債務整理ができる条件とは?税金・株やFX・ギャンブル浪費だと認められない?

投稿日:2018年9月1日 更新日:

この記事では、債務整理ができる条件について解説していきます。
借金などの返済を減額・免除する“債務整理”。どういった条件なら利用できるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

債務整理で減額・免除できるもの

債務整理は、“借金の減額・免除”と言われますが、借金というとどんなイメージがあるでしょうか?消費者金融(サラ金)や銀行カードローンなどの、文字通り”お金(現金)を借りる”ものを、思い浮かべる方も多いと思います。
ですが実は、債務整理の対象となるのは、これだけではありません。

  • 銀行カードローンやキャッシング、サラ金
  • クレジットカードの返済(リボ払い・分割払い・ボーナス払いなど)
  • 住宅ローンや自動車ローン
  • 奨学金の返還
  • 家賃滞納、携帯電話料金の滞納
  • 債権回収会社や保証会社からの督促・取り立て

こうしたものも、債務整理の対象となります。

債務整理の“債務”とは

債務整理の“債務”という言葉は、実は幅広い意味を持っています。
ざっくりとまとめてしまえば、「何かをする約束」となりますが、一般的には、“お金を払う・返す約束”と考えて良いでしょう。正確には、金銭債務と言います。

44.金銭債務の定義

金銭債務とは、金銭の支払を目的とする債務をいい、これには、支払手形、買掛金、借入金、社債(私募債を含む)等が含まれる。なお、金銭債務は、網羅的に計上する。

出典:TabisLand 金銭債務

借金というと、「現金を借りる」イメージがありますよね。カードローンやキャッシングなどが当てはまります。

ですが、たとえばクレジットカードの一回払いや分割払い、リボ払い、ボーナス払いはどうでしょう?クレジットカードは、現金を手にするわけではなく、商品やサービスを買って、その代金を立て替えてもらう仕組みです。
立て替えてもらった分の代金は、“後から”払っていきます。これも言い換えれば、“クレジットカードでお買い物をする=代金を払う約束をする”という事ですので、金銭債務となり、債務整理の対象になるわけです。

★債務と債権

「債務」の反対となる言葉として、「債権」という言葉も出てきます。こちらは、“相手に何かをしてもらう権利”です。お金を払ってもらう約束があれば、それは「金銭債権」となります。

そのため、たとえば一つの借金には、債権者と債務者の最低2人がいる事になります。

借金を返す人=債務者
借金返済を受け取る人=債権者

となります。
同じ借金についても、返す側の立場でみれば「債務」となり、返してもらう側から見れば「債権」となります。どちらの立場に立つかで、同じものでも呼び方が異なるので、混乱しがちなポイントです。

たとえば、“破産してゼロ円にする借金”のことでも、

債務者から見れば、「持っている債務」
債権者から見れば、「破産者に対して生じている債権」

…といった風に言葉が違ってきます。
当サイトでは、基本的に債務者の立場に立って、「債務」という言葉を使っていきます。ですが、法律用語では、たとえば“破産債権”など、債権者の立場に立った呼び方をしています(破産法2条第5項)。

債務整理はこうした複雑さがあるので、理解がとても難しくなっています。ご自身の悩みについては、必ず、弁護士や司法書士など法律の専門家にご相談下さい。

債務整理できない借金の条件は?非免責債権・非減免債権・免責不許可事由など

債務整理は、“金銭債務(お金を払う約束)を減額・免除”する…と解説しました。ですが、減額や免除ができない条件もあります。そして、この“できない条件”というのが、債務整理の手続きごとに、ずいぶんと違うのです。

債務整理には、「自己破産」「個人再生」「特定調停」「任意整理」といった種類があります。それらの“できない条件”を簡単にまとめると…

自己破産の場合、「非免責債権(破産法第253条)」と「免責不許可事由(破産法第252条)」

個人再生の場合、「非減免債権(民事再生法第229条)」と「一般優先債権(民事再生法第122条1項)」「共益債権(民事再生法第119条」
(※一般優先債権と共益債権については、他の記事で扱います)

特定調停、任意整理の場合は、「非免責債権」や「非減免債権」の基準に基づく
(※個人再生や自己破産と違い、法律の条文に直接書かれているわけではないが、現場での運用上の判断として、破産法や民事再生法の基準が適用されている場合がほとんど)

