債務整理の方法はネットで調べられる、弁護士はいらない…弁護士不要論は本当?

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★この記事を読んでわかること
(約4分で読めます)
  • ネットで調べれば法律はわかる?「弁護士不要論」とは
  • 弁護士不要論は本当に正しい?債務整理でも弁護士はもう要らない?
  • 人工知能(AI)の発達により、将来的に弁護士は不要になる?

近年、にわかに囁かれるようになった“弁護士不要論”をご存知でしょうか。

調べてみると、「今後、AI(人工知能)が発達すれば、弁護士は不要になる」といった先進的な意見もあります。
また、「ネットで調べれば法律や裁判のことはわかる。だから、弁護士を雇う必要はない」といった意見も、SNSや2ちゃんねる(5ちゃんねる)等で見かけたこともあります。

こうした“弁護士不要論”は、債務整理に対してもあるようです。

「債務整理だって、本人だけで出来るのでは」
「弁護士や司法書士を雇っても、費用が無駄になるだけ」
「ネットや本で調べれば、債務整理のやり方ぐらいわかる」

…こうした意見は、本当に信頼できるのでしょうか?
もちろん、耳を傾けるべき部分もあるとは思いますが、「現実に債務整理をする立場」に立って、考えてみたいと思います。

債務整理を適切に行うために、必要な知識とは?

まず、債務整理を行うためには、どんな知識が必要なのでしょうか?
当サイト執筆陣がこれまで、様々な調査や取材を重ね、記事を作成する中で見えてきたものを、まとめてみます。

法律の知識は必要…ただし「法律を知っている」だけでは不足

債務整理は、「国の認めた借金減額方法」とも呼ばれる手続きです。
個人再生、特定調停、自己破産など、法律で厳格に定められた手続きもあります。
一方で、直接定めた法律のない「任意整理」や、法解釈の幅がきわめて広い「時効援用」などもあります。ただ法律の条文を読んだだけでは、債務整理を適切に行うことは難しいでしょう。

専門家の間でも意見がわかれる?「法解釈」も重要

法律の条文は、「書いてあることを、そのまま理解すれば良い」…というものではありません。書き方が非常にあいまいで、解釈の幅が広い条文もあります。債務整理の場合、特に「時効援用」などと関係の深い民法、商法などで、この問題が生じがちです。

「この条文は、どのように解釈すればいいのか」
「今回のケースでは、どういった法解釈が適用し得るのか」

…といった事を、実際の事案や過去の判例、法理論などに照らし合わせて、しっかりと判断する必要があります。

過去の判例(裁判の結果)にも熟知している必要あり

債務整理は、過去の判例(裁判の結果)も大きく影響する分野です。

たとえば「過払い金返還請求」は、昭和43の判決(最判昭43.11.13)によって認められたものですが、いわゆる“過払い金バブル”のキッカケとなったのは、平成18年の判決(最判平18.1.13)によると言われています。

過払い金返還だけでなく、債務整理に関するさまざまな問題が、判例の積み重ねによって形作られています。近年でも、無許可の債権回収会社に関する判断(最判平24.2.6)など、新しい判例が示されています。

こうした判例についても、過去のものから最新のものまで、幅広く精通している必要があるでしょう。

債権者ごとの傾向の違い

債務整理では、債権者(金融会社など)による傾向の違いも影響します。
特に、債権者と話し合いで解決を目指す「任意整理」「特定調停」では重要になるでしょう。

「どういった条件を相手が提示してくるか」
「どのくらいの条件なら相手も納得するか」

…など、債権者によって、債務整理の交渉にも、様々な傾向があります。
こうした傾向を把握して、それに応じた交渉ができるかどうかで、債務整理の結果は大きく左右される事もあります。

こうした事は、本や資料を読んだり、ネットで調べただけでは把握できません。債務整理の実際の経験がなければ難しいでしょう。

債務整理の手続きの実務経験…法律と実際の運用が異なる場面も

債務整理には、「法律と実際の運用が違う」「原則と例外があるが、実際は例外のほうが多く適用される」といった事もあります。

たとえば、「自己破産の免責不許可事由」です。
よく、“ギャンブルや株の借金は、破産しても免責が認められない”と言われる仕組みです。これは確かに、「破産法第252条」に記されており、法律ではその通りと言えるでしょう。

ですが、破産法第252条をネットで調べて、「確かにギャンブルなどの浪費で作った借金は、自己破産できないようだ」と理解すると、大失敗になてしまいます。

なぜなら、自己破産には「裁量免責」という制度もあり、裁判官の判断によって、免責不許可事由に当該する場合でも、免責決定を出せるからです。そして実際の制度運用においては、この「裁量免責」によって、ギャンブルなどが原因の借金でも、破産が認められる事が多くなっています。

