議申立書の書き方は、それ自体はシンプルです。
《時効援用での、督促異議申立書の書き方》
「分割払いについて債権者との話し合いを希望します」の欄にチェックしない
(毎月 円くらいずつ)の欄も記入しない
「最終弁済(○○年○月○日)より5年以上が経過しているため、消滅時効を援用する」と記入
基本的には以上です。
しかし、この異議申立ては、最低限の時間稼ぎにしかならないでしょう。
これを受けて、時効成立を認めて、引き下がってくれる債権者ばかりではありません。
「当方としては、当該債権は時効完成に至っていないと認識しています」
…など、時効の成立そのものの認識をめぐって、民事訴訟に発展する可能性もあります。
「こう書けば絶対に時効援用できる」
「こう書けば相手は絶対に反論できない」
といった書き方はありませんから、あらゆる可能性を想定して対処する必要があります。
最終返済日から5年経っていても、時効ではない可能性があります
ネット上の質問掲示板などで、
「最終返済日から5年経っていれば時効だから、支払督促の異議申立書に“時効を援用する”と書けば良い」
…といった説明も見受けられます。
しかし実際には、最終返済日=時効の起算点(時効のカウントが始まる日)とは限りません。
自分が知らないうちに、債務承認をしてしまっている
気が付かないうちに、公示送達などで、債務名義を取られている
…など、最終返済日より後に、時効の起算点が変わっている場合も珍しくありません。
だからこそ、まずは法律の専門家(弁護士・司法書士)にお願いして、時効の事実確認をしてもらう必要があります。