それぞれの手続きと、どのルールが適用されるかは、次の表のようになります。

  免責不許可事由
・ギャンブル
・浪費
・株やFXなど
…他
非免責債権
・税金など
・一部の損害賠償
・養育費など
…他
非減免債権
一般優先債権
共益債権
・税金など
・一部の損害賠償
・養育費など
…他
自己破産
原則として非免責
※裁量免責で
免責される場合あり
免責できない
ルールとしては適用されないが、実質的に減免不可
個人再生
減免できる可能性あり
ルールとしては適用されないが、実質的に減免不可
減免できない
任意整理
減免できる可能性あり
減免できない
減免できない
特定調停
減免できる可能性あり
減免できない
減免できない

「免責不許可事由」は、債務整理のうち「自己破産」にのみ適用
ギャンブルや浪費、株やFXで作った借金などが当てはまります。自己破産では原則として免責が認められませんが、個人再生や任意整理では、減額が認められる場合があります。
また、自己破産でも「裁量免責」という制度があり、これによって免責が認められる場合もあります。

「非免責債権」は自己破産、「非減免債権」は個人再生に適用
具体的な内容としては、税金や保険料、一部の損害賠償などです。この記事の続きで、いくつか具体的にご紹介します。

任意整理や個人再生の場合、「非免責債権」「非減免債権」の基準が準用
根拠法のない「任意整理」では、自己破産の「非免責債権」や個人再生の「非減免債権」の基準が、実務上の観点から準用されているようです。また、特定調停では「特定調停法」に基づく基準もあります。
それぞれ詳しい解説は、専用の記事で掘り下げていきます。

債務整理ができない「非免責債権」「非減免債権」の代表例

それでは、もう少し具体的に見ていきましょう。
まずは、自己破産の「非免責債権」と、個人再生の「非減免債権」の代表例です。“これはどう頑張っても、債務整理が認められないだろう”という性質のものになります。

税金・健康保険料など(公租公課)や罰金

  • 所得税や住民税、固定資産税などの税金
  • 健康保険料や年金の掛金、社会保険料など
  • 不法行為に対する罰金

こうしたものは、債務整理を行っても減額・免除が認められません。
自己破産の「非免責債権」、個人再生の「一般優先債権」にあたるほか、こうした法的根拠を元に、任意整理や特定調停でも免除が認められない事になっています。

損害賠償(悪意のある不法行為、または重過失による)

損害賠償についても、

  • 悪意によって加えた不法行為によるもの
  • 悪意がなくても、重過失によるもの

…といった条件の場合、債務整理できない条件となります。
債務整理に詳しい松谷健一郎司法書士の解説によると、

  • 暴行の被害者から加害者への損害賠償請求(悪意のある不法行為)
  • 交通事故の損害賠償請求権で言えば、危険運転致死傷罪が成立するような悪質な加害

などが具体手例として挙げられています。

★他にも様々な条件があるが、判断は難しい

この他にも、「非免責債権」「非減免債権」として挙げられているものは、民法に基づく養育費など、様々なものがあります。しかし、具体的に「非免責・非減免にあたるかどうか」を判断するのは非常に難しくなります。
先ほどの損害賠償についても、不法性、悪意の有無、重過失かどうか…など、一つ一つのケースを慎重に判断する必要があるでしょう。

このように、具体的にリストアップして「○○だから絶対に債務整理できない」等と、白黒ハッキリと線引きできないのも、債務整理の難しさの一つです。

そのため、「自分の場合はどうなるのか」といった判断には、債務整理に強い弁護士・司法書士の診断が必要となります。また、実際に免責が認められるかどうかも、裁判官の判断と、弁護士や司法書士の実力次第となる部分も多いでしょう。

