住宅ローンの任意売却と債務整理(自己破産・個人再生)の違いを比較

投稿日:2017年7月9日 更新日:

このページでは、住宅ローンの「任意売却」と、債務整理の違いについて比較していきます。

「住宅ローンの返済を楽にしたい」

と考える方は、ぜひ参考にお役立てください。

 

まず最初に、かなり大まかな違いを表にしました。

任意売却と債務整理(個人再生・自己破産)の違い
任意売却 5,000万円の住宅ローンの返済に、家を売って得た2,000万円をあてて、残り3,000万円にする
債務整理(個人再生または自己破産) 5,000万円の住宅ローンそのものを500万円~0万円に減額し、その代わりに家を手放す

※「5,000万円」などの数字は、あくまで一つの例です。

 

この記事では、債務整理を“自己破産”または“個人再生”と想定して解説します。

この記事では、債務整理を“自己破産または個人再生”を前提として解説していきます。
債務整理にはこのほかに、“任意整理”や“特定調停”といった手続きもありますが、これらは住宅ローンの債務整理にはあまり向いていないため、説明を省略します。

任意整理、個人再生、自己破産など債務整理について、詳しい情報は、債務整理に強い弁護士にお問い合わせください。

住宅ローンの債務整理に強い弁護士の一覧と相談窓口

 

住宅ローンが返せない…任意売却と債務整理(自己破産、個人再生)はどう違う?

まず簡単なイラストを使って、任意売却と債務整理の違いを見ていきましょう。

この2つは、なんとなく似たような印象の名前ですが、手続きの中身はまったく異なります。

そもそも、住宅ローンとは

まず住宅ローンとは、どんな取引なのか見てみましょう。

「住宅ローンを組んで家を買う」というのは、図のとおり、2つの取引にわけて考えられます。

1:銀行からお金(住宅ローン)を借りる
2:借りたお金で、不動産業者から家を買う

この2つの取引のうち、“どちらにアプローチするか”が、任意売却と債務整理の根本的な違いとも言えます。

任意売却とは

任意売却は、“ローンの残っている住宅などを、不動産業者などを通して売却活動をし、売れたお金を返済に充てる”ことが基本となります。

 

  • 本来は売るのが難しい“ローン付き住宅”を売却することで、“返済のための、まとまったお金が得られる”のがメリット
  • 競売よりは高く売れることもあるので、住宅ローンの残債を減らせる
  • ただし任意売却を行うためには、債権者(ローンを出した銀行など)の同意は必要となる。債権者の同意が得られず、失敗してしまうケースも多い
  • 必ずしも完済に十分なお金が得られるとは限らず、債務が残るケースも多い。住宅ローンがどれだけ減らせるかは未知数。
  • もしも十分な金額で売れず、多額のローンが残った場合、自己破産などの債務整理が必要となることも。
  • 任意売却の取引を仲介するのは、民間の不動産仲介業者
  • 債務整理と違って、特別な法律に基づく取引ではない。利用者の権利や公平性なども特別な保護はなく、あくまで“民間同士の自己責任での商取引”と解釈される。

債務整理とは(住宅ローンの場合)

債務整理は、借金などの債務の減額・免除を行う、“国の認めた特別な手続き”です。
住宅ローンの場合は、「個人再生」または「自己破産」による解決が適していると考えられますが、このほかに「任意整理」「特定調停」などの手続きもあります。

  • 住宅ローンそのものを減額、または免除できる
  • 「小規模個人再生」では、債権者の過半数の同意が必要。ただし、93.7%の人が債権者の同意を得て、借金減額に成功している。
  • 自己破産、個人再生ともに成功率が高く、申し立てを行った人の約90%以上が成功している。
  • 法的な資格と権限を持つ弁護士が代理人となる
  • 「個人再生」「自己破産」では裁判所も間に入るため、最低限の文化的な生活を送る権利(憲法第13条)など、利用者の権利保護が憲法に基づいてしっかりと行われる。

また、図には掲載されていませんが、

  • 住宅ローン以外の債務がある場合も、あわせて減額・免除ができる
  • 「住宅資金特別条項を定める個人再生手続き」では、住宅ローンを残して家を手放さず、他の債務(借金)を整理することも可能。

…といった特徴もあります。

任意売却と債務整理(個人再生・自己破産)の違い
  任意売却 債務整理(個人再生・自己破産)
住宅ローン返済が楽になる理由 住宅を売って得たお金を返済に充てられる 返済額が減額されたり、ローンの返済を免除されるため
返済額が減るか減らないか 高く売れなければ債務が残る場合がある(このケースがほとんど) 個人再生の住宅ローン特則を使えば住宅を手放さず今まで通り住宅ローンを払う。自己破産の場合は住宅を手放す代わりにローンの返済義務がなくなる
ブラックリスト(※1) 載る。但し一定期間が経過すれば解除される 載る。但し一定期間が経過すれば解除される
住宅ローン以外の借金など 別途、債務整理を行う必要がある 取り立てを停止し、返済が減額・免除される(※2)
住宅を残せるか 残せない 原則として残せないが、個人再生で住宅ローン特則を使った場合は残せる
手続き費用 数十万円程度 数十万円程度。
ただしお金がない場合、公的支援を受けることも可能。
返済が残った場合 残債務は分割返済になる 自己破産の場合は原則として全ての借金がなくなる。
個人再生の場合は一部が残るが、返済に無理のない形に減額されている。
手続きの仲介者・代理人 不動産仲介業者などの、民間営利企業 ”平等・公正”や”守秘義務”などの義務や”法的権限”を持つ弁護士

※1 ここでは、個人信用情報機関に事故情報が記録されることを指して、ブラックリストと呼ぶ事とします。
※2 例外もあります。また、“任意整理”では整理する債務を選ぶことも可能です。
※3 自己破産において住宅の資産価値が基準以下の場合など。詳しくは専門家にお問い合わせください。

 

任意売却と債務整理は、それぞれ違うメリット・デメリットがある

いかがでしょうか?
任意売却と債務整理は、まったく違う仕組みのため、それぞれメリット・デメリットも大きく異なります。

また、住宅ローンの悩みは、大きなお金の悩みだけに、人それぞれの事情も大きく違ってきます。
そのため、「絶対に任意売却が良い」とも、「絶対に債務整理のほうが良い」とも言い切れません。

「自分の場合は、どのような手続きが良いのか」は、専門知識と経験を持ったプロに判断してもらう必要があります。
住宅ローンなどの“債務”のトラブル解決に強い弁護士に、まずは無料相談してみましょう。

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