任意売却した場合は確定申告や税金(譲渡所得税)はどうなるの?

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★この記事を読んでわかること
(約4分で読めます)
  • 任意売却で売れた家の代金には税金が掛かる?
  • 任意売却をした年はサラリーマンでも確定申告が必要?
  • 任意売却の譲渡所得税とその控除とは?

この記事では、「任意売却をした場合の税金(譲渡所得税)や確定申告はどうなるのか」を解説していきます。

金融機関との合意のもと、まだ住宅ローンが残っているマイホームを売り、その売却代金でローン残債を返済する「任意売却」。
大きな金額が動く“不動産取引”となるため、確定申告にも注意が必要です。

確定申告は、自分の納税額が決まる手続きです。
税金にまつわる仕組みは、特に個人事業主やフリーランスの方は、普段からシビアに気を配っている方も多いかと思います。一方、サラリーマンの場合、普段あまり意識しない人も多いのではないでしょうか。

ただ、普段どのくらい意識しているかに関わらず、税金は“国の仕組み”として、私たちの生活に、強制力をもって影響してくる要素です。

「知らなかった」
「こんなことになるとは思わなかった」

…と、後からいくら言っても、取り返しはつきません。
だからこそ、任意売却にまつわる税金や確定申告の仕組みも、“事前に知っておく”ことが重要です。

★詳しくは、任意売却の専門家に相談を

確定申告や税金にまつわる話は、一人一人の事情によって実際は大きく異なります。
この記事では一般的な解説をお届けしていきますが、あなた自身の場合にも必ず当てはまるとは限りません。
ですので、詳しくは必ず、任意売却の専門家に相談し、アドバイスをもらって下さい。

ちなみに、「確定申告は税金の話だから、税務署や税理士に相談したほうが良いのでは」と思われるかもしれませんね。
ですが、任意売却は特殊な手続きで、確定申告や税金の仕組みも、通常とは異なります。そのため、ふつうの税理士や税務署のスタッフよりも、任意売却の専門家に相談したほうが確実でしょう。
 
また、ネット上の情報にも、間違ったものや、もう終了してしまった制度を説明しているサイトもあります。そのため、ネットで自分で調べるよりも、信頼できる専門家に直接相談したほうが安全です。

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任意売却の売却代金には、税金(譲渡所得税)が掛かるのか

今回のテーマをカンタンにまとめると、次のようになります。

任意売却の売却代金には、税金が掛かるのか?
任意売却の売却代金が発生したら、サラリーマンでも確定申告は必要になるのか?

まずは、最初のテーマから見ていきましょう。

任意売却の売却代金は、課税対象になる?

任意売却は、住宅ローンが残っているとはいえ、“家を売る”手続きです。
家を売って、お金を手にするのですから、売却代金が発生します。
この売却代金は、課税対象になるのでしょうか?

答えを一口にまとめると、次のようになります。

原則として、譲渡所得税の課税対象になる
ただしオーバーローンになった(返済が残った=赤字になった)場合、非課税となる
黒字になった場合も、3000万円までは特別控除がある

現実的には、ほとんどの任意売却がオーバーローンになるでしょう。
そのため、“任意売却で家を売ったお金は、課税対象にならない”という人が多くなると考えられます。

課税対象にならなければ、サラリーマンなら確定申告も特に必要なし

任意売却による売却代金が、課税対象にならなかった
ほかに給与以外の所得がない

といった場合、確定申告も特に必要ないと考えられます。

「普段、会社からの給与だけで生活している」というサラリーマンの場合、普段と同じように、確定申告はしなくて良いと考えられます。

ただし実際には、人それぞれの家計の事情により変わる部分もあるでしょう。
ですので、「自分は大丈夫」と思い込まず、必ず任意売却専門家のアドバイスを受けて下さい。

任意売却で、サラリーマンでも確定申告が必要になるケース

それでは、任意売却を行った事が理由で、確定申告が必要になるケースは、どんな場合でしょうか?

