自己破産が官報に載ってもバレない?社長に調査&検証してもらいました

投稿日:2019年3月9日 更新日:

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★この記事を読んでわかること
(約4分で読めます)
  • 自己破産して官報に載るとバレてしまう?実際に官報で自己破産歴が調査できるか徹底検証!
  • 社長の協力のもと、採用試験をシミュレーション。自己破産したかどうか官報で調べてもらった結果…。
  • 社長が出した答えとは?官報検索でも自己破産の過去は本当にバレないのか

この記事では、「自己破産すると官報に載る」という事について、実際にどのくらいデメリットがあるのか検証していきます。

自己破産をすると、「官報」という、政府発行の新聞のようなものに氏名や住所などが記載されます。これによって、

「親族や地域の人に知られて、村八分のような扱いになるのでは」
「職場にバレてクビになるのでは」
「子どもが将来、結婚や就職で苦労するのでは」

…など、いろいろな不安が浮かびますよね。

そこで実際に、「自己破産して官報に載る」ことが、どんなデメリットを及ぼすのか、リアルに検証していきます。

自己破産で官報に載ってもバレない?リアル社長の協力のもと徹底検証

それでは検証を始めていきましょう。
「自己破産して官報に載ることで、第三者にバレないか?」というのが、最大の問題です。
そこで今回は、実際に中小企業の経営をしている、加藤社長(仮名)にご協力いただき、こんな検証を行ってみました。

架空の人物・山田さんが、加藤社長の会社の採用面接に来たと仮定し、
この「山田さん」が自己破産した人かどうかを、加藤社長に調べてもらう

ここからは、筆者と加藤社長のインタビューも交えながら解説していきます。


--加藤社長:
え?ちょっと、今回のこれは…どういうこと?


--筆者:
つまりですね。「山田さん」…これ架空の人物です。この人が、加藤社長の会社に応募してきました。さあ、「自己破産した人かどうか、検証してください」…というチャレンジです。


--加藤社長:
まあ、うちは自己破産した人でも、今はちゃんとやり直しを頑張ってる人なら、ぜんぜん気にしないけど…


--筆者:
それだと検証の意味が無くなってしまうので、今回は「自己破産者は絶対に採用しない社長」になり切ってください。


--加藤社長:
イマドキいるかな?そんな社長。どこも人手不足だし…。


--筆者:
なりきってください。お願いします。

官報のデータは膨大な量!とても調べられない…

--加藤社長:
まず、この「山田さん」の住所も氏名も、全部わかってる…って前提だよね。(採用面接に)応募してきたんだから。


--筆者:
そうです。架空の住所氏名も、架空の履歴書もご用意しました。


--加藤社長:
手が込んでるなぁ…。山田雄介さん32歳、住所は東京都調布市…この人が、自己破産した人かどうか調べましょう、と。
履歴書には…まあ書いてないよね。


--筆者:
自己破産歴や債務整理歴は、履歴書に書く義務もありませんから。


--加藤社長:
(…履歴書を見ながら…)これじゃわからんな。ちょっと調べてみようか。
googleで「自己破産 記録」…と。
なるほど、自己破産すると、官報に載るのね。
インターネットで見れるのか。

(※インターネット官報 より)


--加藤社長:
…細かいなあ。これ、何ページあるの?


--筆者:
今日の官報だと、“破産手続開始”だけで10ページぐらいですね。
だいたい120人ぐらいじゃないですか。


--加藤社長:
…ってことは、過去5年ぶんチェックしようとすると…18250ページ、219000人ぶん?


--筆者:
日によって数は違いますけど、そのぐらいじゃないですか?


--加藤社長:
…目が痛い。これは無理だ。コストパフォーマンスが悪すぎる。
検索は…ここ(インターネット官報)じゃできないのか。

官報検索も、過去の自己破産者を調べるのには不向き

--加藤社長:
お、「官報検索」あるね。これ使ったらわかるんじゃない?
…でも待って。変なサイトがいっぱいある。
本物は…国立印刷局の官報情報検索サービス、これか。
(https://search.npb.go.jp/kanpou/)


--筆者:
やってみます?


--加藤社長:
(…国立印刷局のサイトを見ながら…)これ、有料だね。しかも登録が必要か。
ここに正直、コスト掛けたくないなぁ。
別のサイトに無料検索サービスもあるけど、こっちは信用できるの?


