借金の時効は何年?古い情報に要注意!消滅時効の法律が変わります

投稿日:2018年9月28日 更新日:

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この記事では、「借金は何年で時効になるのか」を解説していきます。

調べてみると、「借金は5年で時効です!」…と、シンプルに解説されているWEBサイト等も多いようですね。
これ自体は、間違いではありません。ですが実は、必ずしも5年ということでも無く、10年で時効になる借金もあります。

さらに言えば、今後は「5年で時効」「10年で時効」という法律が、変わることが決まっています。(※2018年6月13日、第196回国会にて可決 民法の一部を改正する法律案 )

5年で時効になる場合と、10年で時効になる場合の条件が、これから変わっていく事になっています。

★ご自身の借金の時効については、弁護士や司法書士にご相談下さい

これから、もう少し詳しい解説をお届けしていきます。ですが、この話は非常に難しいので、先に要点をまとめておきます。

何年で時効になるかは、「借りた相手」により異なる
「ふつうの借金」と思っていても、時効が5年の場合もあれば、10年の場合もある
今後の改正民法施行で、ルール(法律)そのものが変わってしまう

こうした状況なので、「借金は、何年で時効です」というのが、白黒ハッキリと言えないのです。

「どこから借りましたか?」
「いつ借りましたか?」

といった、ひとりひとりの事情をちゃんと聞いて、法律の仕組み、過去の判例、国会の議論とも照らし合わせて、専門的に診断しなければいけません。

ですから、ご自身の借金が時効かどうかは、必ず、弁護士や司法書士にお問い合わせください。

時効援用に強い弁護士・司法書士

借金返済が時効になるのは何年?

債務・借金の消滅時効の援用は、“債権者が、一定期間、督促をする権利を行使しなかった場合”に、“その権利を消滅させる”ものです。

何をもって「督促の権利を行使しなかった」と判断されるかもポイントなのですが、今回は、「一定期間」が何年なのか…という問題を見ていきます。

一言で言えば、「何年で借金は時効になるの?」という話です。

この話のほかにも、時効援用にはいろいろな条件がありますが、それについては次の記事で解説していきます。

まずは、今の法律(2018年時点の現行法)で、どうなっているのか見ていきましょう。

商事債権の時効は5年(商法第522条※今後廃止)

耳慣れない言葉が出てきましたね。「商事債権」です。
「商行為によって生じた債権」となりますが、ここでは、「業者や銀行から借りたお金」と理解しておいて良いでしょう。

サラ金(消費者金融)、銀行、信販会社、クレジットカードなど、相手がビジネスでお金を貸している場合ですね。そういう所から借りた借金は、5年で時効になるわけです。

【商法第522条】
商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に五年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。

出典:商法第522条-wikiboks

「商事債権」にあたらず、時効が10年の借金もある

業者から借りた借金は、「商事債権」にあたるため、5年で時効になる…と解説しましたが、実はこれにあたらないケースもあります。

いくつか身近な例を挙げると、

信用金庫や労働金庫
奨学金
日本住宅支援機構

といった所からの借入は、「ビジネスで貸している借金ではない」つまり「商事債権ではない」と解されるため、一般債権として時効が10年になります。

2020年の改正民法施行で、条件が変わる

さて、実はここまで解説してきた「何年で時効?」という問題ですが、今後はルール(法律)が変わります。

先ほど、「商事債権は、商法第522条により5年で時効」と解説しましたが、この商法第522条そのものが廃止されてしまうのです。

商法522条本文は、「商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないしないときは、時効によって消滅する。」と規定されていますが、削除されます(整備法3条)

出典:民法改正による商法改正(2) 弁護士 池野千白

一方、新しい法律では、別の仕組みで「5年で時効」という枠があります。ただ、その条件が今とは大きく異なります。

改正法では、権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または、権利を行使することができる時から10年間行使しないときのいずれか早く到達するときに時効によって消滅すると改められることになりました。

出典:民法改正・解説コラム 第1回「時効制度の改正」 札幌総合法律事務所 弁護士 福田直之

また、2020年施行の民法改正にともなった変更ですが、移行期間も設けられているため、ただちに変わるわけではありません。また、法改正以前の借金の時効がどうなるのか?といった問題もあります。

このように、非常に複雑な状況になっているのですが、かんたんにまとめれば、

何年で時効になるかは、「借りた相手」により異なる
「ふつうの借金」と思っていても、時効が5年の場合もあれば、10年の場合もある
今後の改正民法施行で、ルール(法律)そのものが変わってしまう

という状況です。

「5年って、いつから5年なの?」借金の時効の起算点

「5年で時効」「10年で時効」と解説してきましたが、「いったい、いつから5年、10年なのか」という疑問もありますね。
これは専門用語で、「時効の起算点」と言われるポイントです。

これも実は、今後の(2020年施行の)改正民法によって、法律が変わってしまう部分になります。

現状では、簡単に言えば『最終取引から5年』となっています。ですが改正後は、

『権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または、権利を行使することができる時から10年間行使しないときのいずれか早く到達するときに時効によって消滅する』

という仕組みになります。
「いつから?」「何年で?」という、時効の基本的な部分そのものが、とても難しい話になってくるのですね。

★詳しくは、かならず弁護士・司法書士に無料相談を

「借金は何年で時効になるの?」というシンプルな疑問の答えが、これほど複雑だとは思っていなかった方も、多いのではないでしょうか。
ざっくりまとめて「借金の時効は5年」と解説される事も多いのですが、実際には、非常に複雑なルールがあるわけです。

さらに、法律そのものが今後変わっていく…となれば、まして私たち一般人が理解するのは難しくなりますね。
しかも今、この難しい時効援用の仕組みを、必死になって自分で勉強しても、またすぐに仕組みが変わってしまうのです。

ですので、自分ひとりで調べたり悩んだりするよりも、時効援用に詳しい弁護士・司法書士に話を聞いたほうが安心です。間違いや失敗のリスクも大きく減るでしょう。

時効援用に強い弁護士・司法書士

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