これも一言でまとめれば、「任意売却の結果、黒字になった(譲渡益が出た)場合」が、原則として当てはまると言えます。

租税特措法による「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」

任意売却でマイホームを売って黒字になった場合も、確定申告をすることで、3000万円までの控除が受けられる可能性があります。
租税特措法」という法律により、次のような制度が整備されているためです。

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例といいます。
(…中略…)
この特例を受けるためには、確定申告をすることが必要です。

出典:マイホームを売ったときの特例 国税庁

現実には、任意売却で黒字になる事はほとんどありませんが、黒字になった場合も3000万円までなら、税金(譲渡所得税)の課税対象にならずに済む場合があるわけです。

ほとんどの任意売却では、譲渡所得税や確定申告のことは心配しなくて良い

いろいろと解説をしてきましたが、現実には、ほとんどの場合は譲渡所得税や確定申告のことは心配しなくて大丈夫です。

なぜなら、

任意売却で黒字になることは、実際にはほぼ無い
黒字が出なければ、譲渡所得税も掛からない

…という理由です。
とはいえ、本当に個人の違いが大きい部分ですので、詳しくは必ず、任意売却の専門家にご相談下さい。

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任意売却でオーバーローンになったら、譲渡所得税が発生しない理由

任意売却は、「住宅ローンの残った家を売って、そのお金で住宅ローンを返済する」という手続きです。つまり、家を売ったお金は、原則として“住宅ローン返済”に充てられるわけですね。

実際にはここから、任意売却の費用を払ったり、その後の引っ越し資金(生活準備金)をもらったり…と、住宅ローン返済に100%が使われるわけではありません。
こうした費用や引っ越し準備金については、次の記事で説明していきます。

任意売却の費用については…

引っ越し資金(生活準備金)については…

ともあれ、任意売却で得たお金は、“住宅ローン返済に原則として使われる”ものになります。ですが現実には、任意売却の代金だけでは完済できずローンが残る、いわゆるオーバーローンになる場合も多々あります。このオーバーローンになった借金をどう解決するかは、次の記事で詳しく解説していきます。

ただ今回のテーマである、「確定申告や税金(譲渡所得税)」のポイントから見れば、オーバーローンになる事は、決してデメリットばかりではありません。
なぜなら、これによって、任意売却をしても譲渡所得税が発生しない事になるからです。

所得税は“黒字”に対して掛かる税金

“譲渡所得税”とは、家など不動産を売って得た“黒字”に対する税金です。
これは所得税の一種なのですが、そもそも所得税それ自体が、“黒字”に対して掛かる税金という性質があります。

一方、任意売却の場合、家を売って得たお金は、住宅ローン返済に充てられるわけです。
返済しきれずオーバーローンになれば、結果は赤字です。
つまり“黒字が出ない”のですから、譲渡所得税(黒字に対する税金)も掛からない事になります。

所得税法9条による譲渡益の非課税化

さて、「黒字にならなければ(=オーバーローンになれば)譲渡所得税は発生しない」と説明しましたが、これ以外にも、任意売却の売却代金が非課税になるパターンがあります。

それは、“所得税法第9条1項の10”に当てはまる場合です。

第9条
1.次に掲げる所得については、所得税を貸さない。
(…中略…)
十 資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号 (定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得(第三十三条第二項第一号(譲渡所得に含まれない所得)の規定に該当するものを除く。)

出典:所得税法第9条 - Wikibooks

簡単に言えば、「手持ちの資産をすべて手放しても、返しきれないほどの債務を抱えている場合」です。つまり、任意売却や競売によって譲渡益が生じたとしても、他の借金などで“返済しきれないほどの債務”を持っている場合、原則として、その譲渡益は非課税となるわけです。

これからの任意売却には適用されない「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」制度

任意売却の確定申告については、現在は適用されない制度に基づいて説明される事もあるため、注意が必要です。

たとえば…

“赤字になった場合も確定申告したほうが良い”
“赤字になった場合も確定申告すればお得になる”

…といった説明は、これから任意売却するケースには適用されない制度によるものです。

2017年12月31日までにマイホームを売却した場合のみ適用される、「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例」という制度があります。

要点だけ言えば、“任意売却でマイホームを売って赤字になった場合、確定申告すれば、その赤字分を所得税の課税対象額から差し引きできる”といった制度です。
実際にはもっと複雑な制度ですが、この特例制度があったため、2017年までは「任意売却は赤字でも確定申告したほうが良い」状況となっていました。

ですがこれから任意売却をする場合はこの制度が適用されないため、任意売却で赤字になった(オーバーローンになった)場合、確定申告をするメリットは、ほぼ無くなっています。

とはいえ、このページ前半で解説した現在利用できる制度をうまく活用し、返済を減らしたり節税したりといった総合的な解決を図ることが大切です。
自分で判断するのではなく、専門家のアドバイスを必ず受けて下さい!

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