--筆者:
さあ…この無料のほうは、個人の方が作ってらっしゃるようですね。


--加藤社長:
しかも、こっちは過去1か月分が対象か。
これじゃ正直、過去の自己破産歴なんて調べられないよね。本当に直近なら、わかるかもしれないけど。この検索結果じゃ、同姓同名の人と区別つかないし…。住所も引っ越してたら、わからないでしょ。

個人信用情報機関の照会も不可能

--加藤社長:
ギブアップ!こんなの、やってられないよ。


--筆者:
あれ?意外と早いですね。本当にギブアップでいいんですか?


--加藤社長:
だって、官報以外には乗らないんでしょ?記録とかも。


--筆者:
個人信用情報機関には、過去5年以内だったら記録があるかもしれません。
でも、加盟企業が“与信審査のため”にしか照会できません。


--加藤社長:
そうだよね。そこは知ってた。だから、個人信用情報機関の加盟企業でも、採用のために自己破産歴を調べるのって、できないんだよ。

「ギブアップ」「官報を毎日読んでたって無理」…自己破産歴は調べられない?

--筆者:
では、ギブアップ…自己破産したかどうか調べるのは、住所や名前がわかっていても現実不可能、ということで大丈夫ですか?


--加藤社長:
そうだね。やる手間や労力、コストとかを考えると、とても現実的じゃない。
官報を毎日読んでたって無理でしょ。
破産した人の名前と住所を記録しておいて、誰かが採用面接に来た時に「あ、この人、3年前の官報に破産開始で載ってた人だ」…って、なるわけないでしょ。覚えてないって絶対。
そもそもこれ(官報)、どこで買えるの?


--筆者:
都内だと、

  • 政府刊行物センター(霞が関)
  • 東京都官報販売所(千代田区)
  • 政府刊行物サービスステーション(立川)

…の3か所ですね。
あとは、国立国会図書館に行けば、詳しい検索もできるみたいですよ。


--加藤社長:
買える場所、少ないね…。
国立国会図書館にわざわざ行くのもなあ…。

官報チェック、自己破産歴を調べる=コストパフォーマンスが悪すぎる

--筆者:
実際にチャレンジして頂いて、どうでした?


--加藤社長:
無茶だね。手間もかかり過ぎるし、コストパフォーマンスが悪すぎる。


--筆者:
そこまで時間や手間を掛けるべきではない、と。


--加藤社長:
だって。仮に官報検索でヒットしても(=情報が出てきても)、本当に本人の情報なの?とか、実際それで今はどうなの?とか、いろいろ確認しなきゃいけないでしょ。こんな面倒なこと、やってたら採用時期が過ぎちゃうよ。


--筆者:
では、人もお金もたくさんある、大企業だったらどうでしょう?調べられませんか?


--加藤社長:
大企業って、毎年何人応募者が来ると思ってる?
数百人、数千人だよ。それ全員、こうやって官報調べてたら、年度変わっちゃうよ。第一、そんな何年も前の自己破産歴とか気にして、優秀な人材を他社に取られちゃったらどうするの?
だから、こんなこと(=自己破産歴を調べること)、実際にやってる会社なんて、どこにも無いと思う。

自己破産や債務整理をしないほうが、“バレる”リスクは大きくなる

いかがだったでしょうか?
今回は、「自己破産歴は官報でバレないのか」を知るために、本物の社長にご協力いただき、官報調査にチャレンジしてもらいました。

その結果、「手間や労力が掛かり過ぎて、実際にはとても調べられない」という結論になりました。

自己破産で官報に載ることは、本当に気にしなくて良い

「自己破産をしても、官報に載ることは、あまり気にしなくて良い」

と、言われているのは、

  • 破産手続きの開始決定を受けたとき
  • 免責許可を受けたとき

しか官報に掲載されないためです。

このことは、弁護士や司法書士も証言しており、当サイトも以前から認識していました。
しかし今回、現実的に検討してもらい、改めて「本当に気にしなくて良い」と実感できました。

「返済が苦しい、自己破産したい…でも、官報に載るのは怖い」と思っている人も、それほど心配しなくて良さそうですね。

破産よりも、何もせずに差し押さえを受けるほうが怖い

むしろ、自己破産して官報に載ることよりも、このまま何もせずに差し押さえ(強制執行)を受けることのほうが、リスクは大きいです。
差し押さえを受ければ、財産調査や給与差し押さえなどで、職場や周りの人にも迷惑をかけてしまいます。

そうなるよりは、自己破産や債務整理で、しっかりと返済を解消したほうが、自分自身にとっても、周りの人にとっても、生活や将来を守ることになります。

-自己破産

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