だからこそ債務整理は、“債務整理に強い弁護士・司法書士に相談・依頼”することが重要となります。

株やFX、ギャンブルや浪費の借金はどうなる?「免責不許可事由」とは

「株やギャンブル、FX、浪費などで作った借金は、破産できない」

…と、噂程度に聞いたことのある方も多いかと思います。
これは正確に言えば、「自己破産の免責不許可事由」にあたるためです(破産法第252条)。

浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

出典:破産法第252条1項四号

この他にも、

  • 偽の帳簿を作る
  • 裁判所にウソをつく
  • 財産を隠す

…などの行為でも、免責不許可事由として、破産が認められなくなります。

株やギャンブル、FX、浪費などの借金も、実際には自己破産できる

さて、先ほどは「株やギャンブル、FX、浪費などで作った借金は、破産できない」と解説しましたが、現実には、“自己破産できる場合が多い”となります。

これは、“裁量免責”という制度のためです。
法律上は「免責不許可事由」にあたる借金でも、裁判官の判断によって、特別に免責が認められる制度です。

いわば“特別に免責を認める”制度なのですが、実際には多くの場合で、この裁量免責が適用されている様子です。

大阪地裁での平成21年から平成23年までの統計では、免責不許可決定の割合は、0.1%程度だそうです。

出典:松谷司法書士事務所-自己破産しても免責にならない場合(免責不許可事由と非免責債権)

つまり、「免責不許可事由」というルールはあるものの、それが実用されるのは、1000回に1回程度という事です。

ただ、免責不許可事由には、株やギャンブル、投資、浪費などのほか、「手続き上の不正行為」もあります。こうした不正行為による免責不許可は、裁量免責もされにくいと思います。帳簿や家計簿のごまかし、財産隠し、裁判官や弁護士・司法書士にウソをつく…etc、絶対にやってはいけないですね。

自己破産以外の手続きであれば、「免責不許可事由」は問われない

そもそも、「免責不許可事由」というルール自体が、債務整理のうち“自己破産にしか適用されない”という点もあります。個人再生、任意整理、特定調停といった他の手続きでは、免責不許可事由がほぼ関係ないのです。そのため、ギャンブルや株、FXなどの投資や浪費で作った借金でも、個人再生や任意整理なら、基本的に問われません。

債務整理できる条件・できない条件は他にもある?年齢・職業・年収…etc

債務整理できる条件・できない条件について、「債務(借金)の事情や理由」という視点から、ここまで解説を進めてきました。非常に複雑な基準があり、また、弁護士や司法書士の腕次第、裁判官の裁量(判断)次第…という部分もある事がわかりました。

それでは、「借金(債務)の事情や理由」以外には、債務整理できる条件・できない条件はあるのでしょうか?年齢、職業、年収など、何か条件があるのか、気になる方も多いと思います。

この答えは、「手続きによる」となります。
自己破産、個人再生、任意整理、特定調停のうち、どの手続きを選ぶかによって変わります。たとえば「個人再生」の場合、一定の返済は行う前提があるので、収入が不安定な方や、無職・無収入の方は利用しづらくなります。

こうした条件面について、詳しくは次の記事で解説していきます。

“絶対に債務整理できない人”は存在しない…「返せない・払えない」は必ず解決できる問題

債務整理ができる条件・できない条件は、とにかく複雑です。
さまざまな手続きがあり、それによって微妙に異なる複数の基準があり、さらに例外があります。

「私の場合はどうなるの?」
「この返済は債務整理できるの?」

といった判断は、実際に弁護士や司法書士に相談し、診断してもらう必要があります。

ただし一点だけ、はっきりと言えることがあります。
それは、「借金や返済の悩みは、必ず解決できる」という事です。

これは当サイトが大袈裟に言っているのではありません。金融庁のPDF資料である、「多重債務者相談の手引き」にて明記されている内容です。

国の公的機関、しかも金融を取り扱う「金融庁」が、“借金や返済の悩みは、必ず解決できる”と言っているわけです。

ですので、「借金が絶対に無くせない人」「債務整理が絶対にできない人」というのは、存在しません。
債務整理にはいろいろな手続きがあり、ルールや基準があり、条件があります。ですが、そのどれにも当てはまらない人はいないのです。

問題は、「自分の場合は、どの手続きが利用できるのか?どんな条件が適用できるのか?」という、具体的な方法の部分になります。これについては、本当に債務整理に強い弁護士・司法書士の力を借りなければ、判断できません。

そのため、まずは債務整理に強い弁護士・司法書士への無料相談から、借金解決をはじめてみましょう。

「私の場合、どんな条件で解決できそうですか?」
「どんな方法があるでしょうか?」

こうした質問も、無料相談でしっかりと答えてもらえます。

電話・メールで無料相談可能な弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

 

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