ギャンブル依存症でサラ金から多重債務…甘え?それとも疾患?

投稿日:2016年12月28日 更新日:

「やめたいのに、やめられない…」
「つらい、死にたい、でも止められない…」

本人の意志や自制心では、どうしようもなくなってしまう”依存症”

そんな依存症の一つに、”ギャンブル”があります。

パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇…。
自分の意志では止められなくなり、軍資金のために消費者金融から多額の借入。

多重債務、借金地獄になり、闇金に…。

そうして、人生や家庭をボロボロに崩壊させてしまった事例もあります。

そんな悲劇を招いてしまう、”ギャンブル依存症”の問題について、考えてみました。

パチンコ、パチスロ、競馬や競輪…ギャンブル依存

『ギャンブル依存』というと、どんなイメージでしょうか?

私は最初、「自制のきかない、我慢のできない人がなるもの」というイメージを持っていました。

「“依存性”なんて病気みたいな名前を付けているけれど、結局は自己責任、ただの甘えでは?」

そんな見方をしてしまっていたんです。

薬物依存と、行動依存

依存症には、大きく分けると『薬物依存』と『行動依存』の2種類があるそうです。

薬物依存

アルコール依存症、薬物依存症など。
“何らかの物質・成分”による依存症。

行動依存

ギャンブル依存症、スマホゲーム、アイドル依存症など。
特定の“行動”に対する依存症。

『薬物依存』に陥ってしまうと、本人の努力や気持ちだけでは、なかなか脱出できない…。
これは直感的にイメージしやすいです。
アルコールや薬物によって、身体や脳に異常がでてしまうからです。

ですが、『行動依存』はどうでしょうか?
私としては、これで『脳に異常が出る』『やめたくても、やめられなくなる』ということは、これまで想像もできませんでした。

そのため、

「ギャンブル依存は、自制自律のできない人がなるもの」
「性格の問題」

こう思っていました。
ですが実際は、そうではないようです。

“たくあん”は“大根”に戻らない…脳機能への障害

ギャンブル依存などの『行動依存』でも、実は、脳機能に変化が表れているそうです。

NHK『クローズアップ現代』の中で、複数の専門家がコメントしています。

ギャンブル依存症 明らかになる病の実態

京都大学大学院医学研究科 医師 鶴身孝介さん
「意志の問題で片づけられてしまいがちだが、脳にも明らかな変化が起きている。
(ギャンブル依存症の)影響は大きい。」

精神科医 森山成彬さん
「なまやさしい病気じゃないんです。
ギャンブル障害になったら脳が変わる。」

精神科医 森山成彬さん
「嗜癖(しへき)でたくあんになった脳みそは、二度と大根には戻らないと患者には言っている。
それぐらい残る、脳の変化が。
だから一生の闘い、治療と思った方がいい。」


NHK『クローズアップ現代』 2014年11月17日(月)放送
“ギャンブル依存症” 明らかになる病の実態
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3582/1.html

この番組が放送されたのが、2014年11月。
今から2年以上前には、もう専門家が警鐘を鳴らしていたんですね。

 

行動依存は、精神病ではなく、神経症

「ギャンブル依存症などの行動依存が仮に病気だとしても、精神病なのでは?」
「本人の性格と、明確な区別ができにくいのでは」

…と私は思っていましたが、実際には、“明確に脳の機能に変化が出る、神経症”だそうです。

医療についてはあまり詳しくありませんが、MRIなどの検査で、“依存症が明確に診断できる”可能性もある…という事かなと思います。

 

ディジタル・ヘロイン、アイドル依存…ギャンブルだけではない依存症の数々

『ギャンブル依存は、行動依存である』

という話を知って、「このほかにも、行動依存はいろいろありそうだな」とも思いました。

スマホゲーム、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)のガチャ課金

たとえば『スマホゲーム』『ソーシャルゲーム』、とくに“ガチャ”と呼ばれる課金システムを備えたSNSゲームです。

これは“ディジタル・ヘロイン”とも呼ばれ、依存症が問題になりつつある…と、IR法案の審議の中でも少し出てきた言葉かと思います。

これもハマってしまう人が多く、“課金ガチャを回すために借金をして、返済できなくなり自己破産する人”も増えているようです。

アイドル、タレント等への依存

こちらは他の依存症ほど話題になっていませんが、“アイドル依存”も一種の行動依存であると考えられそうです。

調べてみると、

『50代でアイドルにハマってしまい、息子の大学進学の学資金150万円をアイドルに使ってしまった』

といった事例も見つかります。
「そこまでハマってはいけない」と自覚していても、止められない…。
そうした点が、ある種の依存症と言えるのではないかと思います。

 

多重債務、そして闇金…借金地獄になるケースも

ギャンブル依存症など、さまざまな依存症。
その恐ろしさは、『金銭的・経済的なダメージ』も大きいのではないかと思います。

こうした点に着目しつつ、12月8日、内閣委員会での、自由党・山本太郎議員の質問から、いくつか事例をご紹介したいと思います。

(※当サイトは、特定の政治政党・議員等を支援・支持するものではありません。以下は、あくまで資料として、わかりやすくまとまっているため、引用させて頂くものです。)