この他にも細かいところで、「法律と実際の制度運用が異なる」事がいくつもあります。そのため、やはり債務整理は、実際の経験を積んでいなければ、適切に行うのは難しいでしょう。

★弁護士や司法書士でも、債務整理に慣れていないと難しい

このように、債務整理に必要になる知識や能力は、「単なる法律や制度の知識」だけに留まりません。
実際の経験や、判例に対する幅広い理解、法律と実務の違いなどを把握していなければ、適切な借金解決はできません。

こうした知識や経験は、債務整理に強い弁護士・司法書士でなければ、持ち合わせていないでしょう。同じ弁護士・司法書士でも、債務整理の経験に乏しい場合、非常に難しくなると考えられます。

だからこそ、借金などの解決は、“債務整理が得意な弁護士・司法書士”の力が必要不可欠です。

次のページで、債務整理で頼れる弁護士・司法書士の無料相談窓口をまとめています。自分で調べるのにも限界があるため、無料相談も活用してみて下さい。

債務整理に強い弁護士・司法書士事務所 一覧と解説

人工知能(AI)と弁護士不要論

ここから、もう少し話を広げていきましょう。

「弁護士はもういらない」という“弁護士不要論”は、実はかなり以前から、一部に主張がある意見です。

たとえば、スマートフォンが普及して、多くの人がネットを使うようになった頃には、

「法律や裁判の仕組みぐらい、Google検索で調べれば何でもわかる。過去の判例だって調べられる。だから、弁護士はもう要らないのでは」

…という声もありました。
しかし実際には、スマートフォンが普及してから何年も経っていますが、弁護士や司法書士は、まだまだ必要とされています。
ネットや本で調べた“表面上の知識”だけでは、適切に法的手続きを行えないからです。

こうして、「Googleがあるから弁護士は不要」という声は、あっという間に姿を消しました。

ところが近年になって、ふたたび“弁護士不要論”が持ち上がります。
そのキッカケになったのが、人工知能(AI)です。

AI(人工知能)が弁護士を失業させる?近年の弁護士不要論

「人工知能が発達すれば、弁護士は不要になる」
こうした新しい弁護士不要論について、宮野勉弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)が、「法と経済ジャーナル」にて論評を行っています。

それによると、やはり弁護士業務は幅広く、

依頼者の話を聞く(事実を整理する、感情に共感する)
法的な組み立て
損害賠償額などの決定

…などのうち、いくつかの要素では、まだ人工知能が弁護士を代替するには「時間が掛かるのでは」といった見解のようです。
一方で、部分的には「人工知能で代替され得る」分野もあるとしています。

このように見てくると、確かに、弁護士の業務のいくつかの分野は、AIに取って代わられると思われる。例えば、最も端的な例として、過払い利息の返還請求のような場合、(…中略…)、技術的には弁護士でなければできない仕事としての性格付けが、既に疑問視されている分野でもある。むしろ、弁護士という「資格」の有無が主たる問題になっているに過ぎない。

出典:弁護士は人工知能(AI)に取って代わられるか? 弁護士 宮野 勉(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)-法と経済のジャーナル(Asahi) link archive

過払い金返還請求についても、弁護士でなければ(技術的に)できないかどうかは、疑問視される分野になっているようですね。

ただし、過払い金返還請求と債務整理とでは、手続きが大きく異なることにも注意が必要です。

「過払い金を取り戻すだけ」の完済後過払い金返還請求は、確かにほとんど事務的な処理で解決できるケースもあるようです。
しかし、「返済中の過払い金返還請求」や、「過払い金のない借金の減額・免除」など、債務整理においては、まだまだ人工知能や自動計算ソフトに頼り切ることはできないでしょう。

★大まかなシミュレーションなら、無料の自動診断サービスも頼れる

人工知能などのテクノロジーが、弁護士・司法書士を不要にするかは、まだまだわかりません。ですが現時点でも、大まかなシミュレーション(返済を減額できるかどうか)であれば、無料の自動診断サービスでも十分に頼りになります。

そうした自動診断サービス(借金減額シミュレーター等)について、次の記事で詳しくご紹介しています。すぐにスマートフォンやパソコンから、手軽に使える診断シミュレーターもあるので、こちらも合わせてお役立て下さい。

借金減額診断シミュレーターやチェッカーで返済がどれだけ楽になるか調べよう!

 

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