専業主婦や無職でも債務整理は可能?アルバイト・パートでも大丈夫?

投稿日:2018年9月9日 更新日:

この記事では、「専業主婦や無職でも債務整理はできるのか」について、解説していきます。
債務整理とは、借金などの返済や支払が困難になった時に、減額や免除を得られる制度です。「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」といった種類があるのですが、この種類によって、できる条件・できない条件が異なります。

いろいろな条件があるのですが、今回は「無職や専業主婦など、本人の収入が無い場合」に絞って、解説をお届けしていきます。

★債務整理のできる条件・できない条件について

債務整理のできる条件・できない条件について、全体的な解説は以下の記事をご覧下さい。

無収入でも可能?判断が難しい「任意整理」

それでは、債務整理のいくつかある手続きのうち、まずは「任意整理」から見ていきましょう。

任意整理は、

将来利息と遅延損害金のカットによる、返済の減額
残った返済の再分割・返済計画の立て直し

といった効果が主に期待できる手続きです。

また、

裁判所を通さないので、周囲に知られにくい
財産の処分や没収もない
整理する対象を任意に選べる

といったメリットや特徴もあります。

任意整理は無収入でも可能?判断が難しい理由

裁判所の資料「債務整理の手続対比一覧表」[※1]では、任意整理の条件は、「特に決まりは無い」とされています。これを見ると、無職や専業主婦でも利用できそうな気がしますね。

しかし一方で、実際に任意整理を取り扱っている弁護士の見解は異なります。
たとえば、法律事務所ホームワンの解説によると、

任意整理をする場合には、まず原則として、安定した収入があることが必要です。また、収入から、必要生活費を差し引いた金額(可処分所得)の中で返済を行なっていくため、この可処分所得を充分に確保できることが好ましいです。

出典:任意整理ができる条件 法律事務所ホームワン

とされており、「安定した収入が必要」となっています。


裁判所の解説と、弁護士の解説が異なっているように見えますが、これには理由があります。
というのも、任意整理には“ルールを定めた法律(根拠法)が無い”のです。また、裁判所を介さない手続きのため、「特に決まりは無い」と説明するほかありません。

一方で、現実に任意整理を取り扱っている弁護士としては、

「安定した収入がなければ、減額後の借金を返していく約束を債権者に信じてもらえないので、“現実問題として”難しい

という事になるのでしょう。

任意整理ができなくても、他の手続きで解決可能

弁護士の現実的な解説を見ると、任意整理は、まったく収入がないと厳しそうですね。ただし専業主婦など、本人年収ではなく世帯年収によって判断されるケースも全くないとは言い切れません。

また、仮に任意整理が難しくても、他の方法で返済の悩みが解消できる可能性もあります。
どんな人でも、借金問題は必ず解決できる問題ですので、あきらめずに弁護士・司法書士に相談してみましょう。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

返済を大幅に減額できる「個人再生」…ただし無収入だと困難

続いて、「個人再生」の場合も見ていきましょう。

個人再生は、

すべての債務を1/5~1/10に減額
残った返済の再分割・返済計画の立て直し

といった効果が望める制度です。

財産の処分や没収もない
住宅ローンが残っている場合も、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)で家を残せる可能性がある

などの特徴があります。

個人再生は、収入が無いと利用できない

個人再生の場合、「無職や専業主婦・無収入では利用できない」と、結論がハッキリしています。これは、「小規模事業者再生」「給与所得者等再生」のどちらでも同様です。

というのも、個人再生には、法律や裁判所の基準で定められた、“一定の最低返済額”があるためです。
そのため、収入の見込みが無く、一定の最低返済額の返済ができないと考えられる債務者は、個人再生は利用できません。

「特定調停」は、申し立てはできても不成立に終わる恐れあり

続いて、「特定調停」の場合を見てみましょう。
特定調停は、

返済計画の立て直しができる
弁護士や司法書士に依頼しなくても、自分で行える

といったメリットがある反面、

調停委員を通して、自分で債権者と交渉しなければならない
手続きをしても不成立に終わり、問題が解決できない事もある
減額はあまり期待できず、返済計画の見直しに終わる場合が多い

…といった難しさもあります。
ですので、そもそも「特定調停を選ぶべきか」という問題のほうが浮上してくるでしょう。

申立て自体は、収入の条件は特にないので、無職や専業主婦でも可能性はあります。ただし、申し立てができたからといって、返済の悩みが解決できるとは限りません。

こうした特定調停の持つデメリットとメリットの問題について、次の記事でより詳しく解説しています。特定調停を検討している方は、ぜひこちらもお読みください。

原則として返済全額免除の「自己破産」は、無収入での債務整理に向いている

最後に、「自己破産」についてです。
自己破産は、無収入での債務整理にもっとも用いられることの多い手続きとなります。

原則として返済が全額免除される

という強力な効果を持つためです。一円も返さなくて良くなるのですから、返済能力(=収入の有無)も問われないわけです。

そのため、無職、専業主婦などの収入が無い人の場合、返済・支払いができない悩みの解決方法として、自己破産がもっとも有力な方法になります。

財産もない場合「同時廃止」となるため、財産没収や売却もない

自己破産は収入の有無を問われないほか、一定以上の財産を持っていなければ、「同時廃止」という手続きになります。一口に言えば、“財産の没収がなく、返済の全額免除だけが行われる”タイプの自己破産です(破産法第216条1項)。

“財産を持っていない”といっても、無一文のホームレスという訳ではありません。生活や仕事に必要なものなど、一定以下の所有は認められています。
こうした仕組みについて、次の記事で解説していきます。

収入の無い場合の債務整理は、自己破産になることが多い

結論をまとめると、専業主婦や無職など、収入がない場合の債務整理は、「自己破産」になることが多いでしょう。

「大変なことになってしまう」
「自己破産は絶対に避けたい」

…と、不安になられた方も多いかと思います。
ですが実際には、自己破産は、それほど悪い手続きではありません。

確かに昔は、破産後の生活再建がやりにくい事もあったのですが、現在の自己破産は、2004年からはじまった“新しい自己破産”になっており、生活の立て直しがたいへん重視されています。

たとえば、破産後に手にした財産は、自由に持っていて良いことになっており、自己破産経験者でも財産を再び築けるようになっています。
また、自己破産や債務整理をしても、メディアに騒がれたり、地域で噂になることもありません。

今の自己破産は、「返しきれない返済をリセットして、人生をもう一度やり直す手続き」と言っても良いでしょう。

無職・専業主婦など、収入がない方でも、借金問題の解決は可能です。まずは弁護士や司法書士に、無料相談で話を聞いてみましょう。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

 


脚注
※1 債務整理の手続対比一覧表 裁判所

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