友達に誘われて、十六歳、高校生のときに初めてパチンコをしたのがきっかけでした。

(中略)

パチンコ、スロットはやめられず、消費者金融で限度額いっぱいを借り入れ、親や友達からも借金をするようになり、結局、挙げ句の果てにはコンビニ強盗

(中略)

女性もギャンブル依存症で苦しんでいる人がいます。

(中略)

ボーナス、貯金、子供の学資保険、どんどん手を付けていく。生命保険を解約、婚約指輪を質に入れ、実家の仏壇からお金を盗み、サラ金へ。

(中略)

多額の借金を重ね、売春をするようになってしまった四十代の女性。

(中略)

給料がなくなってもやめられず、消費者金融で借金をしながら続け、家族が代わりに返済してくれてもまた続け、パートの合間に売春をしながらお金を得る日々。

(中略)

もう死んでしまおうと思って、遮断機をくぐって線路に立った。そこまで追い詰められた体験をしたのは四十代の男性。

(中略)

大学生のとき、興味はなかったけれど、高校の先輩に連れられてパチンコを初めて体験した。

(中略)

消費者金融、闇金からも借金が重なると、同僚からの借金。光熱費や家賃、携帯電話の滞納などが重なり、ついには遮断機をくぐって自殺を図ろうとした。


2016.12.08. 内閣委「日本はすでにギャンブル依存症の大量生産国。さらに依存症を増やすカジノ法案は論外!」
http://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/6513

パチンコのため、消費者金融から多額の借金を重ね、ついにはコンビニ強盗に走ってしまった男性

サラ金で多重債務、売春してギャンブル軍資金を稼ぐようになった女性

パチンコのお金のために、消費者金融、闇金からも借りるようになり、自殺未遂まで至ってしまった男性

こうした事例が紹介されています。
“お金の問題”に着目するだけでも、その人にとって、大きなダメージとなっていると思います。

 

ギャンブルで多重債務になるのは、本人がダメ人間だから?

“ギャンブルにハマって多重債務”…そんな事例を見ると、こうは思えないでしょうか?

「本人がダメな人だからなるのであって、パチンコ・パチスロで遊ぶ人が、みんな多重債務者になるわけではない」

…厳しい言い方ですが、個人的には、確かにそれも“一理ある”という気がしています。

確かに、依存症に“なってしまえば”、脳に変化が現れ、疾患として症状が表れてしまうのでしょう。

ですが、“そうなる前に、なぜ自制できなかったのか”という点も、慎重に考える必要があると思います。

 

依存症からの脱却…経済的なダメージはどう回復する?

『依存性から回復するためには、回復施設の利用や、専門家の治療が必要』

こうした意見は、さまざまなメディアで見受けられます。
ですが、依存症問題について調べる中で、私はこんな疑問を持ちました。

「依存症による“経済的なダメージ”は、どう回復すれば良いの?」

ギャンブル依存症などの“行動依存”も、神経症であり、脳の機能に変質をきたす…。
だからこそ、“機能回復の治療”が必要。

その重要性は理解できますが、これは、あくまでの“脳の機能に対しての回復手段”です。

ですが、経済的なダメージは、治療では回復できないはずです。

消費者金融からの多重債務、闇金からの借入…。
こうした“経済的な回復”もセットで取り組まなければ、依存症からの回復=日常生活への復帰とは、呼べないのではないでしょうか?


「パチンコ依存症は治療で抑え込んだけれど、サラ金4社から400万円の借金がある」

そんな状態だったら、

「返済のためには、ギャンブルで一攫千金を狙うしかない…」

と考え、またギャンブル依存に逆戻りしてしまう恐れもあるはずです。

こうした点に関する議論が、まだまだ抜け落ちているのではないか…。
そんな思いで、このブログを書かせて頂きました。

心身の治療と、経済再建…2つ揃わなければ、回復は望めない

ギャンブルで作った借金は、”自己破産の免責不許可事由”と言われていますが、裁判所の裁量免責によりギャンブルが原因の借金でも自己破産できる場合があります。
詳しくは次のページで解説しています。

また、『任意整理』『個人再生』といった、他の債務整理の手段で、返済額を減らし、人生の再建をはかることもできます。

私としては、”ギャンブル依存症からの回復は、カウンセリングなどの治療と、債務整理の2つが必要”だと思っています。

”心身の治療”と”経済的な再建”。
この2つが車の両輪です。どちらが欠けても、真の回復とは呼べないと思います。

もしもあなたや、あなたの大切な家族、友人が、ギャンブルなどの依存症で悩んでいるのなら…。

”心身の治療”は、心療内科や回復施設などの専門家へ。
そして、”経済的な再建”のためにも、債務整理の専門家である弁護士・司法書士へ。

両方への相談を、ぜひ行ってみてください。

こちらに、債務整理に強い弁護士・司法書士をまとめました!

 


---参考資料---
NHK『クローズアップ現代』 2014年11月17日(月)放送 “ギャンブル依存症”明らかになる病の実態→link
2016.12.08. 内閣委「日本はすでにギャンブル依存症の大量生産国。さらに依存症を増やすカジノ法案は論外!」→link
会議録情報 参議院→link

-消費者金融の債務整理

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